発汗による脱水症状などが原因で起こる熱中症。めまい・頭痛・倦怠感などの症状から重症化すれば意識障害やけいれん発作などを起こして死に至る危険もあります。水分補給も正しく行なわないと逆効果。熱中症を防ぐことはできません。熱中症予防のポイントをまとめました。まずは熱中症の常識クイズから――
熱中症の常識クイズQ&A
あなたは熱中症について正しい知識を持っていますか?汗はこまめに拭くほうがいい?
答は×。汗は拭かないほうがいいんです。汗は蒸発するときに気化熱を奪うことで体温を下げる働きをしているので、ハンカチやタオルなどで必要以上に汗を拭き取ってしまうと、自然な蒸発ができなくなってしまい、体温が下がりにくくなってしまうんです。なので、ポイントは、汗をかいたら拭くよりあおげ!――これが鉄則です。
喉の渇きはビールで潤せる?
これもバツ。喉の渇きをビールで潤すのはもちろんダメです。熱中症の水分補給と称してビールで喉の渇きを潤すのは言語道断。ピールをグビグビ飲むと水分補給よりも先にアルコールによって血管が拡張してしまい、全身の血管が全開してしまいます。喉が渇いているので体内の水分は不足しています。したがって、血圧が下がってしまい、脳の血流が悪くなり、失神を起こす危険性もあります。二日酔いの喉の渇きはまさに脱水症状といえます。お酒を飲んだら同じ量の水を飲むこと。これが鉄則です。
夜になれば熱中症は起こらない?
答は×。熱中症はじわじわ進行するため、蒸暑い外で過ごしたあと、数時間たってから室内で発症することもあります。熱帯夜に寝室で脱水症状を起こして救急搬送されるかたも増えています。
いかがでしたか? 熱中症についての予防は、対処の仕方によっては、かえって逆効果になってしまうこともあります。正しい知識を知ることが熱中症予防の第一歩です。
熱中症の予防と対策
熱中症の予防と対策で勘違いされていることや意外と知られていないことなどをまとめて記事にしました。家庭で取り組める熱中症対策についても具体的に解説していますので、お役立てください。熱中症予防のポイント
熱中症予防のポイント。いちはん重要なのは水分補給。汗が出てからでは水は体に入りません。汗をかく前からの水分補給が重要です。目安は一日1.5リットル。コップ8杯。200ミリリットル程度の水を8回に分けて、起床後や外出の前後、就寝前などにこまめに飲むこと。ミネラルと糖分を補給するためには、ひとつまみの塩と小さじ1杯の砂糖を加えると効果的です。食事はたんぱく質を含む食材を積極的に摂り、適度な運動を行なって汗をかきやすい体にすること。水分補給・食事・適度な運動――で、熱中症になりにくい体づくりをし、元気に夏を乗り切りましょう。