パック肉や作り置きのカレーには食中毒の危険性が潜んでいます。

パックされた肉や魚などの保存方法や作り置きのカレーを再加熱するときの注意点をまとめました。冷蔵庫や冷凍庫で保存しても食中毒菌は死にません。むしろ菌が増殖してしまうこともあります。作り置きのカレーも同様。カレーが大好きな食中毒菌もいるんです――

 

食中毒をまねく冷凍・冷蔵保存の落とし穴

食材(肉) 夏は冷蔵庫や冷凍庫で保存すれば安心と思っているかたも多いようですが、それは禁物です。ついついいスーパーで買ってきたパックの食材をすぐに使わないからと、そのまま冷蔵庫や冷凍庫に入れていませんか? そこには食中毒をまねく意外な落とし穴があるんです。

それは肉や魚などから溶け出すドリップ。肉の場合は肉汁(にくじゅう)とも呼ばれています。魚の場合は体液とも呼ばれますがドリップのほうが一般的です。じつはこのドリップ、食中毒菌の大好物なんです。


ドリップには肉や魚の栄養分と水分がいっぱい。冷蔵庫に入れておいても放っておけばドリップから食中毒菌が繁殖してしまう危険性があるんです。

パックされた肉や魚を適切に保存する方法

パックされた肉や魚を適切に保存する方法をご紹介します。

すぐに調理をしない食材も、まずキッチンペーパーでドリップをしっかり拭き取ります。その後、一枚一枚ラップでピタッとくるんでおくと、食材の乾燥を防げるだけでなく、次に使うときも便利です。
 
肉や魚を保存するときは
ドリップをしっかり拭き取ること!

 
また、余った食材をパックに置いたままラップして冷蔵庫に入れるのは危険です。その場合は、ドリップを拭き取ったあとに、未使用のポリエチレン袋を手袋のようにして使い、食材に触れずにピタッとくるんで保存すること。

さらに、冷凍保存するときはアルミの板を活用するのがおすすめ。アルミの板の上に置くとすみやかに食材の温度が下がるので食中毒菌の増殖を抑えることができます。

夏場はカレーを常温保存するのはとっても危険

カレーライス 多めに作って翌日も食べる料理といえばカレー。ひと晩寝かせたカレーはおいしいといいますが、じつは作り置きのカレーにも食中毒を起こす危険性があるんです。とくに危ないのが梅雨時から夏にかけての時期。6月はまだ夏じゃないから大丈夫、と思っていたら大間違い。鍋のままカレーを常温保存することはとっても危険なんです。

カレーやシチューなどにはウエルシュ菌という食中毒菌が潜んでいます。ウェルシュ菌は野菜や肉などどこにでもいる食中毒菌で、カレーやシチューなど、とろみがある料理が大好き。付着すると一気に増えるので注意が必要です。

さらにウエルシュ菌は酸素のない状態を好むので、カレーを鍋のまま置いておくと、鍋の底のほうで爆発的に増殖することがあるんです。ウェルシュ菌の増殖温度は20度から55度。しかも空気に触れない状態で、常温で放置すると、ひと晩で爆発的に増えてしまいます。

作り置きのカレーを再加熱するときは注意が必要

だからこそ作り置いたカレーなどを再加熱するときには注意が必要です。再加熱したとき鍋の底からコポッと水蒸気が出てくると沸騰したと思って火を止めてしまうかたがいらっしゃいますが、これは大きな落とし穴。

この状態では、まだカレー全体が沸騰に至っていないので、鍋の底でウエルシュ菌が増殖していく危険性があります。なので、鍋の底からしっかりカレー全体をかき混ぜ、酸素をきちっと入れて、加熱もじゅうぶんに行なうことが必要です。
 
カレーを再加熱するときは
100度で15分以上の加熱をすれば安心!
 
鍋全体をよくかき混ぜながら100度で15分以上加熱すれば安心です。

食中毒予防のポイント

 

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