秋の二十四節気・処暑(しょしょ)の時期(8月23日頃から9月6日頃)に手紙やはがきに使える時候の挨拶を七十二候◇第40候・綿柎開(8月23日頃から8月27日頃)◇第41候・天地始粛(8月28日頃から9月1日頃)◇第42候・禾乃登(9月2日頃から9月6日頃)――ごとに、季語をまじえて解説していきます。
二十四節気<処暑>七十二候(8月23日ごろ~9月6日ごろ)

処暑の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(8月23日頃から8月27日頃)は綿柎開(わたのはなしべひらく)。次候(8月28日頃から9月1日頃)は天地始粛(てんちはじめてさむし)。末候(9月2日頃から9月6日頃)は禾乃登(こくのものみのる)と呼びます。
二十四節気の処暑の時期(8月23日頃から9月6日頃)、手紙やはがきの時候の挨拶文に七十二候を入れると、季節感のある書き出しになります。以下、8月下旬から9月上旬の手紙やはがきに使える季節の挨拶文例を紹介します。
処暑・初候(綿柎開)8月23日ごろ~8月27日ごろの時候の挨拶

この時期(処暑・初候)に使える季語は、綿花(めんか)・酢橘(すだち)・カサゴ・伊奈の綱火(いなのつなび)・吉田の火祭り(よしだのひまつり)・カボス・青柚子(あおゆず)など。
8月23日頃から8月27日頃に使える時候の挨拶文例…綿柎開の候、/向秋の候、/朝夕はだいぶ過ごしやすくなってまいりました。/秋暑の候、/夏休みもあとわずか。宿題の追い込みの時期になりました。/例年になく急に涼しくなってきました。
処暑・次候(天地始粛)8月28日ごろ~9月1日ごろの時候の挨拶

この時期(処暑・次候)の季語は、二百十日(にひゃくとおか)・八朔(はっさく)・葡萄(ぶどう)・野分(のわき)・シログチ(関東ではイシモチと呼ばれている魚)・大曲の花火(秋田県)・ワレモコウ(吾亦紅・吾木香)・防災の日・関東大震災記念日など。
8月28日頃から9月1日頃に使える季節の挨拶文例…天地始粛の候、/新涼の候、/少しずつ秋が近づいてまいりました。/今年も関東大震災記念日がやってきました。/まもなく二百十日。今年は台風の当たり年だとか。/九月の声を聞くというのに残暑はまだ収まる気配がありません。/夜はだいぶしのぎやすくなってきました。
処暑・末候(禾乃登)9月2日ごろ~9月6日ごろの時候の挨拶

この時期(処暑・末候)に使える季語は、禾(のぎ)・鰯(いわし)・無花果(いちじく)・キンエノコロ(金狗尾)・松虫(まつむし)・シマアジ・薪里芋(しんさといも)・新米(しんまい)・秋刀魚(さんま)など。
9月2日頃から9月6日頃に使える時候の挨拶文例…禾乃登の候、/新秋の候、/日中はまた夏の名残を感じますが、ようやく秋めいてまいりました。/初秋とは名ばかりの残暑厳しい今日この頃、/朝晩は冷え込むようになってきました。/イチジクの美味しい季節、/夜は虫の声が聞こえる季節になりました。
処暑の時候の挨拶を入れた案内ハガキ文例(お茶会に誘う)

はがきの文面は以下のとおり。印刷は縦書きです(上記写真)
綿柎開、綿花の開く季節になりました。お元気でお過ごしのことと思います。さて、このたび左記の場所と日程で、結婚三十周年(真珠婚式)を迎えた福田ご夫妻を囲んでお茶会を開くことになりました。メンバーは無花果の会。場所は東武線・北越谷駅西口から徒歩約三分のところにあるカフェ・ピエロ。日時は九月三十日(金)午前十一時から午後一時まで。参加費用二千円(福田ご夫婦への記念品代も含みます)。お忙しいとは思いますが、福田ご夫婦を囲んで楽しいひとときを過ごしたいと思います。ぜひご出席ください。まずはご案内まで。