葬儀での遺族と喪主のあいさつスピーチ例文|父・母・妻・夫

葬儀での遺族および喪主のあいさつ例文を4パターン用意しました(故人の息子・娘のスピーチと故人の夫・妻のスピーチ)。具体的な箇所は個別に置きかえる必要がありますが、そのほかの部分は手直しをしないで、そのまま使える原稿になっています。また、何をどういう順番で話すか、という構成のポイントも解説しています。

 

遺族のあいさつ基本例文

遺族のあいさつス原稿

【例文1】故人の息子・娘のスピーチ

本日は、みなさまご多忙のなかを、故・○○○(※1)のためにお集まりいただき、心からお礼申しあげます。
 
生前、父が数々のご厚誼(こうぎ)をいただきましたみなさまに、今日このようにお見送りしていただくことができまして、故人もさぞ喜んでいると思います。
 
○○(※2)歳の天寿をまっとうした父でございますので、これといって世に思い残すこともなく、淡々とした晩年を送り、安らかに息を引きとりました。わたくしの知るかぎりの父は、心やさしい、家族思いの人間でした。
 
そこにいるだけで、家族が心安らぐといったような父でしたので、しばらくは寂しい日々が続くものと覚悟しております。
 
みなさまにおかれましては、父亡きあとも、生前と変わらないおつきあいと、ご指導をたまわりますようお願いいたしまして、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
 
本日はどうもありがとうございました。
 
※1 父親または母親の名前。故・芳雄、故・文恵など。
※2 亡くなったたときの年齢。86歳、92歳など。
 
上の例文は、父親の葬儀が終わったあと、喪主である長男または長女が述べるスピーチを想定していますが、母親の葬儀でも対応できるようにしてあります。
基本構成
遺族のあいさつは、①会葬者にたいするお礼。②故人が生前に受けた厚いよしみに対する感謝の言葉。③個人についてひとこと(人柄・晩年の様子・臨終のさいの模様など)④今後とも変わらぬ付き合いのお願い……の五つの構成で組み立てるのが基本です。
 
その他…死因をあまり公(おおやけ)にしたくないときは、死亡した日時を述べる程度にとどめておいても差し支えありません。遺族のあいさつは、弔問に来ていただいた人たちに感謝の気持ちが伝わればじゅうぶんです。くどくど述べる必要はありません。

【例文2】故人の息子・娘のスピーチ

①お礼②故人の近況③死に至る状況④哀悼の言葉⑤結びの五つの構成で組み立てると無難な遺族のあいさつになります。
 
[お礼]本日は、お忙しいなか、母・○○のためにお集まりいただき、まことにありがとうございます。故人も深く感謝していることと思います。
 
[故人の近況]母は90歳という高齢にもかかわらず、これといった大病を患(わずら)うこともなく、元気に暮らしてまいりました。足腰は年相応に衰えてはいましたが、目と耳はしっかりしていました。
 
自分のことは自分でするからと、わたくしたちが世話を焼くのを嫌がりまして、自分の身のまわりのことは、ほとんど自分でこなしていました。
 
[死に至る状況]しかしながら、風邪をこじらせて肺炎を併発し、本日午前6時、帰らぬ人となってしまいました。ほんの一週間前までは、いつもと変わらぬ様子で過ごしていましたので、わたくしども家族にとっても急なことでした。
 
[哀悼の言葉]ふだんから「もうじゅうぶん生きたからいつお迎えが来てもかまわない」と申しておりましたし、90歳という年齢を考えれば、大往生といえるでしょう。それがせめてもの慰めです。
 
[結び]なお、ささやかではございますが、簡単な食事を用意いたしました。故人の思い出などを語りながら、ひとときを過ごしていただければと思います。本日はありがとうございました。
応用例
●お礼……本日はご多忙のなか、お運びいただき、まことにありがとうございました。故人もさぞかし喜んでいることでしょう。
 
