山茶始開・地始凍・金盞香|立冬の期間と時候の挨拶文

冬の二十四節気・立冬(りっとう)の時期(11月7日頃から11月21日頃)に手紙やはがきに使える季節の挨拶を七十二候◇第55候・山茶始開(11月7日頃から11月11日頃)◇第56候・地始凍(11月12日頃から11月16日頃)◇第57候・金盞香(11月17日頃から11月21日頃)――ごとに、季語をまじえて解説していきます。

 

二十四節気<立冬>七十二候(11月7日ごろ~11月21日ごろ)

マヒワ 立冬。読み方は「りっとう」。意味は冬の気配が感じられはじめるころのこと。冬支度を始める季節でもあります。暦の上で立冬というと、11月7日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の小雪(しょうせつ)前日まで、11月7日頃から11月21日頃までの期間をいいます。

立冬の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(11月7日頃から11月11日頃)は山茶始開(つばきはじめてひく)。次候(11月12日頃から11月16日頃)は地始凍(ちはじめてこおる)。末候(11月17日頃から11月21日頃)は金盞香(きんせんかさく)と読みます。

二十四節気の立冬の時期(11月7日頃から11月21日頃)、手紙やはがきの時候の挨拶に七十二候を入れると季節感のある書き出しになります。以下、11月上旬から11月中旬の手紙やはがきに使える季節の挨拶文例を紹介します。

立冬・初候(山茶始開)11月7日ごろ~11月11日ごろの時候の挨拶

サザンカ 山茶始開。読み方は「つばきはじめてひらく」。「山椿開」と書いて「つばきはじめてひらく」と読むこともあります。山茶花(さざんか)の花が咲き始めるころという意味。「つばき」と読みますが実際はツバキ科の「さざんか」のこと。二十四節気の立冬・初候、七十二候の第55候にあたります。新暦では、11月7日ごろから11月11日ごろまで。

この時期(立冬・初候)に使える季語は、山茶花(さざんか)・落ち葉焚き(おちばたき)・平目(ひらめ)・みかん・温州みかん(うんしゅうみかん)・鍋の日(11月7日)・亥の子(いのこ)・嵐山もみじ祭(あらしやまもみじまつり)など。嵐山もみじ祭は毎年11月第二日曜日に嵐山で行なわれる京都の秋の風物詩。

11月7日頃から11月11日頃に使える時候の挨拶文例…山茶始開の候、/サザンカの咲く季節となりました。/落ち葉のじゅうたんを踏んで歩く季節になりました。/暦の上ではもう立冬、/11月7日は鍋の日。お鍋の恋しい季節になりました。/立冬を過ぎ、冬の気配がただよってまいりました。

立冬・次候(地始凍)11月12日ごろ~11月16日ごろの時候の挨拶

池の氷 地始凍。読み方は「ちはじめてこおる」。大地が凍り始めるころという意味です。季節はいよいよ冬を迎えます。二十四節気の立冬・次候、七十二候の第56候にあたります。新暦では、11月12日ごろから11月16日ごろまで。

この時期(立冬・次候)の季語は、七五三・千歳飴・毛ガニ・ほうれん草・茶の花・ズワイガニ・十六団子の日(じゅうろくだんごのひ)。十六団子の日とは、収穫を終え山へ帰る農業の神様を16個の団子をお供えして見送る習わし。春(3月16日)には山から里に下りてくる神様を16個の団子(十六団子)でもてなします。

11月12日頃から11月16日頃に使える季節の挨拶文例…地始凍の候、/茶の花の咲く季節になりました。/七五三の季節となりました。/カニのおいしい季節になりました。/初冠雪の便りも聞かれる今日この頃/うららかな小春日和が続いています。/日だまりの恋しい季節になりました。いかがお過ごしですか?

立冬・末候(金盞香)11月17日ごろ~11月21日ごろの時候の挨拶

水仙 金盞香。読み方は「きんせんかさく」。「きんせんこうばし」とも読みます。金盞とは水仙(すいせん)のこと。水仙の花が咲き、かぐわしい香りが漂うころという意味。二十四節気の立冬・末候、七十二候の第57候にあたります。新暦では、11月17日ごろから11月21日ごろまで。

この時期(立冬・末候)に使える季語は、水仙(すいせん)・甲烏賊(こういか)・蓮根(れんこん)・まひわ・新北風(みーにしい)・ボジョレーヌーボー解禁(11月第3木曜日)・出雲大社の神在祭(かみありさい)。出雲大社の神在祭とは、毎年、旧暦10月10日から17日までの期間、全国から出雲大社に集まってくる神様をお迎えする神事。

11月17頃から11月21日頃に使える時候の挨拶文例…金盞香の候、/水仙の香りただよう季節になりました。/今年もボジョレーヌーボー解禁のニュースを聞く季節になりました。/レンコンの旬の季節になりました。/マヒワの鳴き声が冬を告げる今日この頃、/あちこちに熟した柿の実を見かけるようになりました。/出雲大社では神在祭が行なわれています。

立冬の時候の挨拶を入れた七五三のお祝いへのお礼はがき文例

お礼はがき(七五三のお祝い) 七五三のお祝いにお花をいただいたお礼のはがきを作りました。はがきを出すのは11月中旬(11月15日ごろ)。二十四節気は立冬。七十二候では立冬の次候・地始凍(ちはじめてこおる)にあたります。

お礼はがきの文面は以下のとおり。印刷は縦書きです(上記写真)

うらやかな小春日和が続いております。このたびは奈緒の七五三にきれいなお花をお届けいただきましてありがとうございました。奈緒もたいへん喜んでおりました。常見さまのお心遣いに家族ともども感謝の気持ちでいっぱいです。おかげさまで奈緒もいたって健康で、医者のお世話になることもなく、初節句を迎えることができました。親としてはたいへんうれしく思っております。日を追うごとに寒さが厳しくなってきます。くれぐれもご自愛ください。まずはお礼まで。

霜降の挨拶文(立冬の前)|(立冬の次)小雪の挨拶文

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