10月3日は飯田蛇笏の命日。代表作と飯田蛇笏の俳句を50作品厳選

10月3日は飯田蛇笏(いいだだこつ)の命日です。俳人・飯田蛇笏の命日(10月3日)は、蛇笏忌(だこつき)や山廬忌(さんろき)などと呼ばれ、俳句では秋の季語にもなっています。飯田蛇笏が詠んだ俳句を50作品より選りました。読み仮名付きでご紹介します。手紙やはがきの書き出しにも使えます。ちみに飯田蛇笏の代表作ともいえる有名な俳句は「芋の露連山影を正しうす」「をりとりてはらりとおもきすすきかな」「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」――

スポンサーリンク


飯田蛇笏について

10月3日は、大正から昭和にかけて活躍した俳人・飯田蛇笏の命日です。飯田蛇笏の読み方は「いいだだこつ」。明治18年(1885年)4月26日に、山梨県五成村(ごなりむら=現在の笛吹市境川町小黒坂)の旧家に生まれ、昭和37年(1962年)10月3日、77歳で病没。死因は脳軟化症。誕生日は4月26日、命日は10月3日。飯田蛇笏のお墓は、山梨県笛吹市境川町藤垈(ふじぬた)の智光寺(ちこうじ)にあります。

飯田蛇笏の命日は蛇笏忌とも呼ばれ俳句では秋の季語

俳句では、飯田蛇笏の命日(10月3日)は、「蛇笏忌」(だこつき)「山廬忌」(さんろき)などと呼ばれ、秋の季語になっています。「山廬忌」は、飯田蛇笏の別号「山廬」(さんろ)にちなんで。

飯田蛇笏の命日を季語にして詠まれた俳句には、●蛇笏忌の老すこやかに初心なり(だこつきの おいすこやかに しょしんなり)松村蒼石(まつむらそうせき)●蛇笏忌の連山なれば威儀正し(だこつきの れんざんなれば いぎただし)池田小枝子(いけださえこ)●芋茎煮て待ちてくれるや蛇笏の忌(ずいきにて まちてくれるや だこつのき)高橋みづき(たかはしみづき)――などがあります。

飯田蛇笏の代表作ともいえる有名な俳句

飯田蛇笏の代表作ともいえる有名な俳句は、●芋の露連山影を正しうす(いものつゆ れんざんかげを ただしゅうす)●をりとりてはらりとおもきすすきかな(おりとりて/はらりとおもき/すすきかな)●くろがねの秋の風鈴鳴りにけり(くろがねの あきのふうりん なりにけり)――この三句です。あとは好みにもよりますが、●たましひのたとへば秋のほたるかな(たましいの たとえばあきの ほたるかな)●わらべらに天かがやきて花祭(わらべらに てんかがやきて はなまつり)――などの俳句が私は好きです。

スポンサーリンク


飯田蛇笏が詠んだ季節の俳句<50作品>

飯田蛇笏が詠んだ有名な俳句を季節ごとに◇春◇夏◇秋◇冬◇新年――それぞれ10句ずつ全部で50作品を選りすぐりました。●季語(読み方)…俳句(ふりがな)という形で記してあります。手紙やはがきの書き出しや時候の挨拶文などにも使えます。

飯田蛇笏が詠んだ春の俳句

●寒明(かんあけ)…川波の手がひらひらと寒明くる(かわなみの てがひらひらと かんあくる)●針供養(はりくよう)…古妻や針の供養の子沢山(ふるつまや はりのくようの こだくさん)●春めく(はるめく)…春めきてものの果てなる空の色(はるめきて もののはてなる そらのいろ)●彼岸会(ひがんえ)…彼岸会の故山ふかまるところかな(ひがんえの こざんふかまる ところかな)●落椿(おちつばき)…花弁の肉やはらかに落椿(はなびらの にくやわらかに おちつばき)

●蓬(よもぎ)…つみためて臼尻に撰るよもぎかな(つみためて うすじりにえる よもぎかな)●別れ霜(わかれじも)…月に鳴く山家のかけろ別れ霜(つきになく やまがのかけろ わかれじも)●花衣(はなごろも)…ぬぎ捨てし人の温みや花衣(ぬぎすてて ひとぬくみや はなごろも)●花祭(はなまつり)…わらべらに天かがやきて花衣(わらべらに てんかがやきて はなごろも)●薊(あざみ)…花薊露珊々と葉をのべぬ(はなあざみ つゆさんさんと はをのべぬ)

飯田蛇笏が詠んだ夏の俳句

野茨

●立夏(りっか)…滝おもて雲おし移る立夏かな(たきおもて つゆおしうつる りっかかな)●白牡丹(はくぼたん)…白牡丹顎をあらはにくづれけり(はくぼたん がくをあらわに くずれけり)●余夏(よか)…五胡のみちゆくゆく余夏の曇りけり(ごこのみち ゆくゆくよかの くもりけり)●蕗(ふき)…やまみづの珠なす蕗の葉裏かな(やまみずの たまなすふきの はうらかな)●野茨(のいばら)…野いばらの青むとみしや花つぼみ(のいばらの あおむとみしや はなつぼみ)

