9月19日は正岡子規の命日。辞世の句と正岡子規が詠んだ季節の俳句50選

9月19日は正岡子規の命日です。俳句や短歌の世界に残した多くの功績を称え、正岡子規の命日(9月19日)は、子規忌(しきき)糸瓜忌(へちまき)獺祭忌(だっさいき)と呼ばれ、俳句では秋の季語にもなっています。正岡子規の辞世の句と、正岡子規が詠んだ季節の俳句を50句選りすぐりました。ちなみに正岡子規の俳句で有名なのは「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」――

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9月19日は正岡子規の命日

9月19日は、明治時代の俳句や短歌の革新に多くの功績を残した正岡子規(まさおかしき)の命日です。1867年10月14日(慶応3年9月17日)に愛媛県松山市に生まれ、1902年(明治35年)9月19日、東京根岸の子規庵(しきあん)で、結核のため満34歳で亡くなりました。正岡子規のお墓は東京都北区田端の大龍寺(だいりゅうじ)にあります。

俳句では、正岡子規の命日(9月19日)は、「子規忌」(しきき)「糸瓜忌」(へちまき)「獺祭忌」(だっさいき)などと呼ばれ、秋の季語になっています。「糸瓜忌」とは、正岡子規が辞世の句に糸瓜(へちま)を詠んだことから。「獺祭忌」とは、正岡子規が別名として「獺祭書屋主人」(だっさいしょおくしゅじん)と称していたことによります。

子規忌・糸瓜忌・獺祭忌を季語にした俳句には、●叱られし思ひ出もある子規忌かな(しかられし おもいでもある しききかな)高浜虚子(たかはまきょし)●糸瓜忌の俳諧帰するところあり(へちまきの はいかいきする ところあり)村上鬼城(むらかみきじょう)●うち晴れし淋しき水や獺祭忌(うちはれし さびしきみずや だっさいき)久保田万太郎(くぼたまんたろう)などがあります。

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正岡子規の辞世の句

正岡子規は辞世の句として糸瓜(へちま)を季語に使った三句を残しています。●糸瓜咲て痰のつまりし仏かな(へちまさいて たんのつまりし ほとけかな)●痰一斗糸瓜の水も間にあはず(たんいっと へちまのみずも まにあわず)●をとゝひのへちまの水も取らざりき(おとといの へちまのみずも とらざりき)※ちなみに「糸瓜」は秋の季語。

正岡子規が詠んだ季節の俳句<50選>

正岡子規が詠んだ有名な俳句を季節ごとに◇春◇夏◇秋◇冬◇新年―― 10句ずつ全部で50句を選りすぐりました。●季語(読み方)…俳句(ふりがな)という形で記してあります。手紙やはがきなどの時候の挨拶や書き出しなどにも応用できます。

正岡子規が詠んだ春の俳句

ナズナ

●雪残る(ゆきのこる)…雪残る頂一つ国境(ゆきのこる いただきひとつ くにざかい)●青海苔(あおのり)…青海苔や水にさしこむ日の光(あおのりや みずにさしこむ ひのひかり)●春の雷(はるのらい)…下町は雨になりけり春の雷(したまちは あめになりけり はるのらい)●山笑う(やまわらう)…故郷やどちらを見ても山笑う(ふるさとや どちらをみても やまわらう)●春の海(はるのうみ)…島々に灯をともしけり春の海(しまじまに ひをともしけり はるのうみ)

●若鮎(わかあゆ)…若鮎の二手になりて上りけり(わかあゆの ふたてになりて のぼりけり)●薺(なずな)…摘み残す薺は花にあらはれぬ(つみのこす なずなははなに あらわれぬ)●麗か(うららか)…うららかや女つれたつ嵯峨御室(うららかや おんなつれたつ さがおむろ)●草餅(くさもち)…大仏に草餅あげて戻りけり(だいぶつに くさもちあげて もどりけり)●別れ霜(わかれじも)…別れ霜庭はく男老いにけり(わかれじも にわはくおとこ おいにけり)

正岡子規が詠んだ夏の俳句

麦

●麦(むぎ)…穂の白き砂地の麦や汐曇り(ほのしろき すなじのむぎや しおぐもり)
●藻の花(ものはな)…藻の花の重なりあうて咲きにけり(ものはなの かさなりあうて さきにけり)●藻刈舟(もがりぶね)…藻刈舟雨ふるかたへ帰りけり(もがりぶね あめふるかたに かえりけり)●青芒(あおすすき)…青芒三尺にして乱れけり(あおすすき さんじゃくにして みだれけり)●蚊(か)…蚊をたたくいそがはしさよ写し物(かをたたく いそがわしさよ うつしもの)

