ビジネス文書の文末の結び文例と結語をまとめました。◇相手の繁栄を祈る言葉◇今後の愛顧を願う言葉◇締めの言葉◇結語……を順番につなげていけばビジネス文書にふさわしい末文がつくれます。たとえば、(相手の繁栄を祈言葉)末筆ながら貴社の一層のご発展を専心より祈念申し上げます。(今後の愛顧を願う言葉)今度とも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(締めの言葉)まずは略儀ながらお知らせまで。(結語)敬具……といった感じです。
ビジネス文書|文末の結び文例
ビジネス文書の文末(手紙を結ぶ前の挨拶文)は四つの部分から構成されています。「相手の繁栄を祈る言葉」「今後の愛顧を願う言葉」「締めの言葉」「結語」。それぞれ決まって使う言葉や挨拶文の型がありますので、それを使って組み立てれば、そつのないビジネス文書の末文が作れます。相手の繁栄を祈る言葉
主文(用件)を書き終わったら末文に移ります。まず相手の繁栄を祈る言葉を書きます。たとえば「末筆ながら田中様のますますのご活躍を心よりお祈りいたします」といった挨拶文です。相手の繁栄を祈る言葉は、相手が会社の場合と個人の場合の二つのパターンがあります。会社宛のビジネス文書の場合
会社宛のビジネス文書の場合、相手の繁栄を祈る言葉は(A)末筆ながら(B)貴社の(C)ますますの(D)ご繁栄を(E)心より(F)お祈りいたします。……と、六つの言葉を組み合わせます。(A)末筆ながら(B)貴社の・貴店の・貴会の・貴校の(C)ますますの・一層の(D)ご繁栄を・ご発展を・ご隆盛を・ご繁盛を・(E)心から・心より・専心から・専心より(F)お祈り申し上げます。お祈りいたします。祈念申し上げます。
上記(A)(B)(C)(D)(E)(F)それぞれの中から言葉をひとつずつ選んで順番に組み合わせていけば、相手の繁栄を祈る言葉になります。たとえば「末筆ながら貴店のますますのご繁盛を専心よりお祈り申し上げます。」といった具合です。※(C)と(E)は省略可。
個人宛のビジネス文書の場合
個人宛のビジネス文書の場合、相手の繁栄を祈る言葉は(A)時節柄(B)伊藤様には(C)くれぐれも(D)ご自愛くださいますよう(E)お祈り申し上げます。……と、五つの言葉を組み合わせます。(A)時節柄(B)○様には・皆様には・ご一同様には(C)どうか・くれぐれも(D)ご自愛くださいますよう・お健やかにお過ごしくださいますよう・お元気でお過ごしくださいますよう(E)お祈り申し上げます。お祈りいたします。祈念申し上げます。
上記(A)(B)(C)(D)(E)それぞれの中から言葉をひとつずつ選んで順番につないでいきます。「時節柄、ご一同様にはどうかお健やかにお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。」といった感じです。
今後の愛顧を願う言葉
相手の繁栄を祈る言葉の次に今後の愛顧を願う言葉を書きます。「今後とも一層のお引き立てのほどよろしくお願いいたします。」など。今後の愛顧を願う言葉(A)今後とも(B)一層の(C)お引き立て(D)のほど(E)よろしく(F)お願いいたします。……と、六つの言葉から成り立っています。
(A)今後とも・これからも(B)どうか・どうぞ・何とぞ・末永く・倍旧の・変わらぬ・一層の(C)ご厚誼・ご厚情・ご愛顧・お引き立て・ご協力・ご高配・ご指導・ご鞭撻ご支援・お力添え(D)のほど・くださいますよう・を賜りたく・を賜りますよう(E)心から・心より・よろしく・専心より(F)お願い申し上げます。お願いいたします。
上記の(A)(B)(C)(D)(E)(F)それぞれの中からひとつずつ言葉を選んで順番につなげていきます。たとえば「これからも末永くお力添えくださいますよう心からお願い申し上げます。」といった具合です。なお(E)は省略可。
相手の繁栄を祈る言葉と
今後の愛顧を願う言葉は文書の内容に応じて省略してもかまいません。相手の繁栄を祈る言葉だけ使う、今後の愛顧を願う言葉だけ書く、両方省く、など。また文章の流れによっては、今後の愛顧を願う言葉を先に書いて、そのあとに相手の繁栄を祈る言葉を続けたほうが、文章の納まりがよくなる場合もあります。
締めの言葉
今後の愛顧を願う言葉次に締めの言葉を書きます。「まずは書中をもちましてお知らせいたましす。」など。締めの言葉は(A)まずは(B)書中をもちまして(C)お知らせ(D)いたします。……と、四つの言葉から成り立っています。(A)まずは・右(B)とり急ぎ・略儀ながら・書中にて・書中をもちまして(C)お礼・お知らせ・お願い・お詫び・お祝い・ご照会・ご注文・ご依頼・ご挨拶…他(D)まで。申し上げます。いたします。
上記の(A)(B)(C)(D)それぞれの中からひとつずつ言葉を選んで順番につなげて「まずは略儀ながらご挨拶まで。」といった感じにまとめます。
結語
結語は「けつご」と読みます。文章の結びの言葉です。ビジネス文書の結語は、一般的には「敬具」(けいぐ)「謹白」(きんぱく)「早々」(そうそう)の三種類を使い分けます。敬具は標準的な文書、謹白は改まった文書、早々は書き出しの挨拶文を省略した場合に使います。早々は「草々」(そうそう)とも書きます。なお結語は頭語(とうご)は対(つい)になっています。拝啓(はいけい)―敬具、謹啓(きんけい)―謹白、拝復(はいふく)―敬具、前略(ぜんりゃく)―早々または草々。たとえば結語に敬具を使ったら頭語は拝啓になります。頭語に前略を使ったら結語は早々になります。拝啓―早々、前略―敬具、などとは使いません。
ビジネス文書|結びの例文
ビジネス文書の結び(相手の繁栄を祈る言葉・今後の愛顧を願う言葉・締めの言葉・結語)の例文をそのまま使える形にしてまとめましたので、ビジネス文書で文末(書き終わり)部分の文章をつくるときの参考にしてください。●末筆ながら貴社のますますのご発展を心からお祈り申し上げます。今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。まずは書中をもちましてご依頼まで。敬具/末筆ながら貴店のご繁栄を祈念申し上げます。今後とも何とぞご支援のほどお願い申し上げます。まずは略儀ながらご照会まで。敬具●時節柄、橋本様にはくれぐれもご自愛くださいますようお祈りいたします。まずはとり急ぎお願いまで。敬具●時節柄、皆様にはどうかお元気でお過ごしくださいますよう祈念申し上げます。これからも末永くご指導くださいますようお願い申し上げます。右、書中にてお知らせいたします。