越谷の六阿弥陀巡りに行ってきました|天嶽寺・林西寺…

2019年9月24日・火曜日。第502回越谷市郷土研究会史跡めぐり「越谷・六阿弥陀巡り」に参加しました。北越谷駅西口広場を起点に、天嶽寺(越ヶ谷)林泉寺(増林)報土院(登戸町)林西寺(平方)安国寺(大泊)清浄院(大松)など、阿弥陀如来をご本尊とする越谷市のお寺六軒を貸切バスに乗って約7時間かけて巡ってきました。

 

越谷・六阿弥陀巡り|2019年9月24日

越谷・六阿弥陀巡り|バス車中 越谷市郷土研究会が主催している史跡めぐり。今回、私が参加したのは「第502回史跡めぐり 越谷・六阿弥陀巡り」(2019年9月24日)。阿弥陀仏如来像を安置している越谷市にある浄土宗のお寺六箇所をめぐってきました。当日の様子を写真とともにお伝えします。

六阿弥陀めぐりとは

六阿弥陀めぐり 六阿弥陀巡りとは、阿弥陀仏を本尊とする六箇所のお寺を春と秋の彼岸に参拝するとご利益があるとされ、江戸中期・元禄時代に庶民の間で盛んに行なわれた風習。中でも奈良時代の僧・行基(ぎょうき)作と伝えられる阿弥陀像を安置する西福寺(北区豊島)延命寺(足立区江北)無量寺(北区西ヶ原)与楽寺(北区田端)常楽院(調布市西つつじヶ丘)常光寺(北区亀戸)は江戸六阿弥陀として知られています。

越谷周辺地域にも江戸六阿弥陀めぐりをまねて、江戸中期・天明年間(1781年~1789年)ごろから「新六阿弥陀めぐり」が行なわれていました。天嶽寺(越ヶ谷)林泉寺(増林)源光寺(松伏町)林西寺(平方)安国寺(大泊)清浄院(大松)の六寺。今回は「越谷の六阿弥陀仏」ということで、松伏町の源光寺は巡らずに、報土院(登戸町)を参拝しました。

集合・出発|北越谷駅西口広場

夢湖観光バス 集合は午前9時30分。東武伊勢崎線・北越谷駅西口広場。受付をすませて、駅前ロータリーに駐めてある貸切大型観光バス(夢湖=ゆめこ=観光バス)に乗車。参加人数は37人。車中で、バスの運転手さんの紹介と、案内人(越谷市郷土研究会)あいさつのあと、9時35分、史跡めぐりスタート

バス車中|元荒川沿い 北越谷駅から神明橋を左折。元荒川右岸側の道路(越谷流山線)を進んで最初の目的地・天嶽寺(てんがくじ)へと向かいます。

天嶽寺|越ヶ谷

天嶽寺|入口 9時50分。天嶽寺に到着。山門の手前で越谷市郷土研究会・渡邊会長のあいさつ。今回の史跡めぐりの目的と参加者全員が安全に楽しく過ごせるようお言葉をいただきました。

天嶽寺|黒門 天嶽寺の住所は越谷市越ヶ谷2549。上の写真は通称・黒門(くろもん)と呼ばれる山門です。

天嶽寺|赤門 境内の中ほど、黒門と本堂の間にあるのが赤門(あかもん)。案内人から赤門の由来や建築様式など詳しい解説がありました。

天嶽寺|本堂 天嶽寺は、至登山遍照院(しとざん へんしょういん)と号し、室町時代・文明10年(1487年)開山と伝えられる古刹(こさつ)です。本尊は阿弥陀如来ですが、本堂には木像の涅槃像(ねはんぞう=寝仏=ねぼとけ)も安置されていて、涅槃像は「木造釈迦如来涅槃像」の名で越谷市の文化財に指定されています。

越谷吾山墓石|天嶽寺 こちら(上の写真)は、墓地の一画にある江戸中期の方言学者・越谷吾山(こしがやござん)の供養墓石。「越谷吾山供養墓石」の名で越谷市の有形文化財(歴史資料)に指定されています。ちょうど秋のお彼岸の時期だったので墓石には花が供えられていました。

林泉寺|増林

林泉寺|山門 続いて訪ねたのは、林泉寺(りんせんじ)。10時40分着。住所は越谷市増林3818

林泉寺|本堂 正林山徳泉院と号し、開基は14世紀。南北朝時代・貞和2年(1346年)と伝えられています。現在の本堂は昭和45年(1970年)に新築されたもの。林泉寺の近くに、徳川家康が鷹狩りに向かうさいの休息所として設営した御茶屋御殿(おちゃやごてん)があったことから境内には家康にまつわる遺跡も見られます。

住職の講話|林泉寺 本堂で住職の講話を拝聴。林泉寺の由緒や寺宝などのお話しをうかがいました。住職といっしょに全員で「南無阿弥陀仏」と十回唱える「十念」(じゅうねん)を行なったあと「宗祖 法然上人 御遺訓 一枚起請文」(しゅうそ ほうねんしょうにん ごいくん いちまいきしょうもん)を唱和しました。

駒止のマキ|林泉寺 上の写真は、境内にある槙(まき)の木。推定樹勢420年。徳川家康が野遊(やゆう)の折りに林泉寺に立ち寄ったとき、このマキに馬の手綱を結んだことから「駒止のマキ」(こまどめのまき)と呼ばれ、越谷市の天然記念物に指定されています。

