町内会で行なわれる敬老会での挨拶スピーチ例文を三パターン作りました。主催者用二例(基本・簡素)と来賓用。具体的な箇所だけは自分の町内会に置きかえる必要がありますが、そのほかの部分は手直しをしないでそのまま使える原稿になっています。また、何をどういう順番で話すか、という構成のポイントも解説しています。
主催者のあいさつ|基本
みなさま、本日は「敬老の日の集い」にお越しくださいまして、ありがとうございます。ことしもお元気なみなさまをお迎えして敬老会をおこなえますこと、たいへんうれしく思っております。あらためて、みなさまのご健康とご長寿を、心からお祝い申しあげます。みなさまの中には、今も現役でご活躍なさっており、「敬老の日なんてとんでもない」というのが本音のかたもいらっしゃるかもれしません。しかし、きょうは、これまで社会のために尽くしてこられたみなさまに感謝し、ささやかながら慰労する日でございます。
最近、幼稚園や小学校で、みなさまがた大先輩を招いて、竹とんぼ作りを習ったり、お手玉やビー玉・おはじきなど昔の遊びを楽しむ集いなどが催されて、たいへん好評だと、うかがっております。
みなさまの豊富な経験や知恵、技術は、長い時間をかけて獲得されたものでございます。わたしたちも、幼稚園や小学校の例にならって、みなさまがたのお知恵を積極的に活用させていただきながら、しっかりと受け継いでいかなければならないと思います。
どうか、今後とも変わらぬご指導とアドバイスをよろしくお願いいたします。
なお、本日は、みなさまに存分に楽しんでいただこうと、昼食をはさんで、盛りだくさんの企画を用意いたしました。詳しくは、お手元にお配りしましたプログラムをご覧ください。みなさまがたからの歌や踊りの飛び入り参加も歓迎いたしますので、ふるってご参加ください。
それでは、楽しいひとときをごゆっくりとお過ごしください。
格言などは使わないほうがいい。人生の先輩に対して今さら格言でもない。かえって失礼。偉そうに聞こえる。町内会の活動など身近な話題を選んで、感謝の気持ちをすなおに伝えることがポイント。
主催者のあいさつ|簡素
みなさま、本日は、ようこそお越しくださいました。これから、みなさまの長寿を祝って、敬老会を行ないたいと思います。みなさまの中には、今回はじめてこの集いに出席されるかたもいれば、今回が、10回目、あるいは20回目というかたもおられます。
わたしたち主催する側も毎年、新鮮な気持ちで楽しんでいただきたいと、あれこれ知恵を絞ってまいりました。
今年も心ばかりのものをご用意しました。ゆっくりとご歓談なさってください。また、役員が数名、同席していますので、町内会へのご意見やご要望などありましたら、ぜひお聞かせください。
それでは、どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。
上記の緑色の線で囲んだ部分(催しの紹介)のアレンジ文例
今年も心ばかりのものをご用意しました。きょうのお昼のメニューは、特製の仕出し弁当のほかに、ちょっと豪華なデザート、それに少しばかりの御神酒(おみき)です。食事のあとには、女性部の有志による芸能の部も予定しております。
今回は、とびきりの出し物を用意することができました。みなさまもよくご存じの地元出身の演歌歌手・○○さんが、みなさまのために特別に出演してくださることになりました。このほか、お食事やお茶の用意もございます。
来賓のあいさつ
本日、敬老の日を迎えるにあたり、みなさまのご健康とご長寿を、こころからお祝い申しあげます。私は、当地区のゲートボール普及会の会長をつとめております関係から、本日、このおめでたい席にお招きにあずかりました。
最近では、みなさまが楽しまれるスポーツはゲートボールだけではございません。グラウンドゴルフやターゲットバードゴルフ、水泳、ジョギングなど、ひじょうに多様化しております。なかには、夫婦で仲むつまじく、ウオーキングを楽しんでおられるかたもいらっしゃいます。
健康のために生き生きとスポーツにいそしんでおられるお姿を拝見するたびに、わたしもみなさまのように若々しく人生をエンジョイしたいと思っております。
どうかいつまでも健康で長生きしてください。
簡単ですが、わたくしのごあいさつとさせていただきます。
話は短くまとめる。長いスピーチは場がしらける。簡単な自己紹介は必要だが、自分の経歴や活動内容をこと細かにぐだぐだ述べない。参加者に敬意を表した挨拶に徹する。
構成のポイント
敬老会に招かれるのは、65歳以上のお年寄りですが、今は外見が若々しいだけでなく、仕事もまだ現役という人も多いので、過分な年寄扱いは禁物。参加者を尊敬する気持ちをうまく表現すること。なによりも思いやりが大切。家族と仲よく暮らす方や一人暮らしの方など、集まった人の境遇はさまざま、ということを忘れずに、話をすること。主催者のあいさつの構成のポイントは次の五点です。
- 開会の言葉
- 祝福の言葉
- 催しの紹介
- 今後へのお願い
- 結びの言葉
(1)開会の言葉
まずあいさつをして、出席してもらったことへのお礼を述べる。「おじいちゃん」「おばあちゃん」など、相手を年寄扱いした、なれなれしい言葉は慎む。(2)祝福の言葉
人生の先輩へ、心からお祝いの気持ちを伝える。身近なエピソードなどを例にあげながら、先達の知恵の尊さを語る。ここは、スピーチの中心部分でもあるので、大きな声でゆっくりと話す。ちゃんと敬語を使えば、多少ユーモラスな話題を入れてもかまわない。ただし、その場合は「お年寄りに通じる笑い」を心がける。(3)催しの紹介
プログラムを説明し、参加者の関心や期待を高めて、会場の雰囲気を盛りあげる。(4)今後へのお願い
これからも元気に活躍してほしい旨を伝える。若い人への激励ではなく、年長者への期待をあらわす言葉なので、押しつけがましくならないように注意する。(5)結びの言葉
くつろぎや歓談を呼びかける言葉で締めくくる。