越谷市千間台東の石仏を調査しました|2019年4月11日

2019年4月11日(木)越谷市郷土研究会主催・文化財パトロールに参加しました。今回調査したのは越谷市千間台東(旧上間久里村)地区にある石仏。閻魔堂・上間久里下堂・上間久里香取神社の石仏◇文字庚申塔◇青面金剛像庚申塔◇阿弥陀如来像付き念仏塔◇百八十八箇所巡礼塔◇名号塔◇僧侶供養塔◇文字塔――12基を巡ってきました。

 

文化財パトロール|2019年4月11日

越谷市郷土研究会主催・石仏パトロール 越谷市の文化財(主に石仏=せきぶつ)の保護を目的に、越谷市郷土研究会が、2005年から行なっている文化財パトロール。今年(2019年)は、越谷市の北部、平方(ひらかた)大泊(おおどまり)上間久里(かみまくり)下間久里(しもまくり)大里(おおさと)地区を対象に実施。7グループに分かれて地区ごとの石仏調査を実施しました。今回、私が参加したのは上間久里(越谷市千間台東)地区の石仏パトロール。調査年月日は2019年4月11日。当日の様子を写真を交えてお伝えします。

出発|せんげん台駅東口

せんげん台駅東口 集合は東武伊勢崎線・せんげん台駅東口。調査員は越谷市郷土研究会員五人。読売新聞の記者も一名、取材のために参加しました。午前10時20分、石仏パトロールスタート。事前に配布された資料をもとに石仏の場所確認や保存状態などを見ていきます。

閻魔堂

閻魔堂|越谷市千間台東3-25-2 最初に向かったのは、閻魔堂(えんまどう)。住所は越谷市千間台東3-25-2。敷地内(墓地)と敷地の外(ブロック塀沿い)に石仏が点在していますが、閻魔堂では八基の石仏を調査しました。

文字庚申塔

文字庚申塔(青面金剛) 青面金剛(しょうめんこんごう)と彫られた文字庚申塔(もじこうしんとう)。亨保16年(1731年)造立(ぞうりゅう)

青面金剛像庚申塔|笠付き型

青面金剛像庚申塔(笠付き型) 笠付き型の青面金剛像庚申塔(しょうめんこんごうぞうこうしんとう)。青面金剛が彫られています。造立は江戸中期・亨保16年(1731年)

青面金剛像庚申塔|駒型

青面金剛像庚申塔(駒型) 青面金剛が彫られた駒型の青面金剛像庚申塔。江戸中期・明和2年(1765年)造立

文字庚申塔

文字庚申塔 「庚申塔」と彫られた文字庚申塔。明治12年(1879年)造立

阿弥陀如来像付き念仏塔

阿弥陀如来像付き念仏塔 阿弥陀如来像が彫られた念仏塔。江戸初期・寛文4年(1664年)造立

不動三尊線刻像

不動三尊線刻像 正面に不動三尊(ふどうさんぞん)が線刻(せんこく)された石仏(不動三尊線刻像)。明治18年(1885年)造立。線刻とは石に刻まれた文字や絵画のこと。不動三尊とは、正面に不動明王(ふどうみょうおう)左右に矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)を配した仏像・仏画の構図のこと。

名号塔|南無阿弥陀佛

名号塔|南無阿弥陀佛 南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ)と彫られた名号塔(みょうごうとう)。江戸末期・文久2年(1862年)造立。名号とは仏や菩薩の名。阿弥陀仏を念じて唱える「南無阿弥陀仏」の六字のことをいいます。

信州出身僧侶供養塔

信州出身僧侶供養塔 信州出身の僧侶・良慶法師(りょうけいほうし)の供養塔。江戸中期・明和5年(1768年)造立

 

上間久里下堂

上間久里下堂|越谷市千間台東3-25-2 次に向かったのは、上間久里下堂(かみまくり しもんどう)墓地。住所は越谷市千間台東3-25-2。江戸時代の名主や僧侶の墓塔(ぼとう)のほか石仏も多く見られます。下堂では一基の石仏(巡礼塔)を調査しました。

百八十八箇所巡礼塔

百八十八箇所巡礼塔 江戸時代・上間久里地区の名主であった上原家の墓地にある百八十八箇所巡礼塔。秩父・坂東(ばんどう)の観音霊場百箇所と四国の弘法大師霊場八十八箇所すべて(百八十八箇所)を徒歩で巡った記念の石塔です。造立は江戸中期・宝暦9年(1759年)

上間久里香取神社

上間久里香取神社|越谷市千間台東1-23-2 最後に訪れたのは上間久里香取神社(かみまくりかとりじんじゃ)。住所は越谷市千間台東1-23-2 。建立は江戸時代。明治6年(1873年)に火災により本殿と拝殿を焼失。現在の社殿は明治35年(1902年)に再建されたもの。御祭神は日本書紀に登場する經津主命(ふつぬしのかみ)。間久里香取神社では4基の石仏を調査しました。

稲荷大明神|文字塔

稲荷大明神|文字塔 稲荷大明神(いなりだいみょうじん)と彫られた文字塔二基(上記写真の真ん中と右端)。どちらも造立は江戸中期・延亭(えんきょう)元年(1744年)

良公神|文字塔

良公神|文字塔 良公神と彫られた文字塔。建立は江戸中期・天明(てんめい)6年(1786年)

神宮|文字塔

神宮|文字塔 「□神宮」と彫られた文字塔。□の部分は劣化がひどく解読不明。建立は江戸後期・文化13年(1816年)

石仏調査終了

石仏 越谷市千間台東(旧・上間久里村)地区の三箇所・12基の石仏調査を終え、せんげん台駅東口で解散。今回の文化財パトロールに要した時間は約2時間。途中、上間久里地区の古道の場所なども案内してもらい越谷の歴史に触れることができました。

越谷市郷土研究会

越谷市瓦曽根の石仏と歴史めぐり|瓦曽根溜井・照蓮院…他
第493回越谷市郷土研究会史跡めぐり|2018年10月14日
幻の村・山谷村を探すミステリーツアー|2018年12月9日
越谷市郷土研究会 公式サイト

NPO法人・越谷市郷土研究会では、越谷市内外の史跡めぐりをはじめ歴史についての講演会や勉強会、調査研究の展示などの活動を行なっています。越谷市郷土研究会の入会やイベントなどの詳細は上記の記事や公式サイトをご覧ください。入会すると機関誌と行事のお知らせなどが定期的に送られてきます。
 

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