9月の季語と時候の挨拶文<手紙の書き出しと結びの言葉>

9月の季語と時候の挨拶文(書き出しと結び)をご紹介します。◇9月の季語◇9月の手紙の書き出し文例◇9月の結びの言葉◇9月の手紙の挨拶文(初旬・中旬・下旬)◇お礼はがき文例――など、手紙やはがきを書くときにそのまま使えるように分かりやすくまとめてあります。

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まず最初に、9月の季語を使った手紙の冒頭文(の候)から解説します。

9月の季語と時候の挨拶

稲穂

新涼の候/秋涼の候/初秋の候/新秋の候/清涼の候/白露の候/猛秋の候/秋冷の候/秋晴の候/爽秋の候/微涼の候/早秋の候/

9月の季語の読み方ですが、候は「こう」と読みます。新涼の候は「しんりょうのこう」。以下、秋涼(しゅうりょう)初秋(しょしゅう)新秋(しんしゅう)清涼(せいりょう)白露(はくろ)猛秋(もうしゅう)秋冷(しゅうれい)秋晴(しゅうせい)爽秋(そうしゅう)微涼(びりょう)早秋(そうしゅう)

季語を使った9月の時候の挨拶は、プライベートな文書では「新涼の候、いかがお過ごしですか」「初秋とは名ばかり。厳しい残暑が続いています。」、ビジネス文書の場合は「清涼の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申しあげます」などと書き出します。

9月の手紙やはがきの挨拶文に使える秋の季語と俳句

●<9月上旬>早稲…早稲の香や分け入る右は有磯海(松尾芭蕉)/竹の春…竹の春水きらめきて流れけり(成瀬桜桃子)●<9月中旬>…秋祭…秋祭少女メッキの指輪買ふ(五所平之助)/秋の海…町裏に汽車がつきゐて秋の海(中村汀女)●<9月下旬>秋彼岸…黒潮にをがむ入日や秋彼岸(上条筑子)/曼珠沙華…曼珠沙華消えたる茎のならびけり(後藤夜半)

9月の手紙の書き出し文例

・ 秋風が心地よい季節になりました。
・ 爽秋の候、いかがお過ごしでしょうか。
・ 秋涼とは名ばかりの残暑厳しい今日この頃、お元気でお過ごしですか。
・ すがすがしい秋晴れが続いています。
・ 朝夕はだいぶ過ごしやすくなってまいりました。
・ 暑さ寒さも彼岸まで。すっかり秋めいてまいりました。
・ 長かった残暑もようやく峠を過ぎたようです。お変わりありませんか。
・ 秋の夜長の季節となりました。ご家族の皆様はお元気でいらっしゃいますか。
・ 空の色や風の音にも秋を感じる今日この頃、お変わりなく、お過ごしでしょうか。

九月の手紙の書き出しは、季節を伝える時候の挨拶文を冒頭に持ってきて、先方の安否を気づかう言葉を添えます。「日ごとに秋の色が深まってまいりました。いかがお過ごしですか」「日中はまだ夏の名残を感じますが、夜はだいぶ涼しくなってきました。ごきげんいかがですか」など。

ビジネス文書の場合は、拝啓・謹啓・拝復などの頭語(とうご)から入り、時候の挨拶(の候)を続けたら、そのまま本文(用件)に入ります。「新秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。さて、このたびは~」など。時候のあいさつは書かずに「時下ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます」としてもかまいません。

あらたまった相手にふさわしい9月の書き出し文例

●上旬…初秋の候、ますますご清祥でご活躍のこととお喜び申しあげます。/二百十日も過ぎ、名実ともに秋がやってまいりました。/九月とはいえ暑さの厳しい毎日でございます。お変わりございませんでしょうか。●中旬…秋風さわやかな好季節、つつがなくお過ごしでしょうか。/空もようやく秋色を帯びてまいりました。お元気でお過ごしのことと存じます。/朝夕はめっくり過ごしやすくなってまいりました。●下旬…暑さ寒さも彼岸までと申します。すっかり秋めいてまいりました。/日ごとに秋の色が深まっております。ますますご清栄のことと存じます。/秋の夜長の時節、ご機嫌うるわしくお過ごしのことと存じます。

親しい相手にふさわしい9月の書き出し文例

●上旬…新学期が始まってほっとひと息。お元気ですか。/九月になっても残暑厳しく、エアコンのお世話になっています。/日中はまだ夏の名残を感じますが、朝夕は秋を感じる今日この頃です。●中旬…すがすがしい秋晴れの日が続いております。/ようやく夜は過しやすくなってまいりました。/近所のお寺の境内に彼岸花が咲き始めました。●下旬…コスモスの風ある日かな咲き殖ゆる(杉田久女)コスモスが花を咲かせる季節となりました。/お彼岸が過ぎ、ここにきて急に涼しくなってまいりました。/サンマが店頭に並びはじめました。いかがお過ごしですか。

結びの挨拶文例(9月)

