越ヶ谷宿を巡るガイドツアー重陽の節句に参加しました|2018年10月6日

2018年10月6日(土)。埼玉県越谷市の旧越ヶ谷宿(越谷駅東口周辺)で開催された大人のひな祭り「重陽の節句」(ちょうようのせっく)。イベントのひとつとして行なわれた旧越ヶ谷宿を巡るガイドツアー(お茶菓子・食事付き)に参加した様子を写真とともに現地レポート風にお伝えします。古民家や人形店で公開されている貴重な雛人形や資料、歴史的建造物などを約3時間かけて巡ってきました。

 

越ヶ谷宿を巡るガイドツアー|2018年10月6日

旧越ヶ谷宿を巡るガイドツアー 今年(2018年)で2回目を迎える「日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句」。開催期間は10月3日(水)から10月8日(月)の6日間。私が参加したガイドツアーが行なわれたのは、10月6日の土曜日。巡った箇所は11箇所。旧越ヶ谷宿を巡るガイドツアーの様子を時系列でご案内します。


2019年の重陽の節句については下記の記事で紹介しています。

重陽の節句で越ヶ谷宿の新旧名所を巡る|2019年10月5日

9:45 集合(越谷駅東口・ガーヤちゃんの蔵屋敷前)

ガーヤちゃんの蔵屋敷前 集合は東武伊勢崎線・越谷駅東口(ガーヤちゃんの蔵屋敷)。参加人数は9人。ガイドスタッフ2人。アシスタント3人。参加費はガイドツアーのみは500円。レストランでのランチ付きは2,000円(事前予約制)。ガイドスタッフは、越谷市郷土研究会と旧日光街道越ヶ谷宿を考える会のみなさん。ツアー行程の概要が説明されてツアー出発。

10:00 越ヶ谷駅停車場新設記念碑

越ヶ谷駅開設記念碑 最初に向かったのは、越谷駅東口ロータリーにある越ヶ谷駅開設記念碑。大正9年(1920年)に越ヶ谷停車場として開設された東武線の越谷駅が、平成11年(1999年)に高架線になって改築されたのを記念して建てられた記念碑です。

越谷ツインシティ(回廊) 越谷ツインシティの回廊下を通って次のスポットへ

10:10 新町八幡神社

新町八幡神社 2番目に訪れたのは新町八幡神社(しんまちはちまんじんじゃ)。住所は越谷市越ヶ谷2-2-16。建立(こんりゅう)は南北朝時代の文和2年(1353年)ごろと伝えられています。今から約660年前ですね。本堂の後ろには越谷ツインシティの29階建て高層マンション・グローリオ越谷が見えます。昔の人がこの光景を見たらビックリするでしょうねぇ……。

10:15 旧日光街道 越ヶ谷宿

旧日光街道 越ヶ谷宿 森町八幡神社をあとに旧日光街道・越ヶ谷宿に出ました。越ヶ谷宿は、日光道中・三番目の宿場として栄えた宿場町。江戸時代、徳川将軍家や参勤交代の諸大名などもこの道を通りました。

10:20 植木屋人形店

植木屋人形店(外観) 3番目に訪れたのは、旧日光街道沿いにある植木屋人形店(越谷市越ヶ谷2-7-3)。江戸・安永年間(1772年~1780年)に越谷で雛人形の製作と販売を始めた老舗人形店です。

螺鈿屏風 雛人形 越谷段雛 雛人形のパーツ 店内には「大人のひなまつり後の雛(のちのひな)重陽の節句展」として、珍しい中国製の螺鈿屏風(らでんびょうぶ)や歴史的価値のある雛人形、越谷段雛のほか雛人形を作るときのパーツなどが飾られていました。

植木屋人形店の店主による解説 店主の会田正三(あいだしょうぞう)さんから越谷人形の歴史についてのお話もありました。越谷ひな人形の起源は、今から200年前の江戸時代(安永年間)。会田佐右衛門という人が越谷で製作を始めたことに由来しているとのこと。ちなみに、この会田佐右衛門が植木屋人形店の創業者だそうです。

10:50 横田診療所

横田診療所 4番目に寄ったのは横田診療所(埼玉県越谷市越ヶ谷3-2-30)。今も現役の診療所です。診療科目は内科・小児科・産婦人科・外科。昭和10年(1935年)築。昭和35年(1960年)までは郵便局として使われていました。レトロ感ただよう西洋風の木造二階建ての建物です。テレビドラマや映画の撮影にも使えそうな外観ですね。

10:55 油長内蔵(まち蔵カフェ)

油長内蔵 5番目に訪れたのは、油長内蔵(あぶらちょううちくら)。油長(あぶらちょう)という屋号で油屋(あぶらや)を営んでいた旧家・山崎家の蔵を2015年に再生・改築、越谷市に寄贈されました。1階部分はカフェスペース(まち蔵カフェ)、2階は展示スペースになっています。

