4月9日の季語と俳句。一燈にみな花冷えの影法師…他

4月9日にふさわしい季語と俳句をより抜きました。●浅蜊(あさり…前後左右壁に品書き浅蜊飯(小林歌子)●花冷え…一燈にみな花冷えの影法師(大野林火)●通草の花(あけびのはな)…雲深し通草の花の雨ためて(安藤甦浪)――全24句。自治会通信や手紙の挨拶文などにお使いください。4月9日は俳人・野澤節子(のざわせつこ)の命日(節子忌)なので、野澤節子の俳句も紹介しています。

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浅蜊(あさり)

浅蜊 桜が咲き始めると潮干狩りの季節到来。潮干狩りの主役はアサリ。漢字で書くと浅蜊。俳句で春の季語になります。みそ汁やお吸い物、酒蒸しや炊き込みご飯のほか佃煮していただきます。あさりのスパゲティ(ボンゴレ)も人気の一品。

また、昔から「麦の穂出たら浅蜊は食うな」といわれています。アサリは麦の穂が出始める初夏に産卵期を迎えるので、その時期に貝類を食べると食中毒を起こしやすいから、食べないほうがいい、という言い伝えです。

前後左右壁に品書き浅蜊飯(小林歌子)/浅蜊に水いつぱい張つて熟睡す(菖蒲あや)/木更津の腰巻き網の浅蜊かな(加藤晃規)/ちゆと啼くほかの浅蜊もちうちうと(山口珊瑚)/浅蜊汁洋燈(ランプ)臭しと思ひけり(久米三汀)/橋立の吹雪(ふぶ)ける波にあさり舟(溝江虹晴)

花冷え

桜の咲くころの気温は変わりやすく、あたたかい日が続いたと思ったら、急に冷え込むことがあります。これを「花冷え」(はなびえ)いいます。俳句では春の季語。桜の華やかさの中にやってくるこの寒さは、余寒(よかん)や春寒(しゅんかん)とも呼ばれますが、花冷えという言葉のほうが、艶(えん)なる風情を感じます。

一燈にみな花冷えの影法師(大野林火)/花冷えの闇にあらはれ篝守(高野素十)/花冷えやしきりに松に来る雀(野村喜舟)/花冷えや夜はことさらに話白く(後藤夜半)/花冷えや白々と居る障子内(池上浩山人)/花冷えや熱き茶碗をもてあそび(山口青邨)

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節子忌

4月9日は、俳人・野澤節子(のざわせつこ)の命日です(節子忌)。大正9年(1920年)3月22日生れ。平成7年(1995年)4月9日歿。享年75 。骨が壊死していく病気・カリエスに冒されながらも句作に命を注ぎ、女性の俳句普及のために尽力。手解き本なども執筆しました。師である大野林火(おおのりんか)が、野澤節子の俳風を「清純にて清冽」と讃えているように、命をみつめた清冽な句で知られています。

野澤節子の代表的な句には、◇冬の日や臥して見あぐる琴の丈◇春暁をまだ胎内の眠たさに◇大寺の月の柱の影に入る◇をさなくて蛍袋のなかに栖む――などがあります。また、野沢節子の命日は「節子忌」(せつこき)という季語にもなっていて、◇節子忌の水に音ある蘇生かな(和田耕三郎)◇節子忌やひねもすさくら訪ねては(田村一翠)◇節子忌を過ぎてまさかの名残雪(長谷部信彦)などの句が詠まれています。

通草の花(あけびのはな)

通草の花 通草(あけび)とは、蔓性(つるせい)の低木(ていぼく)で、四月ごろに新葉(しんば)の元から白い淡紫色の花をひっそりと咲かせます。俳句では春の季語。花通草(はなあけび)とも呼ばれます。秋には、楕円形をした淡紫色の実を結びます。果肉は甘く食べられます。なおに通草の実(あけびのみ)は秋の季語になります。

海鳴れり通草も黒き花を垂れ(相生垣瓜人)/花通草山のこだまはすぐ還る(田淵十風子)/あを空や木かげに揺るゝ花通草(太田鴻村)/疱瘡の神にまきつく花通草(冨山いづこ)/雲深し通草の花の雨ためて(安藤甦浪)/奥峯に雨雲かかり花あけび(熊井正蔵)/

4月9日の日記

花冷えの風景|県民健康福祉村

4月9日。気温 7.6 度。今日は三月の平均気温を下回っている。寒いわけだ。満開をやや過ぎた県民健康福祉村の桜もどことなくこごえているようだ。昨日の天気がうそのように今朝の修景池は冷え冷えとしている。今日のような天候を「花冷え」と呼ぶのだろう。今週末の越谷の天気予想は晴れ。気温も四月の平均気温を超えそうなので、花吹雪が舞う中で今春最後のお花見が楽しめそうだ。4月9日。今日の季語は花冷え。

花冷えの明治の校舎屋根に石(木村燕城)

4月7日の季語と俳句4月11日の季語と俳句

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