7月の俳句と季語|ざぶざぶと索麺さます小桶かな」(村上鬼城)ほか30句

7月の俳句と季語を選りすぐりました。全30句。7月の手紙にも使えるように、上旬・中旬・下旬ごとに分け、手紙を受け取った相手に、より夏らしい季節感が伝わるような俳句を厳選。たとえば7月の上旬に出す手紙やはがきに俳句を入れるなら「ざぶざぶと索麺さます小桶かな」(村上鬼城)。そしてこの句を使って、お中元のお礼はがきを書くと次のような文面になります――

 

7月の俳句を挨拶文に入れたお中元のお礼はがき文例

ざぶざぶと索麺さます小桶かな」(村上鬼城)「ざぶざぶと そうめんさます こおけかな」(むらかみきじょう)という俳句を入れて、お中元のお礼はがきを作ってみました。お中元のお礼はがきの例文の文例としてお読みください。ちなみに「そうめん」は夏の季語。漢字で書くと「索麺」または「素麺」。「冷素麺」(ひやそうめん)という季語としても使われます。

暑中お見舞い申し上げます。

このたびは、白鬚の手延べそうめんをいただき、ありがとうございました。さっそく母と家内とでいただきました。細さと優雅な喉ごし。高級料亭でも出される贅沢な味を楽しむことができました。立野さんのいつもながらの心づかい、ほんとうにありがとうございました。

ざぶざぶと索麺さます小桶かな(村上鬼城)

しのぎがたい暑さが続きます。くれぐれもご自愛ください。取り急ぎお礼まで。

7月の俳句と季語|7月上旬に出す手紙やはがきの挨拶文に

睡蓮
●山開(やまびらき)…霧ふかく不士は見えねど山開き(谷迪子)●浴衣(ゆかた)…借りて着る浴衣のなまじ似合ひけり(久保田万太郎)●暑さ(あつさ)…大蟻のたたみをありく暑さかな(井上士朗)●蝉(せみ)…閑かさや岩にしみ入る蝉の声(松尾芭蕉)●睡蓮(すいれん)…睡蓮の花に神慮のあるごとし(高橋直子)

●夜光虫(やこうちゅう)…夜光虫古鏡の如く漂へる(杉田久女)●雷(らい)…雷の音ひと夜遠くをわたりをり(中村草田男)●百合の花(ゆりのはな)…木の下や夜の明けかかる百合の花(浪化)●避暑地(ひしょち)…その橋に人の集まる避暑地かな(五十嵐播水)●麦酒(ビール)…ビール酌む男ごころを灯に曝し(三橋鷹女)

7月の俳句と季語|7月中旬に出す手紙やはがきの挨拶文に

浜木綿
●夕顔(ゆうがお)…淋しくもまた夕顔のさかりかな(夏目漱石)●浜木綿(はまゆう)…浜木綿に夜の浪白き祭笛(西島麦南)●月見草(つきみそう)…開くとき蘂の寂しき月見草(高浜虚子)●夾竹桃(きょうちくとう)…夾竹桃一枝折れて咲ゐたり(徳川夢声)●茄子(なす)…朝市やもぎしばかりの茄子並べ(田中蘇水)

●打水(うちみず)…打水の流るる先の生きてをり(上野泰)●夏草(なつくさ)…夏草や兵どもが夢の跡(松尾芭蕉)●返り梅雨(かえりづゆ)…窓の樹に水乞鳥や返り梅雨(飯田蛇笏)●炎昼(えんちゅう)…炎昼へ製氷の角をどり出る(秋元不死男)●夏夕(なつゆうべ)…雲焼けて閑かに夏の夕かな(高浜虚子)

7月の俳句と季語|7月下旬に出す手紙やはがきの挨拶文に

入道雲
●夏氷(なつごおり)…匙なめて童たのしも夏氷(山口誓子)●松葉牡丹(まつばぼたん)…鯵干すや松葉牡丹のかたへより(水原秋桜子)●蓮の花(はすのはな)…夕立の来るべき空なり蓮の花(芥川龍之介)●百日草(ひゃくにちそう)…尼寺やすがれそめたる百日草(軽部鳥頭子)●百日紅(ひゃくじつこう)…百日紅雀がくるくる鬼瓦(石橋秀野)

●夕立(ゆうだち)…夕立にひとり外みる女かな(宝井其角)●雲の峰(くものみね)…生々と切株にほふ雲の峰(橋本多佳子)●花氷(はなごおり)…大いなる柱の陰の花氷(高浜虚子)●麦湯(むぎゆ)…しんしんと麦湯が煮えぬ母の家(島野光生)●心太(ところてん)…清滝の水汲みよせてところてん(松尾芭蕉)
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