●死に至る状況……故人は、かねてから病気療養のため入院生活を送っておりました。一時は小康(しょうこう)状態を保っていて、このまま回復に向かうよう祈っていましたが、昨晩、容体が急変し、本日午前6時に永眠いたしました。
 
●結び……つきましては故人の供養のため、心ばかりの酒肴(しゅこう)を用意させていただきました。何もございませんが、故人のおもかげをしのんでいただければ、幸いです。本日はありがとうございました。

喪主のあいさつ基本例文

喪主のスピーチ原稿

【例文1】故人の妻・夫のスピーチ

本日は、妻(夫)○○○の葬儀にご参列いただきまして、まことにありがとうございました。
 
○年間の療養生活のすえ、不帰(ふき)の客となりましたが、みなさまからいたただきました数々のお心づかいやご厚情には、感謝の気持ちでいっぱいだと存じます。
 
元気で退院できたら、みなさまにはお礼にうかがいたいと口ぐせのようにもうしておりましたが、その機会を得ることなく、こうしてみなさまにお見送りしていただかねばならぬ身になりましたことだけが不憫(ふびん)ですが、これも運命なのでしょう。
 
妻(夫)になりかわりまして、今日(きょう)までのみなさまがたのご厚情に対し、お礼を申しあげさせていただきます。
 
妻(夫)に先立たれ、この先は寂しいこともございましょうが、残された子どもたちとともに、今までどおりの明るい家庭を築いていくことで、妻(夫)への供養といたしたいと、念じております。
 
つきましては、今後もみなさまがたには何かとお世話になるかと存じます。至らぬ点も多かろうと思います。どうか引き続きのご指導、ご助言をたまわりたく、お願い申しあげるしだいでございます。
 
本日はありがとうございました。
故人をほめてはいけない?
遺族のあいさつのさいに、遺族側は故人をほめてはいけないという話をときたま聞きますが、そんなことはありません。それは勘違いです。美辞麗句を並べて故人をほめたたえるのは場がしらけるだけですが、事実に基づいた褒め言葉であれば、参列者にも自然に受け入れられてもらえます。

【例文2】故人の妻・夫のスピーチ

喪主のあいさつは、①お礼と死の報告②故人の思い出③故人の近況④結び……の四つの構成で組み立てると、そつなくまとまります。
 
[お礼と死の報告]本日は、妻(夫)○○のためにお集まりいただきありがとうございました。妻(夫)は、昨日(さくじつ)の朝7時、○歳で永眠いたしました。
 
[故人の思い出]今は妻(夫)との楽しい思い出だけが浮かんできます。出会ったころのこと、子どもが生まれたころのこと、家族で○○に旅行にでかけたたときのこと……妻(夫)との思い出は尽きません。
 
[故人の近況]闘病生活はラクなものではありませんでしたが、わたくしたち家族や友人の前では、けっして弱音をはきませんでした。それどころか、気弱になりかけていたわたくしや子どもたちをはげまして元気づけてくれました。
 
病床にあっても最期(さいご)まで明るさを失わなかった妻(夫)は、家族の誇りでもあります。きっと、あの世でもわたくしたち家族を見守り続けてくれると思います。
 
[結び]なお(別室に)心ばかりのものを用意いたしました。故人をしのんでひとときを過ごしていただければ、妻(夫)も喜ぶことと思います。本日はほんとうにありがとうございました。
応用例
●お礼……本日はご多用中のところ、故人のためにご弔問(ちょうもん)いただきまして、まことにありがとうございました。
 
●故人の思い出……夫(妻)はたいへん気のやさしい人でした。最期(さいご)まで好きな仕事(趣味)に打ち込むことができたのことは、幸せであったと思っております。
 
●結び……故人の供養のために、ささやかな酒席をご用意いたしました。ひとときのあいだ、故人の思い出話に花を咲かせていただければ幸いです。
 

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