暑中見舞い・残暑見舞いに使える夏の季語と俳句一覧

暑中見舞いや残暑見舞いに使える夏の季語と俳句をまとめました。夏の季語を使った俳句(閑かさや岩にしみ入る蝉の声〈芭蕉〉)を入れた暑中見舞いの文例と「暑中見舞いに使える夏の季語と俳句」「残暑見舞いに使える夏の季語と俳句」を一覧にしてあります。豆知識として、暑中見舞いを出す時期と残暑見舞いを出す時期についても触れています。

 

暑中見舞いや残暑見舞いに俳句を入れると挨拶文がキラッと光る

夏の季語を使った俳句で有名な句といえば松尾芭蕉の「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)。季語は蝉。この句を暑中見舞いの挨拶文の中に入れてみましょう。こんな感じになります。

暑中お見舞い申し上げます。
うだるような暑さが続いています。いかがお過ごしですか。こちらは七月末に休暇をとって家族四人で相模原市にある上大島キャンプ場に行ってきます。橋本家は今年の夏はどちらへお出かけですか。来年はまた合同でキャンプに行きたいですね。一昨年、靖史くんたちと行った那須野が原の蝉の大合唱は未だに耳に残っています。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声(芭蕉)
暑さに負けず、実り多い夏休みをお送りください。

夏らしい季語を使った俳句を一句入れるだけで暑中見舞いや残暑見舞いの挨拶文の雰囲気が一変、キラッと光る文章になります。俳句を入れる場所は、近況報告のあと、結びの言葉の前が、いちばん落ち着きます。

暑中見舞いを出す時期と残暑見舞いを出す時期

暑中見舞いはがき 暑中見舞いを出す時期は小暑(7月7日ごろ)から立秋(8月8日ごろ)まで。または梅雨が明けてから立秋まで。立秋(8月8日ごろ)を過ぎて8月31日ごろまでは残暑見舞いになります。8月を過ぎても残暑が続いているような場合は白露(はくろ=9月7日ごろ)までは残暑見舞いを出しても大丈夫です。

暑中見舞いに使える夏の季語と俳句

●向日葵(ひまわり)…向日葵の空かがやけり波の群(水原秋桜子)●茄子(なす)…朝市やもぎしばかりの茄子並べ(田中蘇水)●絵団扇(えうちわ)…絵団扇のそれも清十郎にお夏かな(与謝蕪村)●浴衣(ゆかた)…浴衣着て少女の乳房高からず(高浜虚子)

●花火(はなび)…まなうらに今の花火がしたたれり(草間時彦)●氷水(こおりみず)…青春のいつかは過ぎて氷水(上田五千石)●風鈴(ふうりん)…あたらしき風鈴の音や吊りてすぐ(町春草)

●金魚(きんぎょ)…思ひ出も金魚の水も蒼を帯びぬ(中村草田男)●水中花(すいちゅうか)…泡一つ抱いてはなさぬ水中花(富安風生)●冷麦(ひやむぎ)…冷麦の箸をすべりてとゞまらず(篠原温亭)●麦湯(むぎゆ)…しんしんと麦湯が煮えぬ母の家(島野光生)

残暑見舞いに使える夏の季語と俳句

朝顔
●朝顔(あさがお)…朝顔や一輪深き淵のいろ(与謝蕪村)●秋近し(あきちかし)…暁の雲をさまらず秋近し(佐藤紅緑)●晩夏(ばんか)…紅くして黒き晩夏の日が沈む(山口誓子)●秋立つ(あきたつ)…秋立つや川瀬にまじる風の音(飯田蛇笏)

●秋の蝉(あきのせみ)…仰のけに落ちて鳴きけり秋の蝉(小林一茶)●残暑(ざんょ)…牛部屋に蚊の声闇き残暑かな(松尾芭蕉)●夕顔(ゆうがお)…夕顔の花の月夜となれるはや(高須茂)

●土用波(どようなみ)…海の紺白く剥ぎつつ土用波(瀧春一)●浜木綿(はまゆう)…暁の浜木綿の香をひとり占む(鈴鹿野風呂)●新涼(しんりょう)…新涼の身にそふ灯影ありにけり(久保田万太郎)●終戦日(しゅうせんび)…川を見て老人立てり終戦日(林徹)
暑中見舞いに俳句を入れると一味違う挨拶文に

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