・ 秋涼の候、お元気でお過ごしください。
・ 九月とはいえ残暑が続いております。くれぐれもお体をお大事に。
・ 過ごしやすい季節になりました。ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
・ 季節の変わり目、くれぐれもご自愛ください。
・ 朝夕はめっくき涼しくなってまいりました。お体を大切にお過ごしください。
・ 秋の長雨が続きます。お風邪などひかれませんように。
・ 実り多い秋になりますように。

九月の手紙の結びは、季節の挨拶を入れたあと「ご自愛専一に。」「ますますのご活躍をお祈り申しあげます。」などの言葉を添えます。「朝晩は冷え込むようになってきました。くれぐれもご自愛ください。」「心地よい秋空の下、ますますのご活躍をお祈りいたします」といった感じで締めくくります。

ビジネス文書の場合は文末には時候の挨拶は入れません。用件を書いたあと「まずは書中にてごあいさつまで。」「とり急ぎお知らせまで。」「まずは書中にて、ご案内申し上げます。」などの言葉で締めくくります。

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9月の手紙の挨拶文(初旬・中旬・下旬)

コスモス

時候の挨拶は、初旬・中旬・下旬とか、月の前半・月の後半などと、無理に表現を変えなくても大丈夫です。9月なら「新涼の候ますますご清祥のこととお喜び申しあげます」と、冒頭に、9月の季語を使った「の候」を入れておけば問題ありません。初旬・中旬・下旬と使い分けたい場合は、9月の行事や雑節などを時候の挨拶に織り込むと、季節感が出ます。

◇9月初旬の時候の挨拶文例…二百十日も過ぎ、/重陽の節句も間近、/新学期も始まりほっとひと息、◇9月中旬の時候の挨拶文例…秋の彼岸も間近/十五夜の季節になりました。/仲秋の名月を迎え、◇9月下旬の時候の挨拶文例…秋分の日も過ぎ、/秋の社日も近づき、/動物愛護週間が始まりました。

9月の別名や昔の呼び名(和風月名)

彼岸花

9月の昔の呼び名(和風月名=わふうげつめい)を季語に使って手紙の書き出しに入れると、ひと味違った風流な挨拶文になります。

9月の代表的な和風月名は「長月」。読み方は「ながつき」。意味は、夜が長くなる季節なので「夜長月」(よながつき)を略したものといわれています。

江戸時代の歳時記『改正月令博物筌』(かいせいげつれいはくぶつせん)に「長月とは、夜初めて長きをおぼゆるなり。実(まこと)に長きは冬なれども、夏の短きに対して、長きを知るゆえなり」との記述があります。

9月の別名には次のような呼び名があります。

詠月(えいげつ)小田刈月(おがたかりつき)菊開月(きくさきづき)菊月(きくづき・きくげつ)季秋(きしゅう)季商(きしょう)季白(きはく)朽月(きゅうげつ)窮秋(きゅうしゅう)晩秋(ばんしゅう)勁秋(けいしゅう)高秋(こうしゅう)歳晏(さいあん)残秋(ざんしゅう)授衣(じゅい)終玄(しゅうげん)抄秋(しょうしゅう)抄商(しょうしょう)祝月(しゅくげつ)粛霜(しゅくそう)青女月(せいじょづき)霜辰(そうしん)竹酔月(ちくすいづき)玄月(ながつき)無射(ながつき)寝覚月(ねづめつき)剥月(はくげつ)暮秋(ぼしゅう)暮商(ぼしょう)紅葉月(もみじつき)

9月:外国語の呼び方

9月は英語では「Septembert」(セプテンバー)。Sept は seven の語源で、ローマ暦では七番目の月の意味。シーサーが七月を「July」(ジュライ)、アウグスツスが八月を「August」(オーガスト)としたので、繰り下がって、九月を「September」(セプテンバー)としたと言われています。

9月の外国語の呼び方…英語(September)セプテンバー/フランス語(septembre)セプタンブル/ドイツ語(September)セプテムバー/ロシア語(сентябрь)センチャーブリ/イタリア語(settembre)セッテンブレ/スペイン語(septiembre)セプティエンブル/ポルトガル語(setembro)セテンブロ/中国語(九月)チウユエ

お礼はがき文例<9月>知人に巨峰をいただいたお礼状

お礼はがき文例(9月)

9月に、知人から巨峰をいただいたお礼のはがきを作りました(上記の写真)。構成は、季節の挨拶から入って、お礼の言葉を続け、いただいた巨峰の感想を書き、時候の挨拶(9月なので「朝晩はだいぶ冷え込んでまいりました。くれぐれもご自愛ください」)を添えたあと、文末は「まずはお礼まで」と書いてまとめました。

お礼はがきの文面は以下のとおり。実際は縦書きです。

日ごとに秋の色が深まってまいりました。このたびは本場・山梨の巨峰を贈っていただき、ありがとうございました。大粒でずっしりと重く、さすがぶどうの王様。露地栽培ということで濃厚な甘みに驚かされました。しかも種なしだったのでとても食べやすかったです。いつもお心にかけていただき恐縮です。秋分の日も過ぎ、朝晩はだいぶ冷え込んでまいりました。くれぐれもご自愛ください。まずはお礼まで。

8月の季語と時候の挨拶10月の季語と時候の挨拶

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