8月の二十四節気・立秋(りっしゅう)の時期(8月7日頃から8月22日頃)に手紙やはがきに使える時候の挨拶を七十二候◇第37候・涼風至(8月7日頃から8月11日頃)◇第38候・寒蝉鳴(8月12日頃から8月16日頃)◇第39候・蒙雨升降(8月17日頃から8月22日頃)――ごとに、季語をまじえて解説していきます。
二十四節気<立秋>七十二候(8月7日ごろ~8月22日ごろ)
立秋。読み方は「りっしゅう」。秋の気配がほの見えるころという意味です。暦の上で立秋というと、8月7日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の処暑(しょしょ)前日まで、8月7日頃から8月22日頃までの期間をいいます。立秋の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(8月7日頃から8月11日頃)は涼風至(りょうふういたる)。次候(8月12日頃から8月16日頃)は寒蝉鳴(ひぐらしなく)。末候(8月17日頃から8月22日頃)は蒙雨升降(のうむしょうこうす)と呼びます。
二十四節気の立秋の時期(8月7日頃から8月22日頃)、手紙やはがきの挨拶文に七十二候を使うと、より季節感のある書き出しになります。以下、8月上旬から8月下旬の手紙やはがきに使える時候の挨拶文例を紹介します。
立秋・初候(涼風至)8月7日ごろ~8月11日ごろの時候の挨拶
涼風至。「りょうふういたる」と読みます。「すずかぜいたる」とも読まれます。暑い風の中に涼しい秋の風が立ち始めるころという意味。二十四節気の立秋・初候、七十二候の第37候にあたります。新暦では、8月7日ごろから8月11日ごろまで。この時期(立秋・初候)に使える季語は、立秋(りっしゅう)・秋隣(あきとなり)・なら燈花会(とうかえ)・露草(つゆくさ)・桃(もも)・蜆(しじみ)・仙台七夕まつり・向日葵(ひまわり)・蚊取り線香・日射病・熱射病など
8月7日頃から8月11日頃に使える時候の挨拶文例…涼風至の候、/残暑の候、/暑い風の中にも時折涼しい風を感じ始めた今日この頃、/立秋の候、/立秋とは名ばかり。毎日うだるような残暑が続いています。/残暑お見舞い申し上げます。
立秋・次候(寒蝉鳴)8月12日ごろ~8月16日ごろの時候の挨拶
寒蝉鳴。読み方は「ひぐらしなく」。ヒグラシが鳴き始めるころという意味です。二十四節気の立秋・次候、七十二候の第38候にあたります。新暦では、8月12日ごろから8月16日ごろまで。この時期(立秋・次候)の季語は、ヒグラシ・灯篭流し・メゴチ(ネズミゴチ)・ほおずき・諏訪湖祭湖上花火大会・五山の送り火・終戦記念日・旧盆・お盆・精霊流し・迎え火・送り火・盆踊り・浴衣・うちわ・下駄・郡上おどり・阿波踊り(徳島市)など。
8月12日頃から8月16日頃に使える時候の挨拶文例…寒蝉鳴の候、/秋暑の候、/ヒグラシの鳴く季節になりました。/今年も終戦記念日がやってきました。/暦の上では秋ですが、厳しい残暑が続いています。/今年もお盆は故郷でお過ごしですか?/帰省ラッシュが続いています。
立秋・末候(蒙雨升降)8月17日ごろ~8月22日ごろの時候の挨拶
蒙雨升降。「のうむしょうこうす」と読みます。「ふかきりりまとう」とも読まれます。意味は、深い霧が立ちこめるころのこと。二十四節気の立秋・末候、七十二候の第39候にあたります。新暦では、8月17日ごろから8月22日ごろまで。この時期(立秋・末候)に使える季語は、旱星(ひでりぼし)・樹雨(きさめ)・水引(みずひき)・新しょうが・オンブバッタ・マダコ・台風・ツクツクボウシ・梨(なし)・葡萄(ぶどう)・トウモロコシ・日焼け・土用波・クラゲなど。
8月17日頃から8月22日頃に使える時候の挨拶文例…蒙雨升降の候、/晩夏の候、/新涼の候、/立秋とは名ばかり。酷暑の毎日ですが、/夏休みも後半に入りました。/新涼の季節とはいえ、記録的な残暑が続いています。/梨の美味しい季節、/例年になく涼しい残暑を向かえています。
残暑見舞いの返事|返信はがき文例(知人宛)
立秋を過ぎると時候の挨拶は暑中見舞いから残暑見舞いになります。8月の中旬に知人から届いた残暑見舞いの返信はがきを作りました。前文は「残暑見舞い、ありがとうございました」とし、結びには「厳しい残暑が続いていますが」という言葉を使いました。はがきの文面は以下のとおり。印刷は縦書きです(上記写真)
残暑見舞い、ありがとうございました。今年の猛暑はいつまで続くのでしょうか。夕立もこの暑さは抑えてくれないようです。田代さんは今年の夏休みは沖縄に行かれたんですか? 本部町というとフクギ並木と瀬底ビーチが有名ですね。あとは沖縄そばかな。のんびりと英気を養えたのではないでしょうか。今度お話をお聞かせください。厳しい残暑が続いていますが、くれぐれもご自愛ください。