ランドセル(2017年度モデル)の予約販売の時期と最近の傾向を人気メーカー別にご紹介します。◇高島屋◇イオン◇セイバン◇土屋鞄――。去年(2015年)はランドセルの注文時期は、お盆がピークでしたが、今年(2016年)はゴールデンウィーク(GW)が最初のピークになるといわれています。
ランドセルの予約販売時期の推移と傾向
ランドセルの予約販売の時期は年々早まっています。20年前(1990年代)までは、ランドセルの売上のピークは年明けの1月でした。冬休みが終わって、3学期に入り、卒業式が近づいたころに、入学準備の一環としてランドセルを買いに行く、というのが一般的な傾向でした。ここ数年、状況は一変。2013年(3年前)ごろからランドセルの売上のピークは、9月から10月になり、去年(2015年)のピークはなんと8月から9月。とくにお盆の時期がもっともランドセルの注文が多かったのが去年(2015年)の特徴です。
ランドセルの色やデザインが多様化してきていることと、早く注文しないと人気モデルは売り切れてしまうという顧客心理が、ランドセルの予約時期を早めている一因。お盆の帰省時に、おばあちゃんやおじいちゃんにランドセルを買ってもらうという、ランドセルの購入が、いわゆる三世代顧客化してきているのもここ一、二年の特徴です。
このような傾向を踏まえて、各ランドセルメーカーは、今年(2016年)は、ランドセルの予約・注文の時期は、お盆ではなく、ゴールデンウィークを最初のピーク時期として、2017年度モデルの早期対応を進めています。
各メーカーの2017年度モデル・ランドセルの受注体制
かるすぽを中心に24色ランドセルや世界にひとつだけのランドセル(カスタムランドセル)などのラインナップをそろえるのは イオン 。去年(2015年)は初めての試みとしてゴールデンウィーク前にランドセル売り場を設けたところ、お盆前に注文する顧客が増えたことから、今年(2016年)は、4月22日から全国のイオン(ランドセル取り扱い店舗)で、順次、予約販売を開始しました。
去年(2015年)は、6月にランドセル売り場を設置した 高島屋 は、今年(2016年)は、4月上旬にランドセル売り場を全国各店舗に設置しました。ゴールデンウィークに、祖父母と親子三世代で訪れる顧客を取り込もうというのが狙いです。ちなみに高島屋では、去年(2015年)は、8月までにランドセル全売上の50%以上を売り上げています。
ランドセル職人による手作りランドセルで人気の 土屋鞄(つちやかばん)は、二、三年前までは、ランドセルの完売時期は11月でしたが、去年(2015年)は9月に完売。今年(2016年)は、6月初旬に来年度(2017年度)モデルの展示を開始。7月1日から店舗とインターネットで注文受付を始めます。
ランドセルの値段の推移
ランドセルの値段は年々上昇しています。1970年代は国産ランドセルの平均価格は1万円でしたが、1980年代になると2万円台になり、1990年代に入ると3万円台になり、2014年には、ランドセルの平均価格は、4万2,000円と、4万円台を超えています。ランドセル価格の上昇の理由は、原材料費の高騰のほかに、ランドセルのサイズが、A5サイズからA4サイズへと大きくなってきたこと、刺しゅうなどのデザイン性が求められるようになったためと見られています。
ちなみに高島屋の去年(2015年)のランドセルの平均売上価格は6万3,000円、イオンの今年(2016年)のメイン商品の価格帯は5万円になっています。年々高くなるランドセルの値段。人気モデルは、おじいちゃんやおばあちゃんに援助してもらわないと、なかなか手が出ない、というパパとママの声が聞こえてきそうです。