二十四節気<穀雨>七十二候と季節の挨拶文(4月20日~5月4日)

4月の二十四節気・穀雨(こくう)の時期(4月20日頃から5月4日頃)に手紙やはがきに使える時候の書き出し文を七十二候◇第16候・葭始生(4月20日頃から4月24日頃)◇第17候・霜止出苗(4月25日頃から4月29日頃)◇第18候・牡丹華(4月30日頃から5月4日頃)――ごとに、季語や季節の挨拶文をまじえて解説していきます。

 

二十四節気<穀雨>七十二候(4月20日ごろ~5月4日ごろ)

畑 穀雨。読み方は「こくう」。穀物の生長に欠かせない春の雨が降り注ぐころのこと。新暦の4月20日ごろにあたります。暦の上で穀雨というと、4月20日ごろから次の二十四節気(にじゅうしせっき)の立夏(りっか)前日まで、4月20日頃から5月4日頃までの期間をいいます。
 
穀雨は春の最終節気
穀雨の終わりには夏の始まりを告げる八十八夜(はちじゅうはちや)を迎えます。八十八夜とは立春から88日目にあたる日で、八十八夜を境に農作業が本格化します。

 
穀雨の時期を三つに分けた七十二候(しちじゅうにこう)では、初候(4月20日頃から4月24日頃)は葭始生(あしはじめてしょうず)。次候(4月25日頃から4月29日頃)は霜止出苗(しもやんでなえいず)。末候(4月30日頃から5月4日頃)は牡丹華(ぼたんはなさく)と呼びます。

二十四節気の穀雨の時期(4月20日頃から5月4日頃)、手紙やはがきの挨拶文に七十二候を使うと、より季節感のある書き出しになります。以下、4月下旬から5月上旬の手紙やはがきに使える時候の挨拶文例を紹介します。

穀雨・初候(葭始生)4月20日ごろ~4月24日ごろの季節の挨拶

葦 葭始生。「あしはじめてしょうず」と読みます。水辺の葦(あし)が芽吹き始めるころという意味。二十四節気の穀雨・初候、七十二候の第16候にあたります。新暦では、4月20日ごろから4月24日ごろまで。この時期(穀雨・初候)に使える季語は、春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)・新ごぼう・チューリップ・鯵(あじ)・葦牙(あしかび)など。

4月20日頃から4月24日頃に使える時候の挨拶文例…葭始生、水辺の葦が芽吹き始める季節になりました。/葭始生の候、/水辺の葦が芽を吹きはじめる今日この頃、/葦牙の候、/葦の若芽が芽吹く季節、/春眠暁を覚えず、/新ごぼうの旬の季節になりました。/三番咲きのチューリップが花開く季節になりました。/水ぬくむ春、水辺の葦が芽を吹き始める季節になりました。

穀雨・次候(霜止出苗)4月25日ごろ~4月29日ごろの季節の挨拶

蓬 霜止出苗。読み方は「しもやんでなえいず」。暖かくなり、霜も降りなくなり、苗がすこやかに育つころという意味です。二十四節気の穀雨・次候、七十二候の第17候にあたります。新暦では、4月25日ごろから4月29日ごろまで。この時期(穀雨・次候)の季語は、糸撚魚(いとより)・蓬(よもぎ)・草餅(くさもち)・五風十雨(ごふうじゅうう)・種籾(たねもみ)など。

4月25日頃から4月29日頃に使える季節の挨拶文例…霜止出苗、苗が健やかに育つ季節になりました。/霜止出苗、種籾がすくすくと伸びていく季節になりました。/霜止出苗の候、/霜止んで苗出ず、暖かさも増してまいりました。/イトヨリの旬の季節になりました。/ヨモギが青々と伸び始めた今日この頃、/草餅が店頭に並ぶ季節になりました。/五風十雨の候、/五風十雨、気持ちのいい陽気が続く今日この頃、/

穀雨・末候(牡丹華)4月30日ごろ~5月4日ごろの季節の挨拶

牡丹 牡丹華。「ぼたんはなさく」と読みます。意味は、牡丹(ぼたん)の花が咲き始めるころのこと。二十四節気の穀雨・末候、七十二候の第18候にあたります。新暦では、4月30日ごろから5月4日ごろまで。この時期に使える季節の言葉は、八十八夜・屈(こごみ=クサソテツ)・サザエ・牡丹(ぼたん)・八十八夜の忘れ霜など。

4月30日頃から5月4日頃に使える時候の挨拶文例…牡丹華、牡丹の花が咲き始める季節になりました。/牡丹華、ボタンが華やかに咲く季節になりました。/牡丹華の候、/八十八夜も間近、/こごみが八百屋の店頭に並ぶ季節になりました。/サザエの美味しい季節、/牡丹が開花を迎え春もいよいよ本番、/天香国色、ボタンが見頃を迎えた今日この頃、/

穀雨の時候の挨拶を入れた退院報告はがき文例

退院報告はがき文例 穀雨の時候の挨拶を入れた退院報告はがきを作りました。はがきを出すのは5月上旬(5月1日過ぎごろ)。はがきを出す時期の二十四節気は穀雨。七十二候では穀雨の末候・牡丹華(ぼたんはなさく)にあたるので、書き出しには「牡丹」、結びには「八十八夜の忘れ霜」という季語を使いました。

はがきの文面は以下のとおり。印刷は縦書きです(上記写真)

牡丹が華やかに咲く季節になりました。お元気でお過ごしのことと存じます。さて、おかげさまで、私の肺炎もようやく快方に向かい、四月十日に退院いたしました。三週間ほど自宅療養を続け、医者からももう大丈夫とのお墨付きももらえ、すっかり元気になりました。入院中のご好意に感謝し、全快のご報告とさせていただきます。気持ちのいい陽気が続きますが、八十八夜の忘れ霜の言葉もございます。くれぐれもご自愛ください。追伸…入院中、お見舞いをいただきありがとうございました。快気のしるしに粗品を別送させていただきました。ご笑納いただければ幸いです。



清明の挨拶文(穀雨の前)|(穀雨の次)立夏の挨拶文


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