越ヶ谷宿の甲冑めぐりガイドツアー<2019>に参加してきました。

2019年5月4日(土)。埼玉県越谷市の越ヶ谷宿の甲冑めぐり・まちめぐりガイドツアーに参加した様子を写真や動画とともにご紹介します。越谷市・旧日光街道周辺(越ヶ谷宿=こしがやじゅく)の古民家や商店に飾られている五月人形や鎧兜(よろいかぶと)を見学したり越谷の史跡や名所など、13箇所を巡ってきました。

 

越ヶ谷宿の甲冑めぐりガイドツアー|2019年5月4日

越ヶ谷宿の甲冑めぐりガイドツアー 今年(2019年)で7回目を迎える「日光街道越ヶ谷宿 春の宿場まつり 甲冑めぐり」(主催:旧日光街道越ヶ谷宿を考える会/共催:越谷市郷土研究会・越谷商工会議所・旧日光街道沿いの商店)。開催期間は4月27日(土)から5月5日(日)までの9日間。甲冑めぐり期間中、まちめぐりガイドツアーが行なわれるのは5月4日(土)と5月5日(日)の二日間。私は初日の5月4日(土)午前の部に参加しました。

10:00 集合(ガーヤちゃんの蔵屋敷:越谷駅東口)

ガーヤちゃんの蔵屋敷(越谷駅東口) 集合は東武伊勢崎線・越谷駅東口「ガーヤちゃんの蔵屋敷」前。ガーヤちゃんの蔵屋敷は2017年5月21日にオープンした越谷市の観光物産拠点施設です。まちめぐりガイドツアーの参加人数は4人。ガイドスタップ3人。参加費500円(事前予約制)。ガイドスタッフは、NPO法人越谷市郷土研究会のみなさん。今回のツアー行程の概要が説明されてツアー出発。

10:05 越ヶ谷駅停車場新設記念碑

越ヶ谷駅停車場新設記念碑 最初に向かったのは、越谷駅東口ロータリーにある越ヶ谷駅停車場新設記念碑。大正9年(1920年)4月に開設された越谷駅(東武鉄道)が平成11年(1999年)に高架線になって改築されたのを記念して建てられた記念碑です。石碑の正面には「越ヶ谷駅停車場新設記念」と彫られています。当時は「越ヶ谷駅」ではなく「越ヶ谷停車場」と呼ばれていました。

10:15 新町八幡神社

八幡神社 2番目に訪れたのは八幡神社(越谷市越ヶ谷2-2-16)。江戸時代に宿場町として栄えた越ヶ谷宿は、本町・新町・中町の三つに区画されていて、この八幡神社は新町にあったことから「新町八幡神社」(しんまちはちまんじんじゃ)とも呼ばれています。建立されたのは約660年前、南北朝時代の文和2年(1353年)ごろと伝えられています。八幡神社の鳥居からは本殿越しに越谷ツインシティか見えます。江戸時代の人が見たら驚くでしょうね。

10:20 羊毛と古道具の店ソウイ

羊毛と古道具の店ソウイ(店先) 八幡神社の鳥居を出て、20メートルほど先に、お店がありました。青い軒先テントに羊毛らしきものが吊るされています。毛糸屋さんかな。

羊毛と古道具の店ソウイ(越谷市越ヶ谷) お店の名前は「ソウイ」。2017年5月末に開店。羊の原毛や古道具の販売のほかに羊毛の紡ぎ・フェルト・織り・染色などのワークショップも随時行なっているそうです。住所は越谷市越ヶ谷2-2-21 田中ビル1F。越ヶ谷駅東口から徒歩約5分。

羊毛と古道具の店ソウイ(店内) 店内は、いろいろな羊毛や古道具で埋め尽くされています。テーブルの上には手織り機も置かれています。手芸が好きな女性は間違いなくはまりそうですね。今回のまちめぐりガイドツアーに参加した女性は「日を改めてぜひおじゃましたい」と、おっしゃっていました。羊毛と古道具の店ソウイの店舗情報は facebook でご確認ください。

10:25 植木屋人形店

植木屋人形店(外観) 植木屋人形店(店内) 3番目に訪れたのは創業240年・植木屋人形店(越谷市越ヶ谷2-7-3)。店主の曾田正三(あいだしょうぞう)さんから越谷の人形作りの歴史や越谷甲冑についてお話がありました。植木屋人形店は越谷雛(こしがやびな)の元祖で、江戸時代の安永年間(1772年~1780年)に、越谷で雛人形の製作と販売を始め、現在に至っています。

