保証人を断る手紙◇連帯保証人を断る手紙◇借金の保証人を断る手紙◇身元保証人を断る手紙――の書き方とポイントを解説し、例文と雛形も紹介しています。角が立たない言い回しや言い換えなどの文例も載せていますので、相手に納得してもらえる文面に仕上げることかできます。
保証人を断る手紙の書き方とポイント
保証人の依頼を断るのは気が重いものですが、返事を引き伸ばして時機を逸してしまうと、相手に迷惑をかけてしまうことにもなりますので、断る場合は早めにこちらの気持ちを相手に伝えることが大切です。軽々しく連帯保証人や身元保証人を引き受けて痛い目に遭うことも少なくありません。よく考えて、断ると決めたらきっぱりと断ることがポイントです。曖昧な表現は使わないこと。「断る理由は自分側にある」ということを強調します。嘘も方便。「現在ローンの返済中につき」「転職を予定していて収入に不安がある」などは、相手に納得してもらいやすい理由です。
「断る」というスタンスよりも、相手の意向に添えないことを「お詫びする」という形にすれるば、人間関係を損なわずにすみます。「分不相応」「主義」「信条」などの言い回しを使うと角も立ちません。手紙を投函する前に必ず読み返すこと。曖昧な表現を使っていないか、相手を思いやっているか、この二点は必ず確認してください。はがきは厳禁。必ず封書で出してください。
保証人を断る手紙の構成
1.頭語…拝復
2.前文…時候の挨拶は省略しても可
3.主文…どういう保証人なのかの確認
4.本題…断りの言葉と理由・事情の説明
5.末文…意向に添えないお詫びの言葉
6.結び…結びの挨拶
7.結語…敬具
連帯保証人や身元保証人の依頼を断る手紙の構成は、拝復から書き始めて、時候の挨拶と続け(時候の挨拶は省略可)、主文に入って、どういう保証人なのかを確認したうえで、喜んで引き受けるべきではあるが、自分にはその資格がないということを相手に納得してもらえる理由を添えて、意向に添えないお詫びの気持ちを伝え、最後を敬具で締めくくる、という流れでまとめます。
借金の連帯保証人を断る手紙の文例
拝復、春暖の候、ますますご健勝のこととお喜び申しあげます。さて、お申し越しの連帯保証人の件ですが、まことに申しわけありませんが、ご辞退させていただきたく、ご返事申しあげました。
じつは、過去に知人の連帯保証人を引き受け、金銭的な問題をかかえてしまい、たいへん苦労をしたことがございます。
そのときの心の整理がいまだについていない状態ですので、このたびはなにとぞご容赦願います。ほんとうに心苦しいしだいでありますが、あしからずご了承くださいますようお願い申しあげます。
取り急ぎ、お詫びかたがたご返事まで。
敬具
借金の保証人を断る手紙の例文
拝復、お手紙読ませていただきました。保証人が必要である経緯、よく了解いたしました。ただし、私には、資産もなく、社会的信用も微力であり、とても人様の保証人を引き受ける器ではないと、当惑しております。
銀行融資と言われても要するに借金のこと。その保証人など私には荷が重すぎます。もちろん塚田様のご返済について信頼申しあげないわけではございません。また、保証人といっても形式ばかりのものとは承知しておりますが、この件ばかりはご容赦ください。
せっかくの貴意に沿いかね心苦しいしだいですが、どうか事情をご了承くださいますよう、お願い申しあげます。
右、ご承諾いたしかねる旨を述べて、ご返信といたします。
敬具
身元保証人の依頼を断る手紙の文例
拝復、このたびは、ご令息がめでたく就職が内定されたそうで、心からお祝い申しあげます。ついては、私に身元保証人とのご依頼ですが、まことに勝手ながらご辞退させていただきたく、ご連絡申しあげました。
私には、地位や資産もなく、社会的信用もございませんので、ここはほかにももっと身元保証人にふさわしい方にご依頼されるほうが、ご令息の将来のためにもよろしいかと存じます。
お役に立てればまことに光栄でございますが、このたびだけは、ご辞退させていただきたく、なにとぞあしからずご了承くださいますよう、お願い申しあげます。
右、おわびかたがたご返事まで。
敬具
保証人を断る手紙に使える言い換えや言い回し
保証人を断る手紙に使える言い換え・言い回し…安請け合いはお互いのためにも考えものと存じます。/連帯保証人にはそれ相応の覚悟が必要です。私には荷が重すぎますので、ご期待には添えません。/ご信頼に背くようなお返事しか申しあげられず、まことに申しわけありません。/私は経済的にも社会的にも微力であり保証人を引き受けるような器ではありません。/信条として保証人はお引き受けしないことにしております。