11:00 八百喜参の蔵で休憩

八百喜参の蔵(外観) 吊し雛と雛人形 6番目に休憩を兼ねて立ち寄ったのは、八百喜・参の蔵(やおき・さんのくら)。越ヶ谷宿でイベントが催されるときは蔵の中の展示物などを見学することができます。今回は「大人のひなまつり」ということで、蔵の2階には、吊し雛や雛人形などが飾られていました。

菊の着せ綿 蔵の前には「菊の着せ綿」(きくのきせわた)が飾られていました。菊の着せ綿とは、重陽の日(旧暦九月九日=新暦だと十月中旬)に、菊の花に真綿をかぶせ、早朝、朝露を含んだ綿で体を拭き、無病息災・長寿を願う風習です。

八百喜・参の蔵の庭先 菊茶と和菓子 八百喜・参の蔵の庭先で、クコの実入りの菊茶と、うさぎをかたどったおまんじゅうが振る舞われました。BGMで流れていた雅楽・秋庭歌一具(しゅうていがいちぐ)の音色にも癒されました。

11:30 有瀧家の黒塀

有瀧家の黒塀 八百喜参の蔵でひと息ついたあと、7番目に立ち寄ったのが有瀧家の黒塀(ありたきけのくろべい)。黒く塗られた板塀に歴史を感じます。この場所は江戸初期、奥州街道につながる古道だったそうです。

11:35 浅間神社のケヤキ

浅間神社のケヤキ 8番目に立ち寄ったのは、浅間神社のケヤキ。中町浅間神社(なかまちせんげんじんじゃ)の境内にある越谷市の文化財に指定されている推定樹齢600年の欅(けやき)で、樹高23メートル、根回り7メートルの古木です。

11:40 木下半助商店

木下半助商店(外観) 木下半助商店(店内) 9番目に立ち寄ったのは、大工道具や金物を扱っている木下半助商店(きのしたはんすけしょうてん)。創業は江戸後期。明治の大火により消失しましたが明治38年の大火後に再建。2015年に越谷市では初となる国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。

木下半助商店(雛人形) 大人のひな祭り(重陽の節句)ということで、菊の花や健康と長寿を祝う高砂人形(たかさごにんぎょう)が飾られていました。なお木下半介商店は、2018年2月28日にBSプレミアムで放映されたドラマ「越谷サイコー」の撮影現場として使われました。

11:55 はかり屋

はかり屋 10番目に訪れたのは、今年(2018年)4月1日に古民家複合施設としてオープンした「はかり屋」。明治38年(1905年)ごろに建てられた土蔵造りの二階建て建物(旧大野屋邸秤屋=きゅうおおのやていはかりや)をリノベーションしました。

ザクロの木 はかり屋の敷地内にはザクロが植えられていて、ザクロの実がたわわに実っていました。石畳から眺める瓦屋根の母屋と板塀も風情を感じます。はかり屋は老朽化のために取り壊してマンションにする計画もあったそうですが、古民家複合施設として再生され、ザクロの木も喜んでいますね、きっと。

12:20 ミネットでキッシュプレートランチ

ミネット(minette) 最後、11番目は、はかり屋内にある、キッシュとフレンチ総菜のお店「ミネット」(minette)でランチをいただきました。旧越ヶ谷宿を巡るガイドツアー参加者は予約をしてあったので、予約時間(12時20分)になったところで、店内(2階)に案内されました。

キッシュプレートランチ 今回のキッシュプレートランチは、もち麦としょうがのスープ◇キャロットラペ◇鶏むね肉のマリネ◇フルーツほおずき入りサラダ◇バケット◇バターカボチャのキッシュ◇ドリンク――。味はもちろん見た目もかわいいプレートランチでした。

13:00 解散

アイスコーヒー 今回参加した越ヶ谷宿を巡るガイドツアー<重陽の節句>は、越谷市郷土研究会と旧日光街道越ヶ谷宿を考える会のガイドさんたちのうんちくある解説のおかげで、越谷のさまざまな魅力に触れることができました。なお越ヶ谷宿を巡るガイドツアーは年に数回行なわれます。私が参加したガイドツアーの様子は下記の記事でお伝えしています。

越ヶ谷宿を巡るガイドツアー

第493回越谷市郷土研究会史跡めぐりに参加しました|2018年10月14日
越ヶ谷宿の雛めぐりガイドツアー<2019>に参加してきました。
越谷市「第6回宿場まつり」に行ってきました<2018年11月18日>
越ヶ谷宿の甲冑めぐりガイドツアー<2019>に参加してきました。

日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句の日程とイベント内容

越ヶ谷宿を巡るガイドツアー<重陽の節句>資料一式 日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句は毎年、10月上旬に行なわれます。3回目となる2019年「越ヶ谷宿 重陽の節句」は、10月5日(土)6日(日)に開催。場所は、旧日光街道沿い周辺の古民家・商店など。期間中はイベントや越ヶ谷宿を巡るガイドツアーなども行なわれます。
 

コメントは受け付けていません。