4月の二十四節気・清明(せいめい)の時期(4月4日頃から4月19日頃)に手紙やはがきに使える時候の書き出し文を七十二候◇第13候・玄鳥至(4月4日頃から4月8日頃)◇第14候・鴻雁北(4月9日頃から4月13日頃)◇第15候・虹始見(4月14日頃から4月19日頃)――ごとに、季語もまじえて解説していきます。
二十四節気<清明>七十二候(4月4日ごろ~4月19日ごろ)
清明。読み方は「せいめい」。すべてのものが清らかで生き生きするころのこと。「清浄名潔」(せいじょうめいけつ)という言葉を略した季語で、新暦の4月4日ごろにあたります。暦の上で清明というと、4月4日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の穀雨(こくう)前日まで、4月4日頃から4月19日頃までの期間をいいます。清明の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(4月4日頃から4月8日頃)は玄鳥至(つばめきたる)。次候(4月9日頃から4月13日頃)は鴻雁北(がんきたへかえる)。末候(4月14日頃から4月19日頃)は虹始見(にじはじめてあらわる)と呼びます。
二十四節気の清明の時期(4月4日頃から4月19日頃)、手紙やはがきの挨拶文に七十二候を使うと、より季節感のある書き出しになります。以下、4月上旬から4月中旬の手紙やはがきに使える時候の挨拶文例を紹介します。
清明・初候(玄鳥至)4月4日ごろ~4月8日ごろの季節の挨拶
玄鳥至。「つばめきたる」と読みます。冬の間、暖かい地方で過ごしていたツバメが海を渡ってやってくるころという意味。二十四節気の清明・初候、七十二候の第13候にあたります。新暦では、4月4日ごろから4月8日ごろまで。この時期(清明・初候)の季語には、お花まつり・初鰹(はつがつお)・燕(つばめ)・行者葫(ぎょうじゃにんにく)などの言葉が使えます。4月4日頃から4月8日頃に使える時候の挨拶文例…玄鳥至、ツバメがやってくる季節になりました。/ツバメが南からやってくる季節になりました。/軒先にツバメが巣をかける季節になりました。/玄鳥至の候、/花の咲きにぎわう季節になりました。/初がつおの季節になりました。/初ガツオの季節到来、/行者にんにくが店頭に並び始めた今日この頃、/万物の生命が輝く季節到来。
清明・次候(鴻雁北)4月9日ごろ~4月13日ごろの季節の挨拶
鴻雁北。読み方は「がんきたへかえる」。日が暖かくなり冬を過ごした雁(がん)が北のシベリアへ帰っていくころという意味です。二十四節気の清明・次候、七十二候の第14候にあたります。新暦では、4月9日ごろから4月13日ごろまで。この時期(清明・次候)の季語は、雁風呂(がんぶろ)・タラの芽・蛍烏賊(ほたるいか)・鳥風(とりかぜ)・鳥曇(とりぐもり)など。4月9日頃から4月13日頃に使える時候の挨拶文例…鴻雁北、ガンが北へ帰る季節になりました。/雁が北のシベリアへ帰る季節になりました。/鴻雁北の候、/鳥風の候、/鳥曇の候、/タラの芽が店頭に並ぶ季節になりました。/ホタルイカの美味しい季節、/ホタルイカの身投げが春を告げる季節、/タラの芽の美味しい季節、/
清明・末候(虹始見)4月14日ごろ~4月19日ごろの季節の挨拶
虹始見。「にじはじめてあらわる」と読みます。意味は、春も深まり空に初めて虹がかかるころのこと。二十四節気の清明・末候、七十二候の第15候にあたります。新暦では、4月14日ごろから4月19日ごろまで。この時期に使える季節の言葉は、雨前茶(うぜんちゃ)・目張(めばる)・三つ葉(みつば)・小楢(こなら)4月14日頃から4月19日頃に使える時候の挨拶文例…虹始見、雨上がりの虹が美しくなる季節になりました。/虹始見、雨上がりの虹が春の深まりを告げる季節になりました。/虹始見の候、/三つ葉の美味しい季節、/メバルの美味しい季節、/雨前茶が深まる春を感じさせてくれる今日この頃、/コナラの花が咲き始める季節になりました。
清明の時候の挨拶を入れた全快祝いの案内はがき文例
清明の時候の挨拶を入れた全快祝いを兼ねたお茶会の案内はがきを作りました。開催日は4月下旬。案内はがきを出すのは4月上旬(4月5日過ぎごろ)。はがきを出す時期の二十四節気は清明。七十二候では清明の初候・玄鳥至(つばめきたる)に当たるので、書き出しには「玄鳥至」という季語を使いました。案内文なので結びには時候の挨拶は入れていません。文面は以下のとおり。実際のハガキ縦書きで印刷しました(上記写真)
玄鳥至、ツバメがやってくる季節になりました。お元気でお過ごしのことと思います。さて、野口先生が元気になられて三月三十日に退院されました。つきましては、野口先生の全快を祝って、左記の場所と日程でお茶会を開くことにしました。場所は東武線・せんげん台駅東口から徒歩約五分のところにある古民家カフェ・葵(あおい)。日時は四月二十二日(金)午前十一時から午後十二時半。野口先生を囲んで楽しいひとときを過ごしたいと思います。ぜひお越しください。まずはご案内まで。