10月に書くはがき礼状の文例(ビジネス・プライベート)をご紹介します。◇書き出し(錦秋の候・紅葉の候・仲秋の候)◇主文(お礼の言葉)◇末文(秋気しきりに動く今日この頃、どうかお元気で)◇結びの挨拶(取り急ぎお礼まで)……など、そのまま使える文面にまとめてあります。仕事関係は「来店してもらったお礼はがき」。個人のほうは「知人から新米を送ってもらったお礼はがき」のひな型を作ってあります。
10月の礼状はがき文例|前文の書き方(ビジネス・個人)
10月に、はがき礼状を書く場合、ビジネス関係でしたら、前文の書き出しは、◇錦秋の候◇紅葉の候◇仲秋の候◇秋冷の候◇菊香の候◇初霜の候――などを使って「貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます」といった言葉を続けます。個人的なはがき礼状でしたら、10月は「朝夕はめっきり寒くなってきました。」「白菊、黄菊の咲き乱れる候となりました。」「紅葉が日に日に増す十月。」などの時候の挨拶から始めて「お変わりありませんか。」といった言葉を添えます。
はがきで礼状を書く場合、仕事関係など、改まったものでなければ、時候の挨拶は省略してもかまいません。仕事関係でも個人宛に送るような場合でしたら「●様 本日はご来店いただき、まことにありがとうございました。」といった書き出しにすると、自然な感じになります。
時候の挨拶として俳句を使ってみるのもひとつの方法です。
時候の挨拶として俳句を使ってみるのもひとつの方法です。たとえば10月でしたら、森川許六(もりかわきょろく)の「新蕎麦や熊野へつづく吉野山」(しんそばや くまのへつづく よしのやま)という俳句を使って、「新蕎麦や熊野へつづく吉野山(森川許六)このたびは新蕎麦をお送りいただきましてありがとうございました。わざわざ戸隠にご手配いただいたそうで恐縮です。」などの書き出しにすると、10月らしい秋の季節を感じる文章になります。ただし俳句は儀礼的なビジネス礼状の書き出しには使わないほうが無難です。10月の礼状はがき文例|主文の書き方とポイント
はがき礼状の主文は「具体的に書く」こと。これがポイントです。品物をいただいた場合は、「このたびは結構な品をお贈りいただき…」と書くのではなく、「このたびはシャトー・メルシャン甲州きいろ香をお贈りいただき…」というように、具体的な言葉でお礼の気持ちを伝えます。長々と書く必要はありません。感謝の気持ちを短くまとめて言葉にします。お礼はがきは出すタイミングも重要。一週間後とか十日後とかでは感謝の気持ちも色あせてしまいます。基本は「その日に出して投函すること」。翌日には投函するようにします。とくに品物をいただいた場合は、相手に届いたことを伝える意味もあるので、お礼はがきは、できるだけ早く出すことがポイントです。
10月の礼状はがき文例|末文の書き方と結びの挨拶
末文の結びの挨拶は、ビジネス礼状でしたら、季節の挨拶は入れずに「今度とも変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。」などと書いて、「まずは取り急ぎお礼まで。」と締めくくります。10月に個人的なお礼はがきを書く場合、文末は「過ごしやすい季節ですが、朝晩は冷え込む毎日です。お体を大切に。」などと時候の挨拶を入れて、「取り急ぎお礼まで。」と結べば、そつなくまとまります。
10月の結びの言葉…秋冷日増しの候、どうぞお健やかにお過ごしください。/めっきり寒いこの朝夕、ご健康を心からお祈りします。/秋気しきりに動く今日この頃、どうかお元気で。/虫の声もしだいに衰えゆく候、皆様のご息災をお祈りいたします。/元気いっぱい、食欲いっぱい、ゆく秋をお楽しみください。/天高く、気清し、ますますご壮健であらせられんことを。/秋雨のみぎり、お体を大切に。/深まりゆく秋、ご自愛ご専一に。/秋たけなわ、ますますのご活躍をお祈り申しあげます。
10月の礼状はがき文例|ビジネス・プライベート
10月のはがき礼状の例文を作りました。ビジネスとプライベートの2種類。文面は下記のとおり。仕事関係は、来店してもらったお礼(上の印刷画像)。個人的なほうは、知人(幼なじみ)から新米をもらったハガキ礼状です(記事上部の写真)。原稿は横書きですが、縦書きを想定しています。「/」は改行の目安。10月のお礼はがき文面|仕事関係…来店していただいたお礼
小野崎様/本日はご来店いただき、まことにありがとうございました。/楽しいお時間を共有させていただくことができ、とてもうれしく感じています。楽しくおくつろぎいただけましたでしょうか。/小野崎様の中で、越谷でお気に入りの店の仲間入りができるよう精進していきますので、また近くをお通りのさいは、ぜひお立ち寄りください。お待ちしております。/深まりゆく秋、ご自愛ご専一に。
10月のお礼はがき文面|個人…新米をもらったお礼
新米のその一粒の光かな(高浜虚子)/和子ちゃん、新米が今日届きました。ありがとう。/青森県産のつるがロマン、名前だけは聞いていたけど、食べるのははじめて。「鶴の輝き」という名前も素敵ですね。一粒一粒が輝いていて、ほのかな甘みが特徴だとか。楽しみです。/和子ちゃんも青森に行ってもう二十年以上たつのかな。小学生のとき、学校の帰り道、稲刈り間近の田んぼのかかしに和子ちゃんの帽子をかぶらせてイタズラしたのをふと思い出しました(笑)/そんな遠い昔を思い出しながら和子ちゃんから贈ってもらったつるがロマン、ありがたくいただきます。/まずはお礼まで
個人…出産祝いをもらったお礼
美恵子おばさま/ベビー服セット、今日受け取りました。どれもかわいいものばかり。帽子や腹掛けまで入っていて、これから冬を迎える佳織に着せるのが今から楽しみです。/さすが美恵子おばさま、センスが違うな、と孝司さんも感心しています。ほんとうにありがとうございました。/来春の初節句にはぜひ佳織の顔を見に来てください。お待ちしています。/とり急ぎお礼まで。/真由美