4月21日の季語と俳句。春も早や招魂祭のころの雨…他

4月21日にふさわしい季語と俳句をより抜きました。●金盞花(きんせんか)…金盞花淡路一国晴れにけり(阿波野青畝)●靖国祭/招魂祭…春も早や招魂祭のころの雨(富安風生)●鰊群来(にしんくき)…どんよりと利尻の富士や鰊群来(山口誓子)――全18句。イベントのお知らせ文や会報の挨拶文などにお使いください。

 

金盞花(きんせんか)

金盞花 金盞花(きんせんか)は、キク科の赤みがかった黄色の花を咲かせ、花壇に植えられたり、房総半島や淡路島などの暖かい地方の畑では切り花用に栽培されています。別名は、カレンデュラ、ポットマリーゴールド。皮膚の炎症を抑える治療薬や料理の着色料として利用されたりもしています。

磯波の泡波伸びつ金盞花(水原秋櫻子)/潮風や島に育てし金盞花(松島正子)/金盞花淡路一国晴れにけり(阿波野青畝)/風波の立つ目立たぬ日金盞花(鈴本真砂女)/摘む声の海へつつぬけ金盞花(鷹羽狩行)/金盞花剪(き)りに明け暮れ島乙女(中川忠治)

宇倍神社麒麟獅子舞

鳥取市の宇倍神社(うべじんじゃ)では、毎年、4月21日の例大祭で、中国に伝わる想像上の動物・麒麟(きりん)を頭(かしら)にした獅子舞(ししまい)が奉納されます。真っ赤な装束に身を包んだ金色の麒麟を頭(かしら)に舞う獅子舞の姿は壮麗。宇倍神社獅子舞(うべじんじゃししまい)の名称で、鳥取県の無形民俗文化財にも指定されています。

 

靖国祭|靖国神社春季例大祭

靖国祭(やすくにまつり)とは、東京都千代田区九段北にある靖國神社で、毎年、4月21日から23日の三日間にわたって執り行なわれる春季例大祭のこと。靖國神社でもっとも重要な祭典で、期間中、境内では、各種奉納芸能のほか特別献華展やさくらそう展などが催されます。なお秋に執り行なわれるのは秋季例大祭といいます。俳句では靖国祭(やすくにさい)という季語のほか招魂祭(しょうこんさい)とも詠まれています。

靖国祭むかしにもどるそばの味(富岡掬池路)/年々の招魂祭の裏の宿(高浜虚子)/玉垣に赤き実あまた靖国祭(市川千鶴子)/矢絣は招魂祭の宵に着る(山口青邨)/春も早や招魂祭のころの雨(富安風生)/招魂祭過ぎし山の手線軌る(久米三汀)

鰊(にしん)

鯡(にしん) ニシン(鰊・鯡)は、普段は沖合いを回遊していますが、春になると、産卵のために北海道沿岸に現れます。かつては、にしん御殿」が建ったといわれるほど大量のニシンが獲れましたが、現在の水揚げ高は最盛期の二百分の一まで落ち込んでいます。北海道に大群で押し寄せるニシンの光景は「鰊群来」(にしんくき)という季語にもなっています。

薫風の御宿鰊御殿前(石塚友二)/どんよりと利尻の富士や鰊群来(山口誓子)/たやさゞる竜神の灯や鰊漁(野本淡月)/刎ね橋の上りしままや鰊来る(殿村菟絲子)/波音や不漁鰊場の犬が吠ゆ(清崎敏郎)/日毎食ふ鰊や蝦夷に住みつくか(相馬遷子)

4月21日の日記

芍薬

4月21日。越谷アリタキ植物園前・緑の公園の西側花壇でピンク色のシャクヤクが咲き始めた。花壇には400株を超えるシャクヤクが植えられているので、見ごろを迎えると、かなりの撮影スポットになる。緑の森公園のシャクヤクはあまり知られていないので、たまたま久伊豆神社やアリタキ植物園に訪れた人たちは、シャクヤクの美しい姿に足を止める。緑の森公園には枝垂れ桜の巨木もあるが、こちらも知る人ぞ知る枝垂れ桜の名木である。枝垂れ桜が葉桜になると西側花壇のシャクヤクが、次は自分たちの番だとばかりに花を咲かせはじめる。4月21日。今日の季語は芍薬(しゃくやく)

芍薬の花を愛でつつひもじけれ(日野草城)

4月19日の季語と俳句4月23日の季語と俳句

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