上司へ出す年賀状の書き方と例文|賀詞の迎春や賀正は失礼なので要注意

上司へ出す年賀状の書き方を例文を交えながら解説します。ひな型(文章と画像)も3種類載せてあります。上司へ出す年賀状の基本構成は「賀詞」→「挨拶文」→「添え書き」→「後付」。とくに気をつけなければいけないのが賀詞。「賀正」「迎春」「慶春」などは目上の人から目下の人に向けた言葉なので上司に出す年賀状には使えません。それでは順番に説明していきます。まずは上司へ出す年賀状の基本構成から――

 

上司へ出す年賀状の基本構成

上司へ年賀状を出す場合、「賀詞」(がし)→「挨拶文」→「添え書き」→「後付」(あとづけ)または「賀詞」→「挨拶文」→「後付」→「添え書き」の順番に言葉や文章をつなげて書いていけば、失礼のない年賀状になります。

「賀詞」とは新年のあいさつの言葉。「謹賀新年」(きんがしんねん)や「あけましておめでとうございます」など。「挨拶文」は、旧年中の厚誼(こうぎ)へのお礼と、新年の厚誼を願う言葉を並べて書きます。厚誼とは親身になって面倒をみてもらうこと。「昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくご指導のほどお願い申しあげます。」など。

「ひとこと」は、今年の抱負や意気込みなど。後付は、まず日付を書いて、そのあとに差出人情報(郵便番号・住所・氏名)などを書きます。後付に書く日付は「平成三十年元旦」「2018年元旦」などとします。なお後付は「あとづけ」という読み方が一般的ですが「あとつけ」とも読みます。

例文集|賀詞・挨拶文・添え書き・後付

上司宛の年賀状に使える挨拶文の例文◇賀詞◇挨拶文◇添え書き◇後付――を以下にまとめました。この中から文章を選んで、「賀詞」→「挨拶文」→「添え書き」→「後付」と順番に書いていけば、そつのない文面になります。

上司に送る年賀状にふさわしい賀詞

上司に出す年賀状で気をつけなければいけないのが賀詞。「賀正」「迎春」「慶春」などは、もともとは目上の人から目下の人に向けた言葉なので、上司に出す年賀状には使えません。また「新年明けましておめでとうございます」は、「新年」と「明けまして」が重複しているので要注意。「新年おめでとうございます」または「明けましておめでとうございます」が正しい使い方です。

上司に出す年賀状の賀詞は、●謹賀新年(きんがしんねん)●恭賀新年(きょうがしんねん)●あけましておめでとうございます●新年おめでとうございます●謹んで新年のお喜びを申し上げます(つつしんで しんねんのおよろこびを もうしあけます)

●謹んで新年のご挨拶を申し上げます(つつしんで しんねんのごあいさつを もうしあげます)●新年を寿ぎ謹んでご祝詞を申し上げます(しんねんをことほぎ つつしんでごしゅくしを もうしあげます)の中から選べば間違いありません。

なお賀詞には句読点は打ちません。たとえば「謹んで、年頭のご挨拶を申し上げます。」とは書かずに、「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」と書きます。

上司に送る年賀状に使える挨拶文

上司に送る年賀状に書く挨拶文は「去年いろいろ面倒をみてもらったお礼」と「今年もよろしくお願いします」という二つの気持ちを文章にします。自分の言葉で書くよりもビジネス文書で一般的に使われている定型文を使っておいたほうが無難です。賀詞には句読点は打ちませんが、挨拶文には句読点を打ってください。

●昨年は、たいへんお世話になりました。今年もよろしくご指導くださいますようお願い申しあげます。●旧年中は、いろいろとご指導いただき、ありがとうございました。今年も変わらぬご交誼のほど、お願い申しあげます。●(あまり馴れ馴れしく話せないような上司宛)旧年中はひとかたならぬご指導を賜り、深く感謝申しあげます。本年もかわらぬご厚誼のほど、心よりお願い申しあげます。

(プライベートでもお世話になっている上司宛)●旧年中は、公私にわたりご指導、ご支援をいただき、まことにありがとうございました。今年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたます。●昨年は公私ともどもお世話になりました。本年もよろしくご指導くださいますよう、お願いいたします。

添え書き(ひとこと)

賀詞と挨拶文を書いたら次に添え書きをひとこと添えます。ここは自分の言葉で短くまとめてください。どんなことを書いたらいいのかについては、あなたの勤務年数や上司との関係などによっても変わってきます。あなたも課長などの役職者で、上司は部長、あなたが新入社員で上司の課長に書くとか、いろいろな立場がありますので、一概には言えませんが、仕事に対する豊富や意気込みをひとこと書いておけばじゅうぶんです。

