カビの種類と発生場所|三大カビは黒カビ・青カビ・コウジカビ

現在、世界的に分かっているだけでも8万種から10万種のカビがいるといわれています。よく知られているのは黒カビ・青カビ・コウジカビ。この三つは家の中に潜む三大カビ。ひとくちにカビといっても毒性のあるものから体によいカビまで千差万別。そもそもカビって何? ということで、カビの種類や発生場所などをまとめました。カビのことをよく知れば、正しいカビ対策も生まれてきます。

 

家の中に潜む三大カビとは?

カビの生えたミカン 家の中に潜む三大カビとは、①浴槽や衣類などに発生する黒カビ。②食品や畳・埃(ほこり)などに発生する青カビ。③革製品や食品などに発生するコウジカビ――のことをいいます。これらのカビの中には生活に役立つ良いカビもいるんです。

たとえば、味噌であったり、しょう油・お酒・みりん・焼酎など、これらはみんな麹菌(こうじきん)の恩恵を受けている食品です。黴(かび)は日本人の食生活にとっては、なくてはならない重要な微生物でもあります。

1929年、餅やミカンなどに生える青カビの中から発見されたのが抗生物質のペニシリン。感染症治療に用いられ、多くの感染症患者の命を救ってきたことは世界的に知られています。医薬品の製造にもカビは利用されてきました。

カビは進化した微生物

カビは食中毒菌などの細菌よりも進化した微生物です。その特徴は、菌糸(きんし)と胞子(ほうし)から成り立っていて、菌糸と胞子が増殖に貴重な役割を果たしています。カビは、菌糸の先端からホコリや水分を吸収して胞子を作り、広がっていきます。菌糸から作られたたくさんの胞子が空中に飛び散って増え続けていくんです。

カビの主な発生場所

カビの発生場所というと、お風呂場や洗面所・台所など水分がある場所を思い浮かべがちですが、カビが発生するのは必ずし水回りだけではありません。見えない意外な場所にもカビはいるんです。

その場所は寝室です。真実は意外にハウスダストが溜まりやすく、掃除が行き届いていないことも多く、しかも一日のうちでいちばんじっとしている場所。しかも寝ている間そこの空気を吸い続けている状態です。マンションなどの寝室は、北側や北西など湿気の多い場所に寝室が設けられていることも多く、寝室はカビの生えやすい場所のひとつです。

また、畳にカーペットを敷いているケース。これは畳に湿気を与えてしまい、いちばんカビが生えやすい原因になります。悪いことにこの状態(畳にカーペットを敷いている状態)というのは、畳のい草(いぐさ)の中にカビが入り込んでしまうので、そのカビを食べるダニが増えるという危険性もはらんでいます。そうすると、カビとダニのダブルパンチでアレルギーの原因が増えるということになります。

クローゼットも通気性が悪い場所。そして布団をしまっている押入れ。汗や湿気を含んでいる布団はカビの温床になりやすいので要注意です。カーテンは結露する窓と接しているので黴の好物である湿気がいっぱい。本棚もホコリを放置しがちな場所です。そのほかリビングのソファーやぬるいぐるみなどもホコリが溜まりやすいのでカビが発生する原因になりがちです。
 
カビの好きな場所
・ 寝室
・ カーペットを敷いている畳
・ 布団をしまっている押入れ
・ ぬいぐるみ
・ リビングのソファー
・ カーテン
・ 観葉植物の土
・ 本棚
・ クローゼット
・ お風呂場
・ 洗面所
・ 台所

見過ごしてはいけないのは浮遊カビ

室内のあらゆる場所に発生しているカビ。湿気を好むカビもいれば乾燥に強いカビもいます。こうしたさまざまなカビが部屋の空気中に浮遊しているのが浮遊カビ(ふゆうかび)。じつは浮遊カビこそ見過ごしてはいけないカビなんです。

通常、室内のカビの数は、1メートル四方に1,000個以下が平均値。湿気やホコリの多い部屋には、2,000個、3,000個と、平均値の2倍以上ものカビが潜んでいることもあります。こうした浮遊カビをたくさん吸い込んでしまうと、鼻炎やアレルギー症状を起こす原因にもなるので要注意です。

浮遊カビを増殖させないためには、日ごろのこまめな掃除と換気が必要です。

カビの生えた食べ物は大丈夫?

 

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