報土院|登戸町

報土院|山門 11時40分。三番目に立ち寄ったのは、報土院(ほうどいん)。埼玉県越谷市登戸町20-28

報土院|本堂 報土院は、報身山廣西寺(ほうしんざん こうさいじ)と号し、創建年代は不詳。16世紀・戦後時代末期から安土桃山時代はじめごろの開山とも伝えられています。境内には江戸時代に造立された石仏や石塔も多く見られます。

住職の講話|報土院 本堂で住職のお話を拝聴。住職とともに全員で「南無阿弥陀仏」を十回唱えたあと、寺の由緒をはじめ焼香の作法や数珠について、住職が分かりやすく説明してくださいました。

羅漢像|報土院 報土院でひときわ目を引くのが、60体ある羅漢像(らかんぞう)。スマホやパソコンをやっている羅漢やカラオケのマイクを手に熱唱している羅漢など、ユニークな羅漢像も見られます。

 

昼食|徳樹庵 下間久里店

徳樹庵下間久里店 天嶽寺・林泉寺・報土院と三寺めぐったところで越谷六阿弥陀巡りの前半終了。昼食会場の徳樹庵(とくじゅあん)下間久里店(しもまくりてん)に到着。12時40分。徳樹庵は馬車道グループが運営する和食レストランです。

鴨ざるうどん|徳樹庵 「越谷市郷土研究会様」と書かれた大広間に通されました。昼食のメニューは、鴨ざるそば・鴨ざるうどん・親子丼の中から史跡めぐり参加予約のときに事前に申し込んでおきました。私は鴨ざるうどん。

食事会場|徳樹庵 徳樹庵は大広間もあるので、今回のように40人近い団体客には、ありがたいですね。料理も事前に手配してあったのでスムーズに運ばれてきました。13時25分、昼食を終え、四番目のお寺、林西寺(りんさいじ)へ

林西寺|平方

林西寺|山門 13時35分。林西寺(りんさいじ)に到着。住所は越谷市平方249

林西寺|本堂 林西寺は、白龍山月照院(はくりゅうざん げっしょういん)と号し、鎌倉時代の後期・嘉暦年間(1326年~1329年)の開山と伝えられています。

内陣|林西寺 浄土宗の僧侶・呑龍上人(どんりゅうしょうにん)は、この近くの一ノ割村(いちのわりむら)の出身で、14歳のときに林西寺に入って僧となり、貧しい家の子もどもを弟子として寺に引き取り教育したことから子育て呑龍と称されました。

呑龍上人供養墓石|林西寺 林西寺の墓地の一画には、呑龍上人の供養墓石があります(上の写真)。この墓石は「呑龍上人供養墓石」(どんりゅうしょうねんくようぼせき)の名で、越谷市の有形文化財(歴史資料)に指定されています。

安国寺|大泊

安国寺|山門 14時15分。五番目に立ち寄ったのは、安国寺(あんこくじ)。越谷市大泊910

安国寺|本堂 安國寺は、大龍山東光院(だいりゅうざん とうこういん)と号し、南北朝時代の康安元年(1361年)の開山と伝えられています。

住職の講話|安国寺 本堂で住職の法話を拝聴。安国寺の由緒や南無阿弥陀仏の意味などをうかがいました。安国寺の住職は女性です。どうして住職になったのかなどのお話も聞かせてくださいました。

円空仏|安国寺 本堂には、全国各地を旅しながら仏像を彫り続けた江戸時代前期の僧侶・円空(えんくう)の作った木彫りの仏像が安置されています。この仏像は「安国寺の円空仏」(あんこくじのえんくうぶつ)の名で、越谷市の有形文化財に指定されています。

清浄院|大松

清浄院|山門 15時15分。最後に訪れたのは、清浄院(しょうじょういん)。越谷市大松60

清浄院|本堂 清浄院は、栄広山浄土寺(えいこうざん じょうどじ)と号し、創建は鎌倉時代後期と伝えられている古刹(こさつ)です。徳川幕府ともゆかりがあり、徳川家康から第14代将軍・家重まで歴代の徳川将軍の位牌や家康直筆の名号(みょうごう)など、数多くの寺宝が保存されています。

住職の講話|清浄院 本堂で、29代・住職の講話を拝聴。住職とともに全員で、南無阿弥陀仏を十回唱える十念(じゅうねん)を行なったあと、清浄院の歴史や本堂に安置されている閻魔さまのお話などをうかがいました。

歴代の徳川将軍の位牌|清浄院 こちら(上の写真)は、歴代(初代から第14代まで)の徳川将軍の位牌です。徳川家康の院号は「安國院殿」、二代将軍・秀忠は「台徳院殿」、三代将軍・家光は「大祓院殿」(清浄院・住職の解説による)

帰路|バス車中

バス車中 16時。清浄院を出てバスに乗車。北越谷駅西口広場に向かって帰路へ。車中、越谷市郷土研究会・会長あいさつのあと、案内役・四名のあいさつがありました。今回、狭い道も神業に近いハンドルさばきで安全に参加者を運んでくださった夢湖観光バスの運転手さんにも参加者全員から拍手がわき起こりました。

解散|北越谷駅西口

夢湖観光バス|北越谷駅西口 16時30分。北越谷駅西口広場に到着。その場で解散。越谷の阿弥陀さまとのご縁をちょうだいし、ご利益満載の史跡めぐりでした。これで来世は極楽浄土に行けること間違いなし(笑)。うんちくある解説と気配りが行き届いた接待をしてくださった越谷市郷土研究会の案内役・四人のみなさんにも感謝(合掌)
 

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