ヘクソカズラの花を写真と動画で撮ってきました。撮影した画像や映像をまじえながら、名前の由来や花言葉・誕生花、俳句や和歌などをご紹介します。ヘクソカズラ(屁糞葛)の別名はヤイトバナ(灸花)サオトメバナ(早乙女花)など。ヘクソカズラは臭いと言われていますが、実際にどんな匂いがするのか、花や葉っぱや茎の臭いをかいでみましたが、臭くなかったです。
ヘクソカズラとは

学名は「Paederia scandens」(パエデリア スカンデンス)。Paederia(パエデリア)は、ラテン語の「悪臭」、scandens(スカンデンス)は「つる性の植物」の植物。悪臭のする蔓植物(つるしょくぶつ)という意味になります。英語では「Skunk vine」(スカンク バイン)。意味は「ひどい臭いのするつる性植物」。中国では「鶏屎藤」(けいしとう=鶏の糞〈ふん〉のにおいがするつる性植物)と呼ばれています。和名にしても外国名にしてもヘクソカズラは特徴である「いやな臭い」が由来になっています。
ヘクソカズラの動画|撮影場所…県民健康福祉村(埼玉県越谷市)
ヘクソカズラの名前の由来と別名

そんな可愛そうな名前を付けられたヘクソカズラですが、美しい別名もあります。ひとつは「サオトメバナ」(早乙女花)。早乙女(さおとめ)とは、田植えをする若い女性のこと。その女性たちが田植えをするときにかぶった笠(かさ)に花の色が似ていることから「サオトメバナ」の名が付きました。

そのほか、早少女草(さおとめぐさ)早乙女葛(さおとめかずら)田植花(たうえばな)苦芋(にがいも)踊花(おどりばな)ウマクワズ(馬木食・馬食わず)クソカズラ(糞葛・屎葛)クソタレバナ(糞垂花)などの別名があります。
ヘクソカズラの臭い|どんな匂いなのか実際にかいでみた

インターネットで調べても「悪臭」が強調されていますが、実際はどうなのか、ヘクソカズラの臭いはどんな匂いなのか、実際にかいでみました。
ヘクソカズラは臭くなかった

もっとすりつぶすようにしてもめば臭(くさ)い臭いがしたのかもしれません。少なくとも私が観察した県民健康福祉村(埼玉県越谷市)のヘクソカズラは臭くありませんでした。ただし、ヘクソカズラは臭くない、と結論づけたわけではありません。たまたま私が観察したヘクソカズラは臭くなかった、ということです。秋になって実がついたら、実をつぶして臭いをかいでみようと思います。その結果は追記としてこの記事で報告します。
ヘクソカズラの花言葉と誕生花

ヘクソカズラの誕生花は9月9日と一般的には言われています。ただし9月9日の誕生花は、ハマシオン(浜紫苑)やキク(菊)としている書籍もありますので、ここでは断定はしないで、通説として「ヘクソカズラの誕生花は9月9日」と紹介するにとどめます。
ヘクソカズラの画像|撮影場所…県民健康福祉村(埼玉県越谷市)





ヘクソカズラを季語に使った俳句や和歌

俳句ではヘクソカズラは夏の季語。ヘクソカズラを季語にして詠んだ俳句には、高浜虚子(たかはまきょし)の「名をへくそかづらとぞいふ花盛り」(なをへくそ かずらとぞいう はなざかり)や後藤夜半(ごとうやはん)の「灸花ふたつの指に抓み摘む」(やいとばな ふたつのゆびに つまみつむ)などがあります。「灸花」(やいとばな)はヘクソカズラの別名。
和歌や俳句のほかにもヘクソカズラにまつわることわざ(諺)もあります。「屁糞葛も花盛り」(へくそかずらもはなざかり)。ヘクソカズラのような(臭くて人に嫌われるような)花でも愛らしい花を咲かせる花盛りの時期があるように、あまり美しくない娘でも年頃になればそれなりに魅力的になるという意味です。