5月の二十四節気・小満(しょうまん)の時期(5月21日頃から6月4日頃)に手紙やはがきに使える時候の挨拶を七十二候◇第22候・蚕起食桑(5月21日頃から5月25日頃)◇第23候・紅花栄(5月26日頃から5月30日頃)◇第24候・麦秋至(5月31日頃から6月4日頃)――ごとに、季語をまじえて解説していきます。
二十四節気<小満>七十二候(5月21日ごろ~6月4日ごろ)
小満。読み方は「しょうまん」。意味は、万物の命(いのち)がしだいに充ち満ちていくころのこと。立夏(りっか)から15日目、新暦の5月21日ごろにあたります。暦の上で小満というと、5月21日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の芒種(ぼうしゅ)前日まで、5月21日頃から6月4日頃までの期間をいいます。小満の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(5月21日頃から5月25日頃)は蚕起食桑(かいこおきてくわをくう)。次候(5月26日頃から5月30日頃)は紅花栄(べにばなさかう)。末候(5月31日頃から6月4日頃)は麦秋至(ばくしゅういたる)と呼びます。
二十四節気の小満の時期(5月21日頃から6月4日頃)、手紙やはがきの挨拶文に七十二候を使うと、より季節感のある書き出しになります。以下、5月下旬から6月上旬の手紙やはがきに使える時候の挨拶文例を紹介します。
小満・初候(蚕起食桑)5月21日ごろ~5月25日ごろの時候の挨拶
蚕起食桑。「かいこおきてくわをくう」と読みます。蚕(かいこ)が桑の葉をたくさん食べて育つころという意味。二十四節気の小満・初候、七十二候の第22候にあたります。新暦では、5月21日ごろから5月25日ごろまで。この時期(小満・初候)に使える季語は、木の葉採り月(このはとりつき)・鱚(きす)・空豆(そらまめ)・てんとう虫・田毎の月(たごとのつき)など。5月21日頃から5月25日頃に使える時候の挨拶文例…小満の候、/蚕起食桑、カイコが元気に育つ季節になりました。/蚕起食桑の候、/木の葉採り月の候、/キスの旬の季節にになりました。/ソラマメの美味しい季節になりました。/てんとう虫が元気に動き始める季節になりました。/田毎の月の候、/万物が日を浴びて輝く季節になりました。
小満・次候(紅花栄)5月26日ごろ~5月30日ごろの時候の挨拶
紅花栄。読み方は「べにばなさかう」。紅花(べにばな)があたり一面に咲くころという意味です。二十四節気の小満・次候、七十二候の第23候にあたります。新暦では、5月26日ごろから5月30日ごろまで。この時期(小満・次候)の季語は、五月晴れ(さつきばれ)・紅花(べにばな)・車海老(くるまえび)・紫蘇(しそ)・潮干狩り(しおひがり)5月26日頃から5月30日頃に使える時候の挨拶文例…紅花栄、紅花が咲き誇る季節になりました。/紅花栄の候、/紅花が黄色い花を咲かせる季節になりました。/五月晴れのさわやかな季節になりました。/車海老の旬の季節、/五月晴れの抜けるような青空が目に染みる今日この頃、/潮干狩り日和の季節になりました。
小満・末候(麦秋至)5月31日ごろ~6月4日ごろの時候の挨拶
麦秋至。「ばくしゅういたる」と読みます。意味は、黄金色(こがねいろ)に色づいた麦の穂が実るころのこと。二十四節気の小満・末候、七十二候の第24候にあたります。新暦では、5月31日ごろから6月4日ごろまで。この時期に使える季語は、衣替え(ころもがえ)・枇杷(びわ)・四十雀(しじゅうから)・遍羅(べら=倍良)・麦嵐(むぎあらし)など。5月31日頃から6月4日頃に使える時候の挨拶文例…麦秋至、麦畑が黄金色に色づく季節になりました。/麦秋の候、/麦畑が黄金色に染まる季節になりました。/衣替えの季節、/麦嵐の候、/麦の実りの季節、/シジュウカラの鳴き声が初夏を告げる今日この頃、/四十雀の鳴き声に初夏を感じる今日この頃、/ビワの旬の季節になりました。
小満の時候の挨拶を入れたお茶会への招待はがき文例
小満の時候の挨拶を入れたお茶会への招待はがきを作りました。はがきを出すのは5月下旬(5月28日ごろ)。はがきを出す時期の二十四節気は小満。七十二候では小満の次候・紅花栄(べにばなさかう)にあたるので、書き出しには「紅花」(べにばな)という季語を使いました。案内文なので結びの時候の挨拶は省きました。招待はがきの文面は以下のとおり。印刷は縦書きです(上記写真)
紅花が黄色い花を咲かせる季節になりました。お元気でお過ごしのことと思います。さて、ご主人の転勤で名古屋に行った慶子さんが、来月、一週間ほど帰郷することになりましたので、我が家で慶子さんを囲んでお茶会を開きます。日時は六月十一日の土曜日、午後二時から。当日は慶子さんが得意のフルーツパイを焼いてきてくれるそうです。お忙しいとは思いますが、慶子さんを囲んで楽しいひとときを過ごしたいと思いますので、ぜひお越しください。お待ちしています。まずはお知らせまで。