伊達政宗公の甲冑飾り 越谷特産・神武天皇鍾馗人形 店内には、第22回 全国新作人形コンクールで内閣総理大臣特別賞を受賞した忠保(ただやす)の甲冑(伊達政宗公)のほか、赤鍾馗(あかしょうき)や越谷特産・神武天皇鍾馗人形(じんむてんのうしょうきにんぎょう)など、貴重な五月人形も展示されていました。

10:40 水田家

水田家|越谷市越ヶ谷 古代具足の甲冑飾り 4番目に訪ねたのは水田家(みずたけ)・旧水田文具店。住所は越谷市越ヶ谷2-2-22。昔は文房具屋さんでした。ガラス戸がピカピカ。家屋の手入れも行き届いていて、保存状態も良好です。古代具足の甲冑飾り(忠保=ただやす=作)が展示されていました。

10:45 横田診療所

横田診療所(外観) 横田診療所(看板) 5番目に寄ったのは横田診療所。内科・小児科・産婦人科・外科。住所は埼玉県越谷市越ヶ谷3-2-30。今も現役の診療所です。洋風を意識した横板張り(南京下見板張り=なんきんしたみいたばり)が特徴。レトロ感ただよう西洋風の木造二階建ての建物です。桃色の外観がモダンですね。昭和10年(1935年)築。昭和35年(1960年)までは郵便局として使われていました。

10:50 油長内蔵

油長内蔵(外観) 6番目に立ち寄ったのは、油長内蔵(あぶらちょううちくら)。油長(あぶらちょう)という屋号で油屋(あぶらや)を営んでいた旧家・山崎家の蔵(明治時代築)。老朽化により解体される予定でしたが、地元の中央住宅(ポラス)が買い取り、2015年に再生・改築、越谷市に寄贈されました。

金土日は、1階を寄合処として「まち蔵カフェ」を営業。メニューは、コーヒー(和菓子付き)紅茶(クッキー付き)抹茶(和菓子付き)サンドイッチ(コーヒーまたは紅茶付き)など。

着物 2階の蔵では、山崎家所有の茶器・着物・懐中時計・キセル・グラス・花瓶・絵皿・徳利・小皿・重箱などが展示されていました。どれも明治・大正・昭和初期にかけてのものばかり。保存状態もたいへんよく、テレビ東京の開運!なんでも鑑定団に出品したら高値がつくお宝もありそうです。

11:05 八百喜・参の蔵

八百喜参の蔵(外観) 7番目、休憩も兼ねて訪れたのは、八百喜・参の蔵(やおき・さんのくら)。新緑のモミジの巨木が出迎えてくれました。昔は「八百喜」(やおき)という屋号の魚屋だったそうです。外見は石造りのように見えますが、洗い出しと呼ばれる製法で造られた木造の蔵。蔵の軒先には長さ8メートルもの鯉のぼりが飾られていました。鯉のぼりは明治時代のものだそうです。

甲冑飾り 蔵の中(1階と2階)には、明治から昭和にかけての五月人形や甲冑飾りなどが飾られていました。

くくり猿 蔵の入口には、「くくり猿」(くくりざる)と呼ばれる子供のお守りとして用いられた身代わり猿が展示されていました。上の写真の赤いものが、くくり猿です。

柏餅とお茶の接待

お茶菓子の接待 八百喜・参の蔵(やおき・さんのくら)の庭先で、柏餅とお茶が振る舞われました。柏餅は越ヶ谷宿の老舗・岡埜製菓店(おかのせいかてん)のものだそうです。柏餅とお茶は有料(300円)ですが、越ヶ谷宿の甲冑めぐり・まちなみガイドツアー参加者は、参加料金に含まれているので、お金は支払わずに、いただけました。

クラリネットと鍵盤ハーモニカによるミニコンサート

八百喜参の蔵の庭先で、柏餅とお茶をいただきながら休憩をとっている間、クラリネットと鍵盤ハーモニカによるミニコンサートが行なわれました。演奏は音大生デュオ・ミッシュマッシュ。お二人が演奏した「シャンゼリゼ」を動画に撮って YouTube にアップしました(上の動画)。素敵な音色に癒されました。

