1月29日は日野草城の命日。代表作と日野草城の俳句を50作品厳選

1月29日は俳人・日野草城(ひのそうじょう)の命日です。日野草城の命日(1月29日)は、草城忌(そうじょうき)とも呼ばれ、俳句では冬の季語にもなっています。日野草城が詠んだ俳句を50作品厳選。読み仮名付きでご紹介します。手紙やはがきの書き出しや時候の挨拶文にも使えます。ちみに日野草城の代表作ともいえる有名な俳句は「ものの種にぎればいのちひしめける」「ところてん煙の如く沈み居り」「春の灯や女は持たぬのどぼとけ」――

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日野草城について

日野草城。読み方は「ひのそうじょう」。大正から昭和にかけて活躍した俳人で、昭和初期の新興俳句(しんこうはいく)運動を主導。明治34年(1901年)7月18日に、東京下谷(現在の東京都台東区上野)に生まれ、昭和26年(1951年)緑内障により右目を失明、昭和31年(1956年)1月26日、心臓衰弱により54歳で病没。誕生日は7月18日、命日は1月26日。日野草城のお墓は大阪市天王寺区にある慶伝寺(けいでんじ)にあります。

日野草城の命日は草城忌とも呼ばれ俳句では冬の季語

俳句では、日野草城の命日(1月29日)は「草城忌」(そうじょうき)と呼ばれ、冬の季語になっています。日野草城の命日を季語にして詠まれた俳句には、●薔薇色のまゝに富士凍て草城忌(ばらいろの ままにふじいて そうじょうき)西東三鬼(さいとうさんき)●この冬の意外なぬくさ草城忌(このふゆの いがいなぬくさ そうじょうき)桂信子(かつらのぶこ)●侘助の群がる日なり草城忌(わびすけの むらがるひなり 草城忌)石田波郷(いしだはきょう)――などがあります。

日野草城の代表作ともいえる有名な俳句

日野草城の代表作ともいえる俳句は、●ものの種にぎればいのちひしめける(もののたね にぎればいのち ひしめける)●ところてん煙の如く沈み居り(ところてん けむりのごとく しずみおり)●春の灯や女は持たぬのどぼとけ(はるのひや おんなはもたぬ のどぼとけ)――などが有名です。

あとは好みにもよりますが、●道暮れて右も左も刈田かな(みちくれて みぎもひだりも かりたかな)●春暁や人こそ知らね木々の雨(しゅんぎょうや ひとこそしらぬ きぎのあめ)●平凡な日々のある日のきのこ飯(へいぼんな ひびのあるひの きのこめし)――などの俳句が私は好きです。

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日野草城が詠んだ季節の俳句<50作品>

日野草城が詠んだ有名な俳句を季節ごとに◇春◇夏◇秋◇冬◇新年――それぞれ10句ずつ全部で50作品を選りすぐりました。●季語(読み方)…俳句(ふりがな)という形で記してあります。手紙やはがきの書き出しや時候の挨拶文などにも使えます。

日野草城の俳句|春

●如月(きさらぎ)…きさらぎの藪にひびける早瀬かな(きさらぎの やぶにひびける はやせかな)●連翹(れんぎょう)…連翹に月のほのめく籬かな(れんぎょうに つきのほのめく まがきかな)●桜鯛(さくらだい)…鰈らは乞食魚かも桜鯛(かれいらは こじきうおかも さくらだい)●躑躅(つつじ)…花すぎて寂かなりけりつつじの木(はなすぎて しずかなりけり つつじのき)●春暁(しゅんぎょう)…春暁や人こそ知らね木々の雨(しゅんぎょうや ひとこそしらね きぎのあめ)

●春の雲(はるのくも)…春の雲ながめてをればうごきけり(はるのくも ながめておれば うごきけり)●物種(ものだね)…ものの種にぎればいのちひしめける(もののたね にぎればいのち ひしめける)●汐干狩(しおひがり)…汐干狩夫人はだしになりたまふ(しおひがり ふじんはだしに なりたまう)●牡丹の芽(ぼたんのめ)…咲き落ちて松風さはる牡丹の芽(ふきおちて まつかぜさわる ぼたんのめ)●春光(しゅんこう)…春光や白髪ふえたる父と会ふ(しゅんこうや しらがふえたる ちちとあう)

日野草城の俳句|夏

百日紅

●夏籠(げごもり)…夏籠や畳にこぼすひとりごと(げごもりや たたみにこぼす ひとりごと)●さくらんぼ…舌に載せてさくらんぼうを愛しけり(したにのせて さくらんぼうを あいしけり)●青萱(あおがや)…青萱の雨のはげしくなりにけり(あおがやの あめのはげしく なりにけり)●滝(たき)…大滝や小滝や暮れてひゞきあふ(おおだきや こだきやくれて ひびきあう)●心太(ところてん)…ところてん煙の如く沈み居り(ところてん けむりのごとく しずみおり)

