お中元お礼状はがきの書き方を解説するとともに文例を5種類用意しました。◇お礼はがきを書くときの三つのポイント◇文面の構成◇文例(仕事関係)会社宛・取引先の個人宛・妻が夫の部下宛に代筆する場合◇文例(個人)知人または親戚宛・友人宛……。例文はそのまま使えるようにまとめてあります。
お中元のお礼はがき|三つのポイント
お中元のお礼はがきを書くときのポイントは三つ。①その日に書いて出す。②具体的に書く。③相手の好意にも触れる――
お中元のお礼状は品物を受け取りましたという報告の意味もあります。品物が届いたその日にお礼状を書いて出すのが基本です。贈った商品は無事に届いたか、相手は気になるもの。遅くとも届いた二日以内には投稿するようにします。
相手が会社や法人の場合でしたら「このたびは結構なお中元の品をいただき…」といった表現でかまいませんが、相手が個人でしたら、「このたびは夕張メロンが届きました。」「さすがに本場のものはひと味もふた味も違うと驚いています。」など、具体的にお礼の気持ちを自分の言葉にして伝えます。
品物のお礼だけではなく、「いつもお心にかけていただき恩にきます。」など、相手の気づかいや心配りに対する感謝の気持ちも添えるようにします。相手が法人の場合なら「平素はこちらこそ何かとお世話になっておりますのに、過分な心配りをいただき、恐縮に存じます。」など。
お中元のお礼はがきの構成(仕事関係・個人)
お中元のお礼状はがきの構成は、仕事関係の場合は、◇前文…頭語(拝啓)→時候の挨拶→相手の繁栄を喜ぶ言葉→平素の厚誼(こうぎ)へのお礼◇主文…お中元を受け取ったお礼→相手の行為へのお礼◇末文…相手の繁栄を祈る言葉→今後の厚誼を願う言葉→締めの言葉→結語(敬具)という流れが基本になります。
個人的(プライベート)なお中元のお礼はがきは、◇前文…季節の挨拶→相手の安否や健康をたずねる言葉◇主文→お中元を受け取ったお礼→品物の感想◇末文…季節の言葉→相手の健康を祈る言葉→結びの言葉――というという構成が基本です。親しい人の場合は結語と頭語は省略してもかまいません。
お中元のお礼は電話じゃダメ?
親しい間柄や親戚でしたらお中元のお礼は電話でもかまいません。ただし、相手が仕事関係者や目上の場合は、電話口に相手を呼び出すのは失礼にあたりますので、お中元のお礼は電話ではなく、はがきを書くのが原則です。
お中元のお礼はがき例文|仕事関係者宛
仕事関係者宛に書くお中元のお礼はがき例文を三つ用意しました。◇会社宛◇取引先の個人宛◇夫の部下宛に妻が代筆する場合。文例はすべて横書きになっていますが、実際は縦書きを想定しています。なお文面中の「/」(斜線)は改行の目安としてお考えください。
仕事関係…会社宛|あらたまった文面
拝啓 炎暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。/平素はひとかたならぬご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。/さて、本日はお心づくしのお中元の品をご恵贈いただき、まことにありがとうございました。いつもながらのご芳志、深く感謝申しあげるしだいでございます。/さっそくご参上のうえ、お礼申し上げるべきところ、とりあえず書中をもってお礼申し上げます。/末筆ながら貴社のますますのご発展を心からお祈り申し上げます。 敬具
仕事関係…取引先の個人宛|ややあらたまった文面
拝啓 盛夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申しあげます。日ごろは格段のお引き立てにあずかり厚くお礼申しあげます。/さてこのたびはけっこうなお中元の品をいただきまして、まことにありがとうございました。/椿屋珈琲店のアイスコーヒー。●様が思案を重ねて選んでくださったのが見えるかのようです。いつもお心にとめていただき恐縮です。/これから暑さも本格化しそうです。●様のご健勝とますますのご活躍をお祈り申しあげます。/まずは取り急ぎお礼まで。 敬具
仕事関係…妻が夫の部下宛に代筆する|ビールをいただいたお礼
拝啓 本格的な暑さを迎え、●様、ますますご壮健でご活躍のこととお喜び申しあげます。このたびは、お心づくしのお中元の品をいただき、ありがとうございました。海外の地ビール詰め合わせ、夫婦で毎晩楽しませていただいております。/いつも主人のほうこそお世話になっておりますのに、●様に、このようにご配慮いただき、恐縮しております。/酷暑のみぎり、くれぐれもご自愛ください。/まずは略儀ながらお礼まで。 敬具
お中元のお礼はがき例文|プライベート
個人的にいただいたお中元のお礼はがき文例を二つご紹介します。◇知人・親戚などややあらたまった相手◇親しい友人に暑中見舞いを兼ねて――。例文は横書きですが、縦書きを想定しています。文面中の「/」(斜線)は改行の目安。個人的なお中元のお礼はがきは、くじ付き暑中・残暑見舞いはがき「
かもメ~ル 」を使っても喜ばれます。
個人…知人・親戚宛|ややあらたまった文面<果物のお礼>
連日の猛暑でございます。お変わりなくお過ごしでしょうか。/このたびは、夏の暑さも忘れさせてくれるような涼味あふれる宮古島産マンゴーをいただき、ありがとうございました。さっそく家族そろって美味しくいただきました。/とろけるようなまったりとした味わいで、母もたいへん喜んでおりました。わさわざ産地にご手配いただいたそうで恐縮するばかりです。お心遣い感謝いたします。/しのぎがたい暑さが続きます。くれぐれもご自愛ください。/まずはお礼まで。
個人…友人宛|暑中見舞いを兼ねたお中元(そうめん)のお礼
暑中お見舞い申しあげます。/●さん、本日、手延べ三輪そうめんが届きました。ありがとうございます。/さっそく主人といただきました。さすが本場のそうめん。ゆがいたあとの麺のつやも美しく、コシの強さともちもちとした食感も楽しめました。連日の暑さで弱った胃にもやさしい味わいでした。/いつもながらのお心遣い、ほんとうにありがとうございました。/連日の猛暑は身体にこたえますが、くれぐれもご自愛ください。/まずは取り急ぎお礼まで。