寒露の期間と時候の挨拶文|鴻雁来・菊花開・蟋蟀在戸

秋の二十四節気・寒露(かんろ)の時期(10月8日頃から10月22日頃)に手紙やはがきに使える季節の挨拶を七十二候◇第49候・鴻雁来(10月8日頃から10月12日頃)◇第50候・菊花開(10月13日頃から10月17日頃)◇第51候・蟋蟀在戸(10月18日頃から10月22日頃)――ごとに、季語をまじえて解説していきます。

 

二十四節気<寒露>七十二候(10月8日ごろ~10月22日ごろ)

紅葉 寒露。読み方は「かんろ」。露が冷たくなってくる季節のこと。秋も深まり紅葉シーズン真っ只中。野の草に宿る露が霜に変わっていく季節でもあります。暦の上で寒露というと、10月8日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の霜降(そうこう)前日まで、10月8日頃から10月22日頃までの期間をいいます。

寒露の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(10月8日頃から10月12日頃)は鴻雁来(こうがんきたる)。次候(10月13日頃から10月17日頃)は菊花開(きくのはなひらく)。末候(10月18日頃から10月22日頃)は蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)と読みます。

二十四節気の寒露の時期(10月8日頃から10月22日頃)、手紙やはがきの時候の挨拶に七十二候を入れると季節感のある書き出しになります。以下、10月上旬から10月下旬の手紙やはがきに使える季節の挨拶文例を紹介します。

寒露・初候(こうがんきたる)10月8日ごろ~10月12日ごろの時候の挨拶

雁 鴻雁来。「こうがんきたる」または「がんきたる」と読みます。雁が北から渡ってくるころという意味。その年に初めて訪れる雁のことを「初雁」(はつかり)といいます。鴻雁来は、二十四節気の寒露・初候、七十二候の第49候にあたります。新暦では、10月8日ごろから10月12日ごろまで。

この時期(寒露・初候)に使える季語は、菊・ししゃも・しめじ・初雁(はつかり)・ナナカマド・長崎くんち・青北風(あおきた)・雁渡し(がんわとし)・帰燕(きえん)・雁列(がんれつ)・体育の日・雁の棹(かりのさお)・雁行(がんこう)など。

10月8日頃から10月12日頃に使える時候の挨拶文例…鴻雁来の候、/菊薫る季節となりました/ナナカマドの実が赤く色づく季節になりました。/燕が帰り雁がやってくる季節になりました。/寒露を過ぎ、朝夕はめっくり冷え込んできました。/山粧う季節の到来、

寒露・次候(菊花開)10月13日ごろ~10月17日ごろの時候の挨拶

菊 菊花開。読み方は「きくのはなひらく」。「きっかひらく」とも読みます。菊の花が咲き始めるころという意味です。各地では菊の展示会や品評会が行なわれる季節でもあります。二十四節気の寒露・次候、七十二候の第50候にあたります。新暦では、10月13日ごろから10月17日ごろまで。

この時期(寒露・次候)の季語は、菊枕(きくまくら)・菊晴れ(きくばれ)・ハタハタ・栗・菊の節句・重陽(ちょうよう)の節句・ドングリ・松茸・菊人形・菊細工・菊膾(きくなます)・神嘗祭(かんなめさい)など。神嘗祭は、その年に収穫された米の初穂を天照大神(あまてらすおおみかみ)に捧げる伊勢神宮のお祭り。

10月13日頃から10月17日頃に使える季節の挨拶文例…菊花開の候、/ハタハタの美味しい季節になりました。/澄み渡る菊晴れの空に秋の風情を感じる今日この頃/今年も松茸の季節がやってきました。/菊の花が美しい季節になりました。/実りの秋を迎え、いかがお過ごしですか?/神嘗祭の季節になりました。

寒露・末候(蟋蟀在戸)10月18日ごろ~10月22日ごろの時候の挨拶

キリギリス 蟋蟀在戸。「きりぎりす、とにあり」と読みます。キリギリスが戸口で鳴くころという意味。虫の音に秋の風情を感じる季節です。二十四節気の寒露・末候、七十二候の第51候にあたります。新暦では、10月18日ごろから10月22日ごろまで。

この時期(寒露・末候)に使える季語は、コオロギ・キリギリス・機織虫(はたおりむし)・鯖(さば)・柿・真鶴(まなづる)・銀杏(ぎんなん)・零余子(むかご)・鞍馬の火祭(くらまのひまつり)など。鞍馬の火祭とは、毎年10月22日に京都の由岐神社(ゆきじんじゃ)で行なわれる例祭。かがり火か焚かれた街中を松明(たいまつ)を持った氏子が神社の山門を目指して練り歩きます。

10月18頃から10月22日頃に使える時候の挨拶文例…蟋蟀在戸の候、/秋鯖の美味しい季節にになりました。/柿の色づく季節になりました。/虫の音が秋の深まりを告げる今日この頃、/銀杏の実が秋の深まりを感じさせる季節になりました。/今年も真鶴がやってくる時期になりました。/京都の由岐神社では鞍馬の火祭りが始まります。

寒露の時候の挨拶を入れた喜寿を祝う会の案内はがき文例

喜寿を祝う会の案内はがき 喜寿を祝う会の案内はがきを作りました。はがきを出すのは10月中旬(10月15日ごろ)。二十四節気は寒露。七十二候では寒露の次候・菊花開(きくのはなひらく)にあたります。

案内はがきの文面は以下のとおり。印刷は縦書きです(上記写真)

菊花開の候、いかがお過ごしでしょうか。さて、このたび左記の場所と日程で、今月、七十七歳を迎えた橋本先生の喜寿を祝う会を行なうことになりました。メンバーは皐月の会・一期生。場所は京王線・調布駅北口から徒歩約五分のカフェ・水庵。日程…十月二十八日(金)時間…午後二時から午後四時。参加費は四千円。橋本先生の記念品代を含みます。ぜひご出席ください。まばすご案内まで。
秋分の挨拶文(寒露の前)|(寒露の次)霜降の挨拶文

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