●朝曇(あさぐもり)…皮となる牛乳のおもてや朝ぐもり(かわとなる ちちのおもてや あざぐもり)●帰省(きせい)…帰省して母の白髪を抜きにけり(きせいして ははのしらがを ぬきにけり)●天爪粉(てんかふん)…晩年の子を鐘愛す天爪粉(ばんねんの こをしょうあいす てんかふん)●百日紅(さるすべり)…ゆふばえにこぼるる花やさるすべり(ゆうばえに こぼるるはなや さるすべり)●沙羅の花(しゃらのはな)…踏むまじき沙羅の花のひとつふたつ(ふむまじき しゃらのはなの ひとつふたつ)

日野草城の俳句|秋

●星月夜(ほしづきよ)…砂山をのぼりくだりや星月夜(すなやまを のぼりくだりや ほしづきよ)●芙蓉(ふよう)…逢ひにゆく袂触れたる芙蓉かな(あいにゆく たもとふれたる ふようかな)●台風(たいふう)…颱風のあとしんとして月ゆがむ(たいふうの あとしんとして つきゆがむ)●彼岸花(ひがんばな)…むらがりていよいよ寂しひがんばな(むらがりて いよいよさびし ひがんばな)●無花果(いちじく)…いちじくのけふの実二つたべにけり(いちじくの きょうのみふたつ たべにけり)

●栗飯(くりめし)…栗飯のまつたき栗にめぐりあふ(くりめしの まったきくりに めぐりあう)●稲刈(いねかり)…稲刈って飛鳥の道のさびしさよ(いねかって あすかのみちの さびしさよ)●刈田(かりた)…道暮れて右も左も刈田かな(みちくれて みぎもひだりも かりたかな)●茸飯(きのこめし)…平凡な日々のある日のきのこ飯(へいぼんな ひびのあるひの きのこめし)●草の紅葉(くさのもみじ)…一雨に濡れたる草の紅葉かな(ひとあめに ぬれたるくさの もみじかな)

日野草城の俳句|冬

水仙

●蜜柑(みかん)…をとめ今たべし蜜柑の香をまとひ(おとめいま たべたしみかんの かをまとい)●切干(きりぼし)…切干やいのちの限り妻の恩(きりぼしや いのちのかぎり つまのおん)●返り花(かえりばな)…日あたりてまことに寂し返り花(ひあたりて まことにさびし かえりばな)●紅葉散る(もみじちる)…散るのみの紅葉となりぬ嵐山(ちるのみの もみじとなりぬ あらしやま)●顔見世(かおみせ)…顔見世の前景気とはなりにけり(かおみせの まえけいきとは なりにけり)

●水仙(すいせん)…水かへて水仙影を正しけり(みずかえて すいせんかげを ただしけり)●大寒(だいかん)…大寒やしづかにけむる茶碗蒸(だいかんや しずかにけむる ちゃわんむし)●粕汁(かすじる)…粕汁に酔ひし瞼や庵の妻(かすじるに よいしまぶたや あんのつま)●冬の灯(ふゆのひ)…冬の灯をはやばや点けてわがひとり(ふゆのひを はやばやつけて わがひとり)●枯菊(かれぎく)…枯菊やこまかき雨のゆふまぐれ(かれぎくや こまかきあめの ゆうまぐれ)

日野草城の俳句|新年

●去年今年(こぞことし)…いそがしき妻も眠りぬ去年今年(いそがしき つまもねむりぬ こぞことし)●春着(はるぎ)…誰が妻とならむとすらむ春着の子(たがつまと ならんとすらん はるぎのこ)●双六(すごろく)…ぱりぱりと附録双六ひろげけり(ぱりぱりと ふろくすごろく ひろげけり)●初鏡(はつかがみ)…初鏡娘のあとに母坐る(はつかがみ むすめのあとに ははすわる)●松の内(まつのうち)…更けて焼く餅の匂いや松の内(ふけてやく もちのにおいや まつのうち)

●初手水(はつちょうす)…ねもごろに義歯をみがくや初手水(ねもごろに ぎしをみがくや はつちょうず)●初飛行(はつひこう)…初飛行近畿立体地図の上(はつひこう きんきりったい ちずのうえ)●弾初(ひきぞめ)…弾初の撥を秘めたる袱紗かな(ひきぞめの ばちをひめたる ふくさかな)●鼓初(つづみはじめ)…袖ぐちのあやなる鼓初かな(そでぐちの あやなるつづみ はじめかな)●福寿草(ふくじゅそう)…福寿草平均寿命延びにけり(ふくじゅそう へいきんじゅみょう のびにけり)

杉田久女の命日

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