年末調整の書類(扶養控除申告書)で記入ミスが多いのが「続柄」。読み方は「ぞくがら」。世帯主とあなたとの続柄の書き方と記入例を本人・子・父・親・妻など具体例を交えながら分かりやすく説明します。
扶養控除申告書で記入ミスが多い箇所は続柄

従業員はアルバイト・パートを含め200人ほどの会社でしたが、年末調整の書類(扶養控除申告書)で、圧倒的に記入ミスが多かったのが「続柄」(ぞくがら)でした。
扶養控除申告書の記入例もわかりやすく書いて、各職場に渡すのですが、ほとんどの従業員が読みません。ちょっと記入例に目を通してくれれば「あなたとの続柄」も分かるんですけどねぇ……。
そんなわけで今回は、扶養控除申告書の書き方の中で、記入ミスが多かった「続柄」について、経験をもとに説明をしていきます。
「続柄」(ぞくがら)を「ぞくへい」と読んでいた社員もいましたけど、ま、そのへんはご愛敬ということで。
世帯主とあなたとの続柄

アルバイトの大学生(女性)が「(世帯主と)あなたとの続柄」に「お父さん」と書いて提出してきたときは苦笑いでした。
控除対象扶養親族とあなたとの続柄

あなたに控除対象のお子さん(扶養親族)がいる場合、息子さんなら「長男」「次男」「三男」と書いて、娘さんでしたら「長女」「次女」「三女」と書きます。お子さんがひとりの場合でしたら「子」と書いても大丈夫です。
「親子」と書いてしまう記入ミスが多かったですね。
兄、弟、妹という三人のお子さんがいた中途採用の男性社員が、長男・次男・三女と書いて扶養控除申告書を提出してきたことがありました。この場合は、正しくは、長男・次男・長女となります。「前の会社で何も言われませんでしたか?」と聞いたところ「別に何も言われませんでした」とのこと。ま、そんなものかもしれません。
兄・妹という二人のお子さんがいて「長男・次女」と書いたパートの男性社員もいましたが、この場合は、正しくは「長男・長女」です。
あなたが、親御(おやご)さんを扶養に入れている場合は、お父さんでしたら、あなたとの続柄は「父」、お母さんなら「母」と書きます。「親子」とは書きません。
奥さん(配偶者)を扶養に入れている場合

扶養控除申告書の書き方と記入例

年末調整と医療費控除の違いについて
一年間の医療費が、自分と家族で10万円を超えた場合、確定申告で医療費控除の申告を行なうと、税金が戻ってきますが、医療費控除の手続きは、会社の年末調整ではやってもらえません。あくまでも本人が確定申告で行なうものです。年末調整は、毎月給与から一律で天引きされている源泉所得税を12月に1年間(1月から12月)の過不足を調整して精算する作業なので、会社が行ないます。
医療費控除は、本人または家族が支払った医療費に対するものなので、会社はノータッチです。年明けの1月上旬から確定申告の最終日までの期間に、税務署に出向くか、または e-tax で、医療費控除の申告を行なってください。
医療費控除は年末調整ではなく確定申告で行ないます。