オルガニート(R)ミニコンサート

オルガニート(R)演奏家 C-comb.(シー・コーム)さんによるミニコンサートも行なわれました。オルガニート(R)とは手回しオルゴールのこと。7曲演奏された中から童謡『こいのぼり』を動画に収めて YouTube にアップしました(上の動画)。オルガニート(R)の音色に乗って巨大鯉のぼりが空を泳いでいるかのようです。

11:35 有瀧家の黒板塀

有瀧家の黒板塀 八百喜参の蔵をあとに、8番目に訪れたのは、有瀧家の黒板塀(ありたきけのくろいたべい)。住所は越谷市中町8-2。建造物を支えるために土台として黒塀下に据えられる礎石(そせき)は伊豆軟石です。

11:40 浅間神社のケヤキ

越ヶ谷浅間神社 浅間神社のケヤキ 9番目に寄ったのは、越ヶ谷小学校の北側にある越ヶ谷浅間神社(せんげんじんじゃ)の境内にあるケヤキ。住所は埼玉県越谷市中町7。越谷市でいちばん大きなケヤキで、樹高23メートル・幹回り7メートル。推定樹齢600年の古木で「浅間神社のケヤキ」として越谷市の文化財(天然記念物)にも指定されています。

11:45 木下半助商店

木下半助商店(外観) 木下半助商店(店内) 10番目目に立ち寄ったのは木下半助商店(きのしたはんすけしょうてん)。住所は越谷市 中町7-20。創業は江戸後期。大工道具や金物を今ではほとんど見られなくなった「座売り」で扱っているお店です。2015年に、越谷市では初の国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。店内には兜や武者人形も飾られていました。

11:50 小泉氏家

小泉家(外観) 11番目に紹介されたのは、小泉家(こいずけ)。住所は越谷市中町10-5。母屋は明治32年の越谷の大火により消失しましたが同年再建。土蔵(どぞう)は明治8年築。現在の土蔵(上の写真の左側)は越谷の大火で焼失を免れた当時のもの。銅板張り土戸(つちど)など明治時代の防火対策を施した建築が見られます。

11:55 鍛冶忠商店

鍛冶忠商店(外観) 12番目に案内されたのは、鍛冶忠商店(かじちゅうしょうてん)。もともとは鍜冶屋(かじや)を営んでいたので、屋号はそれにちなんでいます。住所は越谷市中町10-6。明治33年(1900年)に建てられた蔵造りの建物で、日用雑貨や荒物などを売っています。

座敷箒|鍛冶忠商店 今ではほとんど見られなくなった座敷箒(ざしきぼうき)もあります。座敷箒、懐かしいですねぇ……。

鍛冶忠商店(甲冑飾り) 鍛冶忠商店の店内には徳川家康が着用した甲冑をかたどって作られた忠保作の甲冑飾りが飾られていました。

12:00 はかり屋|旧大野家住宅

はかり屋 13番目。最後に訪れたのは、2018年4月1日にオープンした古民家複合施設「はかり屋」(越谷市本町8-8)。明治38年(1905年)ごろに建てられた土蔵造りの二階建て。旧大野屋邸秤屋(きゅう・おおのやていはかりや)。当時の面影を残したま残されています。2018年11月に国の登録有形文化財の認定を受けました。

12:05 解散

鯉のぼり(はかり屋) はかり屋内の店舗を見学して、ここで解散。ガイドさんの分かりやすい解説もあって、越ヶ谷宿の史跡や旧家など、ふだんはなかなか目にすることのできない場所にも案内していただけて、貴重な体験ができました。3月に行なわれた「越ヶ谷宿 雛めぐりガイドツアー」に続いての参加でしたが、来年もまた参加しようと思います。

越ヶ谷宿のイベント

越ヶ谷宿の雛めぐりガイドツアー<2019>に参加してきました。
珈琲の日こしがや珈琲街道イベント風景<越谷市>2019年3月3日
越谷市「第6回宿場まつり」に行ってきました<2018年11月18日>
越ヶ谷宿を巡るガイドツアー重陽の節句に参加しました|2018年10月6日

油長内蔵|まち蔵カフェ

まちめぐりガイドツアー解散後、油長内蔵(あぶらちょううちくら)まち蔵カフェに寄って、テラス席でアイスコーヒーをいただきました。すっきりした美味しいアイスコーヒーでした。五月晴れの下、新緑の風に吹かれながら、のんびりとした時間を過ごせました。
 

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