●南風(みなみ)…大南風くらつて尾根の鴉かな(おおみなみ くらっておねの からすかな)●卯の花(うのはな)…夜にかけて卯の花曇る旅もどり(よにかけて うのはなくもる たびもどり)●山女(やまめ)…大串に山女のしづくなほ滴るる(おおぐしに やまめのしずく なおたれる)●夏至(げし)…白衣着て禰宜にもなるや夏至の杣(はくいきて ねぎにもなるや げしのそま)●葵(あおい)…じだらくに住みて屋後に立葵(じだらくに すみておくごに たちあおい)

飯田蛇笏が詠んだ秋の俳句

●秋立つ(あきたつ)…秋立つや川瀬にまじる川の音(あきたつや かわせにまじる かわのおと)のぼる)●鳳仙花(ほうせんか)…落日に蹴あへる鶏や鳳仙花(らくじつに けあえるとりや ほうせんか)●芒(すすき)…をりとりてはらりとおもきすすきかな(おりとりて はらりとおもき すすきかな)●桔梗(きちこう)…桔梗やまた雨かへす峠口(きちこうや またあめかえす とうげぐち)●竜胆(りんどう)…竜胆を見る眼かへすや露の中(りんどうを みるめかえすや つゆのなか)

●晩稲(おくて)…刈るほどにやまかぜのたつ晩稲かな(かるほどに やまかぜのたつ おくてかな)●柿(かき)…山柿の一葉もとめず雲の中(やまがきの ひとはもとめず くものなか)●無花果(いちじく)…無花果を手籠に湖をわたりけり(いちじくを てかごにうみを わたりけり)●烏瓜(からすうり)…濡れそむる蔓一すぢや鴉瓜(ぬれそむる つるひとすじや からすうり)●白菊(しらぎく)…白菊のあしたゆふべに古色あり(しらぎくの あしたゆうべに こしょくあり)

飯田蛇笏が詠んだ冬の俳句

八つ手の花

●初冬(しょとう)…浪々のふるさとみちも初冬かな(ろうろうの ふるさとみちも しょとうかな)●炉開(ろびらき)…炉をひらく火のひえびえともえにけり(ろをひらく ひのひえびえと もえにけり)●八手の花(やつでのはな)…写真師の生活ひそかに花八つ手(しゃしんしの たつきひそかに はなやつで)●桃青忌(とうせいき)…桃青忌夜は人の香のうすれけり(とうせいき よはひとのかの うすれけり)●河豚(ふぐ)…ふぐ食うてわかるゝ人の孤影かな(ふぐくうて わかるるひとの こえいかな)

●風邪(かぜ)…風邪の児の餅のごとくに頬ゆたか(かぜのこの もちのごとくに ほおゆたか)●冬至(とうじ)…山国の虚空日わたる冬至かな(やまぐちの こくうひわたる とうじかな)●暦売(こよみうり)…市人にまじりあるきぬ暦売(いちびとに まじりあるきぬ こよみうり)●寒卵(かんたまご)…大つぶの寒卵おく襤褸の上(おおつぶの かんたまごおく ぼろのうえ)●寒鯉(かんごい)…手どりたる寒の大鯉光さす(てどりたる かんのおおごい ひかりさす)

飯田蛇笏が詠んだ新年の俳句

●淑気(しゅくき)…いんぎんにことつてたのむ淑気かな(いんぎんに ことづてたのむ しゅくきかな)●破魔弓(はまゆみ)…破魔弓や山びこつくる子のたむろ(はまゆみや やまびこつくる このたむろ)●飾(かざり)…一管の笛にもむすぶ飾りかな(いっかんの ふえにもむすぶ かざりかな)●初湯(はつゆ)…わらんべの溺るるばかり初湯かな(わらんべの おぼるるばかり はつゆかな)●正月(しょうがつ)…正月の油を惜しむ宮の巫女(しょうがつの あぶらをおしむ みやのみこ)

●初昔(はつむかし)…恍として高濤の月はつ昔(こうとして こうとうのつき はつむかし)●注連飾(しめかざり)…しめかざりして谷ほととぎす瀑の神(しめかざり してたにほととぎす ばくのかみ)●初日記(はつにっき)…落飾の深窓にしてはつ日記(らくしょくの しんそうにして はつにっき)●機始(はたはじめ)…端山路や曇りて聞ゆ機初め(はやまじや くもりてきこゆ はたはじめ)●弓始(ゆみはじめ)…弓初め大山祇は雲かゝる(ゆみはじめ おおやまつみは くもかかる)

正岡子規の命日松尾芭蕉の命日

スポンサーリンク