芹乃栄・水泉動・雉始雊|小寒の期間と時候の挨拶文

冬の二十四節気・小寒(しょうかん)の時期(1月5日頃から1月19日頃)に手紙やはがきに使える季節の挨拶を七十二候◇第67候・芹乃栄(1月5日頃から1月9日頃)◇第68候・水泉動(1月10日頃から1月14日頃)◇第69候・雉始雊(1月15日頃から1月19日頃)――ごとに、季語をまじえて解説していきます。

 

二十四節気<小寒>七十二候(1月5日ごろ~1月19日ごろ)

冬景色 小寒。読み方は「しょうかん」。寒さが極まるやや手前のころのこと。小寒から「寒の入り」(かんのいり)を迎え、立春に「寒の明け」(かんのあけ)を迎えるまでの約30日間を「寒の内」(かんのうち)と呼び、厳しい寒さが続きます。暦の上で小寒というと、1月5日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の大寒(だいかん)前日まで、1月5日頃から1月19日頃までの期間をいいます。

小寒の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(1月5日頃から1月9日頃)は芹乃栄(せりすなわちさかう)。次候(1月10日頃から1月14日頃)は水泉動(しみずあたたかをふくむ)。末候(1月15日頃から1月19日頃)は雉始雊(きじはじめてなく)と読みます。

二十四節気の小寒の時期(1月5日頃から1月19日頃)、手紙やはがきの時候の挨拶に七十二候を入れると季節感のある書き出しになります。以下、1月上旬から1月中旬の手紙やはがきに使える季節の挨拶文例を紹介します。

小寒・初候(芹乃栄)1月5日ごろ~1月9日ごろの時候の挨拶

七草 芹乃栄。読み方は「せりすなわちさかう」。「せりさかう」とも読みます。セリ(芹)が生え始めてくるころという意味。芹は春の七草のひとつ。春の七草…せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ。一月七日の人日(じんじつ)に七草粥をいただきます。二十四節気の小寒・初候、七十二候の第67候にあたります。新暦では、1月5日ごろから1月9日ごろまで。

この時期(小寒・初候)に使える季語は、芹(せり)・春の七草・七草粥・小寒・寒の入り・入寒・松の内・爪切りの日(1月7日)・どんど焼き・鱈(たら)・真鱈(まだら)など。

1月5日頃から1月9日頃に使える時候の挨拶文例…芹乃栄の候、/小寒を迎え、寒さもますます厳しくなる今日この頃、/寒の入りも過ぎ、寒さもいよいよ本番を迎えました。/松飾りもとれ、普段どおりの生活が戻ってまいりました。/鱈ちりの美味しい季節になりました。/例年になくおだやかな寒の入りになりました。

小寒・次候(水泉動)1月10日ごろ~1月14日ごろの時候の挨拶

柊 水泉動。読み方は「しみずあたたかをふくむ」。「すいせんうごく」とも読みます。地中で凍っていた泉が溶け、動き始めるころという意味。大気はまだ寒く冬の真っ只中ですが、自然は少しずつ春に向けて動き始めていきます。水泉動は、二十四節気の小寒・次候、七十二候の第68候にあたります。新暦では、1月10日ごろから1月14日ごろまで。

この時期(小寒・次候)の季語は、十日戎(とおかえびす)・氷下魚(こまい)・ヒメダラ(姫鱈)・春菊(しゅんぎく)・柊(ひいらぎ)・鏡開き・寒九の雨(かんくのあめ)など。

1月10日頃から1月14日頃に使える季節の挨拶文例…水泉動の候、/鏡開きも終わり、慌ただしい生活が戻ってまいりました。/春菊のおいしい季節になりました。/寒中お見舞い申し上げます。/氷下魚を肴に熱燗で一杯。この時期にはこたえられません。/寒の内とはいえ厳しい寒さが続いています。/底冷えの毎日。いかがお過ごしでしょうか。

小寒・末候(雉始雊)1月15日ごろ~1月19日ごろの時候の挨拶

蝋梅 雉始雊。読み方は「きじはじめてなく」。キジ(雉)のオスがメスを求めて鳴き始めるころという意味。「雉始雊」は二十四節気の小寒・末候、七十二候の第69候にあたります。新暦では、1月15日ごろから1月19日ごろまで。

この時期(小寒・末候)に使える季語は、小正月(こしょうがつ=1月15日)・鮟鱇(あんこう)・あんこう鍋・蕪(かぶ)・雉(きじ)・蝋梅(ろうばい)・南天(なんてん)・寒蜆(かんしじみ)など。

1月15日頃から1月19日頃に使える時候の挨拶文例…雉始雊の候、/小正月を過ぎ、正月納めもそろそろです。/寒中お見舞い申しあげます。/大寒も間近。いよいよ冬将軍の到来です。/あんこう鍋の美味しい季節になりました。/寒さが身にしみる今日この頃、/南天の実が雪景色に彩りを添えています。

喪中はがきが届いた人に出す寒中見舞い文例

寒中見舞い文例 喪中はがきが届いた人に出す寒中見舞いのはがきを作りました。喪中はがきをいただいた人に寒中見舞いを出す期間は松の内が過ぎた1月8日以降・立春の前日まで。立春を過ぎてから出す場合は「寒中見舞い」ではなく「余寒見舞い」になります。

寒中見舞いの文面は以下のとおり。相手の不幸を知らなかった場合を想定しています。印刷は縦書きです(上記写真)

寒中お見舞い申しあげます。旧年は、ご丁寧なご挨拶状をありがとうございました。お悔やみ申しあげますとともに、お父さまのご冥福を心よりお祈り申しあげます。厳しい寒さが続きます。くれぐれもお身体をお大事に。今年もよろしくお願い申しあげます。平成○年一月○日

冬至の挨拶文(小寒の前)|(小寒の次)大寒の挨拶文

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