桃の節句(上巳の節句)の意味と由来、雛祭りと雛人形の歴史をはしめ桃の節句に食べる行事食の意味や雛人形を出す時期としまう時期などについて解説しています。あわせて、女の子の初節句のお返し(内祝い)や初節句のお祝い礼状の書き方と例文も紹介しています。
桃の節句(上巳の節句)の意味と由来

上巳の日に、紙や土で作った人形(ひとがた)の体をなでて、穢(けが)れを人形に移し、それを川や海に流して邪気を祓った風習で、もともとは、年齢・性別に関係なく、健康を祈って災厄を祓(はら)うために行なわれました。この人形(ひとがた)から雛人形が生まれ、貴族の間で雛祭りの風習になっていきました。
古代中国では、桃は邪気を祓って健康を保つといわれ、上巳の節句には桃酒を飲む風習があり、桃の花を包んで杯の中に入れてお酒を飲んだことから「桃の節句」の名前が付いたと言われています。
雛祭りと雛人形の歴史

桃の節句(ひな祭り)に食べる行事食の意味

ちらし寿司には、長寿を願うエビ、将来の見通しがよくなるようにとレンコン、マメに働けるようにと緑の豆といった縁起のいい食材が使われます。彩りとして、魔除けの赤、清浄の白、健康と長寿の緑を使った食材も散りばめられます。
もともとは上巳の節句(桃の節句)では、邪気を祓うお酒として、杯に桃の花を浮かべた「桃花酒」が飲まれていましたが、江戸時代から白酒になり、現在では、アルコールを含まない甘酒が多く使われています。
雛人形を出す時期としまう時期

雛人形をしまう時期は、次の節句となる「春分」(しゅんぶん)の前日まで、3月4日から3月19日ごろまでの啓蟄(けいちつ)の期間を目安とするのが吉とされています。3月3日を過ぎてもおひな様を飾っていると婚期が遅れるというのは迷信です。啓蟄の期間の空気の乾いた晴れた日を選んでしまうのが雛人形にとってもベストです。
女の子の初節句のお返し(内祝い)

お祝いをいただいて自宅に呼べなかった方には、いただいたお祝いの三分の一から半額程度のお返し(内祝い)を贈ります。のしに「内祝い」と表書きをし、お子様の名前でひな祭りの日(桃の節句)から1週間から2週間以内に贈るのがマナーとされています。お返しの品は、和菓子・名前入りカステラ・ケーキなどのお菓子や紅白砂糖が定番です。
初節句のお祝い礼状の書き方とはがき例文

文面は以下のとおり。実際のはがきは縦書きで印刷しました(上記写真)
このたびは、長女・奈緒への初節句のお祝いをいただきありがとうございました。娘の成長を気にかけていただき、心から感謝いたします。奈緒も生後十か月を過ぎ、伝え歩きもできるようになりました。こうして元気に奈緒が初節句を迎えることができたのも田代さんのようなやさしい方々のお陰です。ほんとうにありがとうごさいました。花どきのならい、とかく気候不順のおりからくれぐれもご自愛ください。ひとことお礼まで。追伸…心ばかりの内祝いの品を別送させていただきました。ご笑納いただければ幸いです。