11月の俳句と季語|参道の長きはたのし七五三(山口青邨)ほか30句

11月の俳句と季語を選りすぐりました。全30句。11月の手紙にも使えるように、上旬・中旬・下旬ごとに10句ずつ分類。手紙を受け取った相手に、より季節感が伝わるような俳句を選んであります。たとえば11月の中旬に出す手紙やはがきに俳句を入れるなら「参道の長きはたのし七五三」(山口青邨)。そしてこの句を使って、七五三のお祝いへのお礼はがきを書くとしたらこんな感じになります――

 

11月の俳句を挨拶文に入れた七五三のお祝いお礼はがき文例

「参道の長きはたのし七五三」(山口青邨)「さんどうの ながきはたのし しちごさん」(やまぐち せいそん)という俳句を入れた七五三のお祝いへのお礼はがきを作ってみました。叔母から七五三のお祝いをいただいたお礼はがきの文例としてお読みください。ちなみに山口青邨(やまぐちせいそん)は、工学博士として東京大学で教鞭をとりながら俳句の世界でも活躍した俳人(明治25年5月10日に岩手県盛岡市で生まれ昭和63年12月15日に96歳でなくなりました)

参道の長きはたのし七五三(山口青邨)

先日は、夏歩の七五三に、お心のこもったお祝いをいただきまして、まことにありがとうごさいました。七五三のお参りは、氏神の久伊豆神社(ひさいずじんじゃ)に行ってきましたが、当日は天候にも恵まれ、参道には露店も並び、七五三詣に訪れたたくさんの家族連れでにぎわっていました。最近は、夏歩も涼鼓に負けず劣らずおてんばぶりを発揮。あわただしい毎日ですが、子育ての楽しさというか、幸せも感じでいます。めっきりと冷え込むようになりました。風邪など召しませんように。取り急ぎお例まで。

11月の俳句と季語|11月上旬に出す手紙やはがきの挨拶文に

酉の市
●霜月(しもつき)…霜月や雲もかからぬ昼の富士(正岡子規)●立冬(りっとう)…月出遅れぬ雑木山(星野麦丘人)●御火焚(おほたき)…御火焚や霜うつくしき京の町(与謝蕪村)●酉の市(とりのいち)…酉の市はやくも霜の下りしかな(久保田万太郎)●十夜(じゅうや)…もろもろの愚者も月見る十夜かな(小林一茶)

●紅葉狩(もみじがり)…宿とりて月にも遊び紅葉狩(上林白草居)●冬近し(ふゆちかし)…物いはば雲はしぐれん冬近し(三浦樗良)●菊膾(きくなます)…一ときの華やぎとせむ菊膾(村越化石)●水草紅葉(みずくさもみじ)…老鴨の足に水草紅葉かな(高杉空彦)●柚子(ゆず)…葉の色にもはや紛れず柚子は黄に(久保のぞみ)

11月の俳句と季語|11月中旬に出す手紙やはがきの挨拶文に

七五三
●七五三(しちごさん)…七五三の飴も袂もひきずりぬ(原田種芽)●小春(こはる)…一人行き二人畦行く小春かな(水原秋桜子)●返り花・帰り花(かえりばな)…日あたりてまことに寂し返り花(日野草城)●初冬(はつふゆ)…初冬の竹緑なり詩仙堂(内藤鳴雪)●神の留守(かみのるす)…通ひ路の一礼し行く神の留守(松本たかし)

●木の葉(このは)…三尺の山も嵐の木の葉かな(松尾芭蕉)●冬椿(ふゆつばき)…火のけなき家つんとして冬椿(小林一茶)●山茶花(さざんか)…山茶花の長き盛りのはじまりぬ(富安風生)●茶の花(ちゃのはな)…茶の花やかみて霜降り畦潰え(篠田悌三郞)●柊の花(ひいらぎのはな)…柊の花にかぶせて茶巾干す(阿部みどり女)

11月の俳句と季語|11月下旬に出す手紙やはがきの挨拶文に

紅葉散る
●紅葉散る(もみじちる)…紅葉散る旅の衣の背に肩に(五十嵐番水)●銀杏落葉(いちょうおちば)…道にちり銀杏落葉の流れけり(片桐まりも)●枇杷の花(びわのはな)…枇杷の花しきりに落つる日なりけり(石原舟月)●焚火(たきび)…とつぷりと後暮れゐし焚火かな(松本たかし)●大根干す(だいこんほす)…子を負うて大根干し居る女かな(正岡子規)

●小雪(しょうせつ)…小雪の月の夜半の白野菜(細木芒角星)●短日(たんじつ)…短日の顔ふりむけば陽の虜(原裕)●凩・木枯(こがらし)…海に出て木枯帰るところなし(山口誓子)●北風(きたかぜ)…北風にたちむかふ身をほそめけり(木下夕爾)●冬日和(ふゆびより)…家一つ畠七枚冬日和(小林一茶)

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