●日傘(ひがさ)…清水の坂のぼり行く日傘かな(きよみずの さかのぼりゆく ひがさかな)●夏山(なつやま)…夏山や雲湧いて石横たはる(なつやまや くもわいていし よこたわる)●涼み(すずみ)…松嶋の闇を見てゐる涼みかな(まつしまの やみをみている すずみかな)●枝豆(えだまめ)…枝豆や三寸飛んで口に入る(えだまめや さんずんとんで くちにいる)●梅干す(うめほす)…梅干すや庭にしたゝたる紫蘇の汁(うめほすや にわにしたたる しそのしる)

正岡子規が詠んだ秋の俳句

柿

●萩(はぎ)…萩咲いて家賃五円の家に住む(はぎさいて やちんごえんの いえにすむ)●赤蜻蛉(あかとんぼ)…赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり(あかとんぼ つくばにくもも なかりけり)●鶏頭(けいとう)…鶏頭の十四五本もありぬべし(けいとうの じゅうしごほんも ありぬべし)●秋海棠(しゅうかいどう)…臥して見る秋海棠の木末かな(ふしてみる しゅうかいどうの こずえかな)●蕃椒(とうがらし)…はらわたもなくて寂しや蕃椒(はらわたも なくてさびしや とうがらし)

●冷やか(ひややか)…暁のひややかな雲流れけり(あかつきの ひややかなくも ながれけり)●蝗(いなご)…わが袖にきてはねかへるいなごかな(わがそでに きてはねかえる いなごかな)●梨(なし)…梨むくや甘き雫の刃を垂るる(なしむくや あまきしずくの はをたるる)●柿(かき)…柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺(かきくえば かねがなるなり ほうりゅうじ)●葡萄(ぶどう)…黒きまで紫深き葡萄かな(くろきまで むらさきふかし ぶどうかな)

正岡子規が詠んだ冬の俳句

山茶花

●山茶花(さざんか)…山茶花のここを書斎と定めたり(さざんかの ここをしょさいと さだめたり)●枯葎(かれむぐら)…あたたかな雨が降るなり枯葎(あたたかな あめがふるなり かれむぐら)●蓮枯る(はすかる)…蓮枯れて夕栄うつる湖水かな(はすかれて ゆうばえうつる こすいかな)●風呂吹(ふろふき)…風呂吹の一きれづゝや四十人(ふろふきの ひときれずつや しじゅうにん)●冬帽(ふゆぼう)…冬帽の十年にして猶属吏(ふゆぼうの ととせにしてなお ぞくりなり)

●手袋(てぶくろ)…手袋の左許りになりにける(てぶくろの ひだりばかりに なりにける)●年忘(としわすれ)…死にかけしこともありしが年忘(しにかけし こともありしが としわすれ)●雪(ゆき)…いくたびも雪の深さを尋ねけり(いくたびも ゆきのふかさを たずねけり)●煮凍(にこごり)…煮凍の出来るも嬉し新世帯(にこごりの できるもうれし しんじょたい)●冬菜(ふゆな)…桶踏んで冬菜を洗ふ女かな(おけふんで ふゆなをあらう おんなかな)

正岡子規が詠んだ新年の俳句

●元朝(がんちょう)…元朝の上野静かに灯残れり(がんちょうの うえのしずかに ひのこれり)●初日(はつひ)…初日さす硯の海に波もなし(はつひさす すずりのうみに なみもなし)●初夢(はつゆめ)…初夢の思ひしことを見ざりける(はつゆめの おもいしことを みざりける)●門礼(かどれい)…門礼や草の庵にも隣あり(かどれいや くさのいおにも となりあり

●礼者(れいじゃ)…病牀を囲む礼者や五六人(びょうしょうを かこむれいじゃや ごろくにん)●新年会(しんねんかい)…酔蟹や新年会の残り酒(すいしえや しんねんかいの のこりざけ))●裏白(うらじろ)歯朶(しだ)…名こそかはれ江戸の裏白京の歯朶(なこそかわれ えどのうらじろ きょうのしだ)●初暦(はつごよみ)…人の手にはや古りそめぬ初暦(ひとのてに はやふりそめぬ はつごよみ)●雑煮(ぞうに)…長病の今年も参る雑煮かな(ながやみの ことしもまいる ぞうにかな)●年玉(としだま)…年玉を並べて置くや枕元(としだまを ならべておくや まくらもと)

松尾芭蕉の命日小林一茶の命日与謝蕪村の命日

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