4月3日の季語と俳句。花菜そこに神武天皇祭の波…他

4月3日にふさわしい季語と俳句をより抜きました。●桜餅…カルメンが桜餅食ふ楽屋かな(笹岡明日香)●神武天皇祭…花菜そこに神武天皇祭の波(原月舟)●隠元忌…扉に彫む一顆の桃や隠元忌(後藤夜半)●葱坊主…泊まることにしてふるさとの葱坊主(種田山頭火)――全24句。日記のネタや季節のお便りなどにお使いいただけます。

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桜餅

桜餅といえば東京・墨田区にある天台宗のお寺・長命寺(ちょうめいじ)の桜餅が有名。江戸時代中期・文政13年(1830年)に発刊された、当時の風俗や習慣が書かれた随筆『嬉遊笑覧』(きゅうしょうらん)に「柏餅の類似品として長命寺の桜餅が売り出された」と記されています。

くづさるる膝こそ未婚さくら餅(塩崎緑)/三つ食へば葉三片や桜餅(高浜虚子)/さくら餅食ふやみやこのぬくき雨(飯田蛇笏)/カルメンが桜餅食ふ楽屋かな(笹岡明日香)/けふ妻とあらそはぎりし桜餅(田村了咲)/散らばりし筆紙の中の桜餅(松本たかし)

神武天皇祭|神武祭

神武天皇祭(じんむてんのうさい)とは、初代天皇・神武天皇崩御の日とされる 4月3日に、天皇が神武天皇の霊を祀る宮中大祭のひとつです。神武祭(じんむさい)とも呼ばれています。以前は休日(祝祭日)でしたが、戦後・昭和22年(1947年)に廃止され、現在は、宮中祭祀として執り行なわれています。なお神武天皇は、記紀(古事記と日本書紀)には事跡が記されていますが、伝説上の人物であるとする説もあります。

神武天皇祭(神武祭)を季語に詠んだ俳句には、原月舟(はら げっしゅう)の「花菜そこに神武天皇祭の波」や右城暮石(うしろ ぼせき)の「神武祭すくも虫売り農機売る」などがあります。

また、放浪の生活を続けながら句作を続けた俳人・種田山頭火(たねださんとうか)は『其中日記(十)』(ごちゅうにっき)の中で、「四月三日 晴れ。神武天皇祭、日本的!うらゝかな旗日。早起沈静、よろしいよろしい……」と書いています。

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隠元忌

4月3日は江戸前期に明(みん)から渡来した禅僧・隠元(いんげん)の命日です。文禄元年(1592年)11月4日(旧暦・12月7日)生まれ。寛文13年(1673年)4月3日(旧暦・5月19日)歿。享年80。俳句では隠元忌(いんげんき)と詠まれ春の季語になっています。隠元は、当時の中国文化も伝え、隠元豆(いんげんまめ)も日本に伝えたとも言われています。

扉に彫む一顆の桃や隠元忌(後藤夜半)相ちがふ十八羅漢隠元忌(加福無人)まだ大き蝌蚪のこりゐる隠元忌(森澄雄)剃りたての頭がづらり隠元忌(河野静雲)甃(しきがわら)花塵止めず隠元忌(青木月斗)隠元忌とて如是我聞始まりぬ(加福雷太)

葱坊主

春のこの時期、畑にねぎ坊主が並んでいる風景を目にします。近づいてみると小坊主(こぼうず)に見えてくるから不思議です。葱坊主(ねぎぼうず)はネギの花のこと。球状の白い小さな花を坊主頭に見立てたもので、俳句では春の季語になっています。また、天ぷらのほか塩炒めやゴマ和えなどにして食べると春の味が楽しめます。

泊まることにしてふるさとの葱坊主(種田山頭火)/葱坊主子を育てては嫁にやり(成瀬櫻桃子)/夜が来る数かぎりなき葱坊主(西東三鬼)/菜畑の隣さびしや葱坊主(柳田國男)/大き傘かつぎさす子や葱坊主(久保田紫雲郷)/四十(よそ)以後の自嘲烏滸(おこ)なれ葱坊主(中村草田男)

4月3日の日記

4月3日。今日は祖母の命日。子どものころ、この時期になると祖母がよく桜餅を作ってくれた。和菓子屋で売っているような薄皮のものではなく、草餅のように厚い皮の桜餅だったが、桜の葉の塩漬けは自家製で、甘いあんことの味の加減が絶妙だった。草餅も作ってくれたが桜餅のほうが好きだった。祖母が亡くなって28年が過ぎた。春先、和菓子屋で桜餅を見ると、亡くなった祖母の作ってくれた分厚い皮の桜餅の味を思い出す。4月3日。今日の季語は桜餅。

人生の午後かじりかけ桜餅(楠木節子)

4月1日の季語と俳句4月5日の季語と俳句

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