あまりプライベートなことには触れないこと。たとえば「今年は趣味のルアーで50センチ超えのチヌを狙います!」などは上司への年賀状の添え書きとしては不可。ただし公私にわたってお世話になっているような上司でしたら「今年は娘の夏実も幼稚園に入園します。父親としての自覚をさらにもって仕事に励みます。」といった添え書きでもかまいません。

●おかげさまで、ようやく仕事にも慣れてきました。今年はさらに成長するために努力していきます。●昨年任せていただいたプロジェクトを今年は軌道に乗せるよう専心いたします。●今年こそはと希望を胸にふくらませております。●マネージャーの名に恥じないようスタッフたちと一丸になって目標を達成させます。●昨年は新プロジェクトに参加させていただき、たいへん勉強になりました。今年は結果が出せるように力を尽くします。

 

後付

後付。「あとづけ」または「あとつけ」と読みます。日付と差出人情報(郵便番号・住所・氏名)などのこと。賀詞・挨拶文・添え書きを書いたら最後に後付を書きます。賀詞・挨拶文のあとに後付を書いて、最後にに添え書き(ひとこと)を書いてもかまいません。

上司への年賀状は一月一日の午前中に届くように投函するのが基本中の基本。郵便局が年賀状の受付を開始したら(一月一日の配送に間に合うよう)早めに年賀状を書いて投函します。これを踏まえ、上司への年賀状は一月一日の午前中に届くということを前提に、後付の日付は「元旦」(がんたん)にします。元旦とは一月一日の午前中のこと。一月二日からは「元旦」という日付は使えませんので注意してください。

日付を書いたらそのあとに差出人情報を書きます。差出人情報は、郵便番号・住所・氏名だけで大丈夫です。個人的にお付き合いのある上司でしたらメールアドレスや電話番号を書いても差し支えありません。また、家族の連名は基本的には不可。あくまでも上司に仕事で直接お世話になっている本人だけの氏名を書きます。家族ぐるみでお付き合いのある上司であれば家族の連名でもかまいません。


平成三十年 元旦
〒000-0000 東京都世田谷区松原○―○―○
石川 政裕

平成三十年 元旦
〒000-0000 埼玉県草加市住吉○―○―○
ダイヤパレス草加○○○○
長谷川 志津江

上司への年賀状<文例>添え書きを文末に書く場合

上司への年賀状(文例) 添え書き(ひとこと)を文末に書いた上司へ出す年賀状の文例です。レイアウトや背景のイラストは上記画像をご参照ください。上司へ出す年賀状の背景は落ち着いたデザインを選んだほうが無難です。文章については下記の文面をご覧ください。なお下記文中の斜線「 / 」は改行の目安としてお考えください。

謹賀新年/昨年はたいへんお世話になりました。/今年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。/おかげさまで、ようやく仕事にも慣れてきました。/今年はさらに成長するために努力していきます。/平成三十年 元旦/〒000-0000 埼玉県春日部市緑町○―○―○/石川ハイツ○○○/坂本 智花

上司への年賀状<文章>添え書きを後付の前に書く場合

上司への年賀状(文章) 添え書き(ひとこと)を後付の前(挨拶文の次)に書いた上司へ送る年賀状の文章です。レイアウトのイメージは上記の画像をご参照ください。背景のデザインはあまりポップなものは使わないこと。文面については下記のひな型をご覧ください。文中の斜線「 / 」は改行の目安。

謹んで新年のお慶びを申し上げます。/旧年中はご指導、ご支援をいただき、まことにありがとうございました。/今年も変わらぬご交誼のほど、お願い申し上げます。/平成三十年 元旦/〒000-0000 東京都北区滝野川○―○―○/池田 健司/昨年任せていただいた健康増進プログラムを/今年は軌道に乗せるよう専心いたします。

上司への年賀状<例文>公私ともに世話になっている場合

上司への年賀状(例文) 公私ともに家族ぐるみで世話になっている上司へ送る年賀状の例文です。レイアウトは上記画像を参照。後付の名前は家族の連名にしてあります。家族ぐるみでお世話になっている場合でしたら子供の年齢を書いたり家族の写真を入れてもかまいせん。添え書きもプライベートなことに触れても大丈夫です。文章については下記の文面をご覧ください。文中の斜線「 / 」は改行の目安です。

あけましておめでとうございます/昨年は公私ともどもお世話になりました。/本年もよろしくご指導くださいますようお願いいたします。/平成三十年 元旦/〒000-0000 千葉県佐倉市稲荷台○―○―○/サンライズプラザ○○○号/関根 則之/真弓/彩乃(三歳)/今年は二児の父親になります。/家庭でも仕事でもさらなる自覚をもって力を尽くします。
ビジネス年賀状の挨拶文

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