食中毒菌の種類(細菌・ウィルス)と発生時期

食中毒菌の種類と発生時期についてまとめました。食中毒菌の種類は大別すると細菌とウィルス。冬に多いのがウィルスによる食中毒。梅雨から夏場にかけて増えるのが細菌による食中毒。以下、食中毒の原因となる菌の種類と食中毒と食あたりの違いについても解説してきます。

 

食中毒の発生時期

鶏肉 2015年の食中毒の月別発生件数を見てみると、冬に多いのがノロウィルスなどのウィスルによる食中毒で、夏にかかけて猛威を振るうのが細菌による食中毒です(厚生労働省「平成27年(2015年)食中毒発生状況」より)

食中毒菌の種類(細菌・ウィルス)

ひとくちに食中毒といってもその原因となるウィルスや細菌はたくさんあります。主に冬場に食中毒の原因となるノロウィルスなどウィルスの種類は4種類程度。それに比べ、6月から夏場にかけて食中毒を引き起こす細菌はウィルスの約5倍、なんと20種類以上もあるんです。

食中毒菌(細菌)の主な種類…サルモネラ属菌/腸炎ビブリオ/ウェルシュ菌/カンピロバクター・ジェジュニ/カンピロバクター・コリ/コレラ菌/パラチフスA菌/エロモナス・ソブリア/エロモナス・ヒドロフィラ/ ビブリオ・フルビアリス/ブドウ球菌/腸管出血性大腸菌/セレウス菌/赤痢菌/プレシオモナス・シゲロイデス/リステリア・モノサイトゲネス/ボツリヌス菌/エルシニア・エンテロコリチカ/ナグビブリオ/チフス菌/その他の病原大腸菌

食中毒菌(ウィルス)の主な種類…ノロウィルス/サッポロウィルス/ロタウィルス/A型肝炎ウィルス/その他

食中毒と食あたりの違いについて

ところで、食中毒と食あたり、その違いは何でしょうか? 食中毒とは、口の中に有毒または有害な食中毒菌もしくはその他の毒物などが入ることで起きる胃腸症のことをいいます。症状としては嘔吐(おうと)・吐き気・下痢などがみられます。腹痛や発熱は食中毒の随伴症状になります。

食中毒と食あたりはいっしょにされがちですが、じつは「食あたり」というのは正式な医学用語ではありません。食あたりは、食べ物によって起きる胃腸症状のことで、食べ過ぎや食べ合わせになって起きる腹痛もあれば下痢もあります。

食中毒と食あたり、症状は似ていますが、食中毒は重症化すると死に至るケースもあります。近年起こった食中毒による死亡例を見てみると、ユッケやローストビーフなど牛肉の腸管出血性大腸菌が原因で、6人もの人が命を落としています。

食材は新鮮だからといって安心しないこと

食中毒菌は目に見えません。臭いでも分かりません。ですから肉・魚・野菜をはじめどんな食材でも食中毒菌はいるかもしれないと思ってください。だかこそ、食材は新鮮だからといって安心しないことが大切です。
 
食材は
新鮮だからといって安心しないこと!

 
新鮮であっても魚や野菜にはもともと食中毒菌が付いていたり、肉は加工段階で食中毒菌が付着してしまうこともあります。その菌が調理の過程で広がったり、保存の仕方で菌が増殖するなど、食中毒を引き起こす危険はつねに潜んでいます。

食中毒予防のポイント

 

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